仏・ロレアルグループ 2021年業績結果

日本ロレアル株式会社のプレスリリース

仏・ロレアルグループの取締役会は、2022 年 2 月 9 日、ジャン-ポール・アゴンを議長とし、会計監査人の出席のもと開 催され、財務諸表の連結を終え、 2021 年度の決算報告を発表しました。

  • 売上:322億8,000万ユーロ
    • 同一基準ベース +16.1%(前年同期比*1)
    • CERベース +16.9%
    • 決算報告ベース +15.3%
  • 2019年との売上成長比 同一基準ベース+11.3%(前年同期比)
  • 記録的な営業利益: 61.6億ユーロ、売上高の19.1%
  • 1株当たり収益(*2):8.82ユーロ、+20.9%の増加
  • 配当金(*3):4.80ユーロ、+20%の増配

仏・ロレアルグループの取締役会は、2022 年 2 月 9 日、ジャン-ポール・アゴンを議長とし、会計監査人の出席のもと開 催され、財務諸表の連結を終え、 2021 年度の決算報告を発表しました。ロレアルグループのCEO(最高経営責任者)であるニコラ・イエロニムスは、本業績について次のようにコメントしました。

「2021年はロレアルにとって歴史的な1年でした。世界中にいる85,400人のロレアル社員の専門知識、情熱、コミットメントにより、当社グループは世界の美容市場の2倍となる+16.1%(*1)という記録的な成長を達成することができました。ロレアルはすべての地理的ゾーン、 事業本部、 カテゴリで市場シェアを拡大しました。2年間で、グループは対前年同期比+11.3%の成長を達成し、ほぼ2019年と同水準に回復した市場をも見事に凌駕しています。2021年は、この歴史的な業績達成のために必要なすべてがそろった年でした。
地理的ゾーン別では、北米が力強い復活を遂げ、北アジアと並び、主要な成長要因となりました。欧州では、地理的ゾーンの再編成が功を奏し、大幅な市場シェアの向上を達成し、2019年の業績水準へ回復しました。SAPMENA-SSA(*4)(南アジア太平洋、中東、北アフリカ、サハラ以南のアフリカ地域)とラテンアメリカの新型コロナウイルスの感染拡大状況が極めて不安定ななかでも、ロレアルは俊敏性を発揮し、堅実な業績を収めることができました。
ロレアル リュクス事業本部はフレグランスで顕著な成功を収め、グループ最大の事業本部となりました。一方、数量ベースで最大の事業本部であるコンシューマー プロダクツ事業本部は、メイクアップで顕著な業績を上げ、その地位を強固なものにしました。急成長しているプロフェッショナル プロダクツ事業本部は、広範囲に及ぶ変革を続け、真のオムニチャネル化を実現しました。消費者の健康志向に合致するブランドポートフォリオを有するアクティブ コスメティクス事業部は、4年間で2倍という目覚しい成長を遂げました。
2021 年、ロレアルは再びデジタル分野でのリードを拡大しました。Eコマース(*5) は +25.7%(*6)  増加し、売上高の 28.9%を占めました。当社は、新しいデジタルチャネルが提供する機会をつかむことができました。同時に、統合的なオムニチャネル戦略の一環として、店頭 のデジタル化も継続しています。
また、ビューティーテックについての変革も進めています。データや人工知能へ投資をし、戦略的パートナーシップの構築を進めます。肌や髪の老化メカニズムの特徴を明らかにし、その理解を促進することを目的としたVerily 社との提携は、その一例です。
ロレアルは、優れたイノベーションと徹底したコスト管理により、ブランドへの広範な投資とその魅力の向上を実現し、同時に過去最高の営業利益、ならびに50ベーシスポイント増という過去最高の営業利益率をも達成し、並外れた成長を遂げています。
また社会的・環境的な達成についても誇りに思っています。企業責任を果たしつつ成長し、すべてのステークホルダーと価値をわかちあいたいという当社の願いを反映するものです。まず、この過去最大という異例の業績を達成してくれた当社の社員たちへ対し、プロフィット・シェアリングを通し還元します。さらに、若者の雇用を促進するために、昨年は、新しいグローバルプログラム「L’Oréal For Youth(ロレアル・フォー・ユース)」の一環として、30 歳未満の若者に 18,300 人以上の雇用機会を提供しました。2022年から2025年に間には、年間25,000人に雇用機会を提供することを目標としています。また、ジェンダー平等を支援する当社の取り組みは、ブルームバーグ男女平等指数によって評価されました。さらに、最大の支社であるロレアル USA は、ロレアル・フォー・ザ・フューチャー の掲げているグループ目標より 4 年ほど早く、2021 年に全拠点でカーボンニュートラル を達成しました。ロレアルは、気候変動への取り組み、森林保護、水保全における環境リーダーシップが評価され、CDPから6年連続でAAAスコアを獲得している世界で唯一の企業です。
年末には、ネスレが保有する自社株 4%のロレアルによる買い戻しという戦略的取引が行われ、当グループの長期的な成功にとって重要なアセットである株主構成を強化することに成功しました。
年初から不安定な状況が続く世界情勢のなか、2022年も市場を上回る業績を上げ、売上・利益ともに再び成長を実現できると確信しています」

2022年4月21日開催予定の定時総会について
年次総会は、2022年4月21日10:00から開催される予定です。株主には、通常通りの通知方法で案内します。総会の開催にあたっては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が現在も流動的であることに配慮します。
株主は、定期的にウェブサイト上の「年次総会」セクションをご確認ください。loreal-finance.com のウェブサイトでは、年次総会に関する最新情報をご覧いただけます。

取締役会および委員会の構成
2022年2月9日開催の取締役会において、ジャン-ポール・アゴン氏、パトリス・ケイン氏、ベレン・ガリホ氏の取締役任期を4年とする更新を2022年4月21日の年次株主総会に提案することが決定されました。
年次総会においてアゴン氏の取締役としての在任期間の更新が承認された場合、本総会後に開催される取締役会において、アゴン氏の取締役会会長再任が要請される予定です。
提案された決議を年次総会が承認した場合、取締役会は引き続き16名の取締役で構成されます。すなわち、総会で選任された14名の取締役と従業員を代表する2名の取締役で構成される予定です。
独立性と多様性のバランスに変更はありません。

  • 年次総会で選任された14人の取締役のうち、7人すなわち50%が独立取締役です
  • 年次総会で選任された取締役14名の構成は、女性7名、男性7名、すなわち男女比率は50%と同等です

2021年売上

  • 同一基準ベース(組織構造と為替レートが一定という条件のもと)ロレアルグループの売上は+16.1%
  • 連結対象の変更によるネットインパクトは、+0.8%
  • 為替レートが一定との条件のもとでの売上は、+16.9%
  • 2021年末時点において、為替変動によるマイナス影響は-1.6%
  • 財務報告ベースでは ロレアルグループの売上は2021年12月31日時点で、322.8 億ユーロ、つまり+ 15.3%の成長

事業本部別サマリー

プロフェッショナル プロダクツ事業本部
プロフェッショナル プロダクツ事業本部は、力強い成長とともに一年を終え、同一基準ベースで +24.8%、財務報告ベースでは+22.2%

当事業本部は、米国と中国本土を中心に、すべての地理的ゾーンで歴史的な市場シェア拡大を達成し、上昇の勢いを維持しました。オムニチャネル戦略の効果は、サロンにおける製品販売の回復、米国におけるSalonCentricの好調、Eコマースの大幅な伸びに表れています。ヘアケアは、引き続き成長率ナンバーワンのカテゴリです。ケラスターゼは、「Curl Manifesto(日本未発売)」の成功にけん引され、目覚しい成長を遂げました。ロレアル プロフェッショナルは、破壊的技術である 「メタルDX」、そして Redken (日本未展開ブランド)は、「Acidic Bonding Concentrate」の新ラインにより、力強い成長を記録しました。ヘアカラーは、特にRedkenの 「Shades EQ」 とロレアル プロフェッショナルの「Dialight(日本未発売)」 の成功により、非常に力強い回復を遂げました。また業界のリーダーとして、「Hairstylists for the Future(ヘアスタイリスト・フォー・ザ・フューチャー)」を立ち上げ、すべてのパートナー美容師に対し、サステナブルな変革を促しています。

コンシューマー プロダクツ事業本部
コンシューマー プロダクツ事業本部は、第4四半期に同一基準ベース+5.6%、財務報告ベース+4.5%の成長

当事業本部は2021年にシェアを拡大しました。米国だけでなく、インド、ブラジル、メキシコ、インドネシアといった潜在市場においても力強く成長しました。すべての地理的ゾーン、特に新興市場においては、Eコマースの発展が成長をけん引しました。メイクアップでは、メイベリン史上最も成功した新製品となった 「Sky High Mascara」(日本未発売)、ヘアケアでは、「Dream Lengths Wonder Watery  by Elsève(日本未発売)」 や中国本土での「 L’Oréal Fall Resist(日本未発売)」 などのプレミアムイノベーション、スキンケアでは、SAPMENA ゾーンとラテンアメリカゾーンの多くの国で大成功した Garnier (日本未展開ブランド)の 「Vitamin C Serum」 などにより、すべての主要ブランドがすべてのカテゴリで革新的な製品を展開し成長を遂げました。NYX Professional Makeup (日本未展開ブランド)も、主要な製品発売や、大ヒットNetflixのテレビドラマ シリーズ「ペーパー・ハウス」とのパートナーシップといった新しい試みにより、非常に好調な 1 年となりました。ロレアル パリは、売上高が 60 億ユーロを超え、世界第 1 位のビューティーブランドとしての地位を強化しました。

ロレアル リュクス事業本部
ロレアル リュクス事業本部 は、ラグジュアリー化粧品のグローバル市場がコロナ渦前の水準に近いところまで回復したなか、力強く成長。同一基準ベースで +20.9% 、財務報告ベースで+ 21.3% 

同事業本部は、カテゴリ、地域、販売チャネル別にバランスのとれた目覚しい業績を達成し、グループ最大の事業本部となりました。ロレアル リュクス事業本部は、オンラインとオフラインの売上をバランスよく加速させ、販売チャネル間の相補性を最大限に活かしました。ロレアル リュクス事業本部は、3 つのカテゴリで市場シェアを拡大しました。スキンケアでは、最高級のプレミアムブランドであるランコム アブソリュ、ヘレナ ルビンスタイン、そしてキールズの「キールズ DS RTN リニューイング セラム」などのアンチエイジング製品が非常に好調な結果を残しました。フレグランス部門は、イヴ・サンローランの「リブレ」などの定番商品と、Mugler(日本未展開ブランド)の「Alien Goddess」やプラダの「ルナ・ロッサ オーシャン」といった期待の新製品により、首位の座を堅持しました。メイクアップでは、ランコムとシュウ ウエムラが好調に推移しました。当事業本部は全ての地理的ゾーンでのポジションを強化し、北アジアでは市場シェアを大幅に拡大し、欧州では優れた業績を記録しました。北米では販売チャネルの再編により、売上が再び加速しています。また2021年末には、Youth to the People(ユース・トゥ・ザ・ピープル)の買収を完了しました。 

アクティブ コスメティックス事業部
アクティブ コスメティックス事業部は、異例の成長とともに一年を終え、同一基準ベースで+31.8%、財務報告ベースで+30.3%

同事業本部は、消費者の健康志向の高まりとともに、2021 年に極めて活況となったDermocosmetics (臨床皮膚医学の知見に基づいて作られたスキンケア製品)市場を大幅に上回る業績を収めました。医療従事者との強固な関係をより一層強化し、皮膚科医推奨のスキンケア製品カテゴリにおけるリーダーシップを確かなものにしました。
アクティブ コスメティックス事業部は、北米と北アジアで例外的な業績を達成し、全地理的ゾーンにおいて力強い成長を遂げました。オフラインの売上は2桁の大幅増に転じ、オンライン売上は前例のないほど好調で10億ユーロを超えました。当事業部の主要ブランドは力強い成長を遂げました。ラ ロッシュ ポゼは、美容液「エファクラ」や湿疹治療に革命をもたらした「Lipikar EczemaMED」(日本未発売)などの最先端のイノベーションにより、2020年比で2倍以上の成長率を達成しました。Vichy(日本未展開ブランド)は、欧州において更年期女性向けスキンケアを中心にアンチエイジング分野でのリーダーシップを強化し、中南米や北米でも成長を加速しました。Skin Ceuticals(日本未展開ブランド)は、「Silymarin CF」の成功により抗酸化に関する専門性が確認され、成長が続きました。CeraVe(日本未展開ブランド) は、米国およびその他の国々でも、 2 年連続で目覚しい成長を遂げました。

地理的ゾーン別サマリー

北アジア
同一基準ベースで +17.6%、財務報告ベースで+ 18.6%

新型コロナウイルス感染症拡大により、実店舗への来客数が減少したにも関わらず、ロレアルは全事本業部にわたってその地位を著しく強化し、良い一年となりました。
北アジアゾーンでは、プレミアムスキンケアのランコム アブソリュとヘレナ ルビンスタインの成功、イヴ・サンローランとシュウ ウエムラの好調により、ロレアル リュクス事業本部が引き続き市場シェアを拡大しました。プロフェッショナル プロダクツ事業本部は、ケラスターゼがその成長をけん引しました。アクティブ コスメティクス事業部は、ラ ロッシュ ポゼとSkin Ceuticalsがけん引し、その成長を継続しました。ロレアル パリは、プレミアムヘアケア製品の成長により、コンシューマー プロダクツ事業本部の業績を押し上げました。
中国本土では、2021年にロレアルは2桁台という美容市場の2倍となる力強い成長を遂げました。2020年の非常に高い水準と比較すると減速したものの、第4四半期には、美容市場は2019年よりもはるかに活況を維持しました。第四半期、ロレアルチャイナは2019年と比較して、同一基準ベースにおいて50%以上の成長を達成しました。Tmallで開催されたダブルイレブン(ECショッピングイベント)では、ロレアルはあらゆる記録を更新し、さらなる市場シェアの拡大を記録し、中国の消費者に対するロレアルブランドの魅力を確かなものにしました。この象徴的な消費促進イベントにおいて、ロレアル パリとランコムがそれぞれビューティー市場の1位と3位になるほか、イヴ・サンローランはメイクアップカテゴリで、ケラスターゼはヘアケアカテゴリで1位となりました。ByteDance社 (TikTok) によるベスト・イノベーション・アワードの受賞は、ロレアルチャイナのデジタル施策とブランド構築における優位性を証明するものです。
トラベルリテールも、グループブランドの魅力を維持しつつ、海南での好調なビジネスのおかげで、引き続き順調に成長しました。

 ※より詳細、全文は添付PDFをご参照ください

============
1 同一基準ベース:組織構造と為替レートが一定という条件のもと
2 非支配持分控除後の経常外項目を除く当期純利益に基づく希薄化後1株当たり利益
3 2022年4月21日の年次総会の提案
4 SAPMENA-SSA: 南アジア太平洋、中東、北アフリカ、サハラ以南のアフリカ
5 自社ウェブサイトでの売上高+小売業者のウェブサイト経由の売上に基づく自社ブランドの売上高の見込み(非監査データ)
6 同一基準ベース:組織構造と為替レートが一定という条件のもと 

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。