乳幼児期の腸内環境がその先の健康を決める?!乳幼児に特化した腸内フローラ検査「Mykinso(マイキンソー)キッズ」3月31日サービス提供開始

株式会社サイキンソーのプレスリリース

株式会社サイキンソー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:沢井 悠、以下サイキンソー)は、京都大学・大阪大学・キユーピー株式会社・JSR株式会社及びサイキンソーの2大学・3社の共同研究により得られた「乳幼児の腸内細菌データベース」をもとに、0~5歳児を対象とした腸内フローラ検査「Mykinso(マイキンソー)キッズ」を開発し、3月31日よりサービスの提供を開始いたします。

 

  • 自分自身の「腸内フローラのバランス」を保つことは、健康の秘訣

「すべての病気は腸に始まる」紀元前5世紀に活躍した、科学に基づく医療の基礎を作った名医ヒポクラテスのこの言葉が注目を浴びています。革新的DNA解析技術の進歩で、腸内に住む様々な細菌たちの重要性が明らかとなり、腸内細菌叢(さいきんそう/腸内に住む細菌の集合体、腸内フローラとも呼ばれる)が、大腸がんや炎症性腸疾患などの胃腸の病気だけでなく、肥満、アレルギー、リウマチ、糖尿病、鬱、認知症など、さまざまな慢性疾患や不調と関係があることが判明しています。

同時に、一人ひとりの腸内細菌叢はとても複雑かつユニークであり、同じ日本人でもそのパターンは千差万別です。万人にとって「よい腸内フローラのバランス」があるわけではなく、「自分自身にとってのよいバランス」を保つことが健康の秘訣と考えられています。まずは、自分の現状を把握し、体調と照らし合わせてその情報を管理することで、自分にあう腸活方法を発見したり、症状が出る前に不調に気づける可能性があります。
 

  • 人の腸内環境は5歳までに安定・安定的なフローラが出来上がる前である乳幼児期は軌道修正しやすい

赤ちゃんの腸内フローラは、ミルク、離乳食、幼児食と食べ物の種類が増えるにつれて、菌の種類や量が多くなり複雑になります。また食事の他にも、動物と触れ合ったり、公園遊びや土を触ったりしながら、日常で様々な菌と出会い、その中のほんの一部が腸に住み着くことができます。
そして、3〜5歳くらいまでに、腸内の細菌勢力図ができあがり、それがその子が一生付き合うことになる「ユニークな腸内フローラ」の基礎となると考えられています。この一度固定された勢力図は、健康な状態では大きく変化することなく、大人ではむしろ「簡単に変化しない=安定的である」ことが健康的なフローラと言えるようになります。
つまり幼少期の腸内環境は、その後、思春期から大人へと成長した時の健康状態にも大きく影響する可能性があるのです。逆に、安定的な腸内フローラができあがるまでは、軌道修正がしやすい可能性があると言えます。

 

  • 2大学・3社の共同研究で「乳幼児の腸内細菌叢データベース」を構築・乳幼児に特化した腸内細菌フローラ検査を実用化

京都大学・大阪大学・キユーピー株式会社・JSR株式会社及びサイキンソーの2大学・3社は、女性の子育て支援の一環として「母子の腸内細菌叢」に着目し、その活用に向けてサービスの実用化を目指すべく、2020年より共同で研究(*)を進めて参りました。

本共同研究により、のべ1400組以上の日本人母子の腸内細菌叢データを収集・解析を実施し、国内最大級の「日本人乳幼児の腸内細菌叢データベース」を構築いたしました。このデータベースをもとに、乳幼児の腸内細菌叢における有益菌の存在比率や成長に伴う変化、腸内フローラのバランスなどの指標を見出すことが可能となり、乳幼児に特化した腸内細菌フローラ検査「Mykinso キッズ」のサービス提供を実現しました。

(*) 本研究は、国立研究開発法人「科学技術振興機構」のCOI(Center of Innovation)プログラムの京都大学「活力ある生涯のためのLast 5Xイノベーション拠点」の支援により実施したものです。(JPMJCE1307)

 

  • Mykinso(マイキンソー)キッズ サービス概要

・サービス対象者:0~5歳11か月(6歳〜15歳向けのサービスは現在開発中)
・検査に必要なもの:検査キット/PC、スマートフォン等のインターネットにアクセスできるデバイス
・専用キットで少量の便を採取してポスト投函、ウェブサイトで質問票に回答するとオンラインで検査結果が受け取れます

◆「Mykinso キッズ」を通じてわかること

・腸内細菌タイプ
日本人に多いタイプか少数派かなど、月齢層のなかでどんなタイプに分類されるかがわかります。

・腸内細菌の多様性(バランス)の成長・成熟度
多様性は、腸内フローラのバランスや強靭性・柔軟性を示す重要な指標です。多様性が高いことは、様々な外的要因に対しての対応能力が高いと考えられています。生まれたての赤ちゃんは菌の種類や量が少ないため多様性が低く、離乳食開始後くらいから腸の成長とともに徐々に上がっていくと考えられています。

 

 

・主要菌割合の推移
腸内環境の成長・成熟とともに割合が変化しやすい菌に着目し、成長曲線として可視化します。身長・体重などと同じように、腸内環境の成長も確認しましょう

「Mykinso キッズ」 URL: https://mykinso.com/kids

今後の展開(予定)
今回のサービス開始においては、0~5歳11か月までを対象としておりますが、6歳~15歳を対象としたサービスの開発も進めております。今後も腸内細菌叢を活用した育児サポートに向け、さらなる研究とサービスの拡充を目指します。

サービス開発責任者/サイキンソー 取締役(共同創業者):竹田綾コメント
こども専用腸内フローラ検査「Mykinso キッズ」の開発は、創業当時からの悲願でした。研究と子育ての両面から、幼少期の子の腸内環境の成長を親としてどのようにサポートできるのか興味があったからです。
しかし、乳幼児期の腸内フローラは成長期にあり、大人とちがって各年代(月齢層)ごとにしっかりデータを集めないと正しい評価が難しいため、サービス開発には思っていたより時間がかかりました。2年前にこどもの腸内細菌叢を活用した子育て支援を目指した産学連携チームが発足し、全国の保育園・幼稚園・こども園とご利用中の保護者の方々にご協力いただき、一気に研究開発を加速することができました。研究に関わってくださった皆さまには深くお礼申し上げます。
まだ未解明なことが多い分野ですが、このサービスを通じて、親子いっしょに自分たちの健康について楽しく学び考えるきっかけづくりに少しでも役立てば幸いです。

【共同研究者コメント】
・京都大学大学院 教育学研究科 明和政子教授

ヒトの脳が発達するプロセスにおいては、環境の影響をとくに受けやすいある特別の時期、「感受性期」があることが知られています。そのもっとも重要な時期が乳幼児期です。この時期に受ける環境や経験は、生涯もつことになる脳と心の柱となる重要なものです。最近、脳発達の感受性期と同じく、腸にも感受性期にあたる時期があることがわかってきました。幼児期までに、その個人が生涯もつことになる腸内フローラの原型ができあがるのです。腸は「第二の脳」とも呼ばれていますが、脳から腸へ、腸から脳への情報伝達が双方向的に影響を及ぼしあうのです。心身の健康を乳幼児期から守り支えるサービスは、育児に奮闘中の親御さんの心身を支えることにもつながると期待しています。

・大阪大学大学院 医学系研究科 先進融合医学共同研究講座 萩原圭祐特任教授

私自身は、長年、アレルギーや関節リウマチなど免疫の病気を診療してきましたが、実は、腸内細菌に興味を持ったのは、個人的な理由からなのです。20年以上前、なかなか良くならない子どもの乳児湿疹が、ビフィズス菌を飲ませたことで、劇的に改善したことがきっかけでした。最近の研究で、様々な病気で、腸内細菌の働きが重要であることが報告されています。子ども時代は、病気になりにくい体を作る基礎になる時期です。サイキンソーさんから、最新の研究成果に基づいた日本の子どものデータベースを基にした、子どもさん向けの腸内細菌の検査が開発されたことをうれしく思います。腸内細菌の検査をきっかけに家族団らんの食事を見直すきっかけになればと願っています。

■株式会社サイキンソー 会社概要

「細菌叢で人々を健康に」を企業理念として、腸内フローラをはじめとする人体の常在細菌叢をデータサイエンスの力で解き明かし、ヘルスケアに貢献することを目指す企業です。
会社設立:2014年11月19日
所在地:東京都渋谷区代々木1-36-1 オダカビル2階
代表取締役:沢井 悠
主な共同研究先:大阪大学微生物病研究所
URL:https://cykinso.co.jp/

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