温度差ストレスによる皮膚への影響(2)

ポーラのプレスリリース

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、温度差のある場所を行き来するなどの行動により、皮膚が温度差にさらされた時の影響を研究し、以下を発見しました。

温度差にさらされることにより、表皮細胞での炎症性因子の一種※1の遺伝子発現が増え、肌に炎症が起きやすくなる可能性がある

本知見は、ポーラ・オルビスグループから発売される製品・サービスなどに活用される予定です。
※1 炎症を調節する因子の一種であるインターロイキン-6; IL-6
 

  • 日常の環境における温度差に着目: 異なる温度の場所の行き来などにより皮膚が受ける影響とは?

私達は1年を通して、環境の温度変化にさらされています。皮膚の表面温度(皮膚温)は環境の温度変化によって、大きく変化します(図1)。ポーラ化成工業では、温度が一定の場合よりも、夏に屋外と屋内を行き来した場合やマスクの着脱前後※2のように異なる温度にさらされた場合の方が、表皮細胞のメラノサイト刺激因子の一種※3の遺伝子発現が増加し、メラノサイトのメラニン産生が増えることを発見しました※4。そこで、温度差にさらされることにより、表皮細胞では他の変化も起こっているのではないかと考えさらに検証しました。

※2 マスクの着脱前後でマスクに覆われる部分の皮膚温が約5℃変化することを確認
※3 Stem Cell Factor、遺伝子名はKITLG
※4 温度差ストレスに関する研究については、こちらのリリースもご覧ください
「温度差ストレスによる皮膚への影響(1) メラノサイト刺激因子の増加によりメラニンが作られやすくなる」
(2022年3月29日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20220329_01.pdf
 

  • 温度差ストレスにより表皮細胞での炎症性因子の遺伝子発現が増える

実験では、常温で培養した表皮細胞(温度一定)と、常温培養後に一時的に高温で培養し再び常温に戻した表皮細胞(温度差ストレスあり)における遺伝子発現の変化を比較しました。その結果、温度差ストレスありの表皮細胞では、炎症性因子の一種(IL-6)の遺伝子発現が増えていることが分かりました(図2)。このことから、温度差ストレスによって、皮膚で炎症が起こりやすくなると考えられました(図3)。

  • 温度差ストレスをケアして本来の肌へ

温度差ストレスに関する一連の知見を活用することで、お一人おひとりの本来の肌の美しさを引き出すことに貢献できると期待しています。

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。