ナリス化粧品 バラの棘・茎から美肌成分を開発

株式会社ナリス化粧品のプレスリリース

株式会社ナリス化粧品(本社:大阪市福島区 代表取締役社長:村岡弘義)は、宮城県に自社バラ園を持ち、過去20年以上に渡り、化粧品のオリジナル成分の開発を行っています。バラの花弁(花びら)から抽出した成分は、これまでに8種に上り、主にエイジング化粧品に配合してきました。今回、花弁以外の従来は廃棄していたバラの部位である棘・茎から、活性酸素を消去する成分を新しく見いだしましたので報告します。

 

悪玉活性酸素と呼ばれる「ヒドロキシラジカル」に着目
当社は、従来から、人の細胞の老化を進めると言われている活性酸素を消去する研究について、20年以上の研究実績があります。従来は、活性酸素の中でも、「スーパーオキシド」や、「過酸化素」など、生体内で多く存在する活性酸素へのアプローチを主に研究してきました。今回は、生体内で少ないとされつつも、悪影響が高いと考えられ、人の体内で消去するシステムが存在しない活性酸素である「ヒドロキシルラジカル」について対応できる成分の研究を行いました。ヒアルロン酸は肌の保湿にとって不可欠な構成成分ですが、活性酸素によって断片化することがわかっています。ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素や、スーパーオキシドに比べて断片化率が高いことがわかりました。また、肌の弾力をつかさどるエラスチンについてもヒドロキシルラジカルによって、沈着が認められました。

 

 

バラの要らないものの代名詞、棘から美肌成分を発見
本来は、その美しさを人に見せることや、芳しい香りで人の気持ちを豊かにすることが一般的なバラの役割です。当社のバラ園で栽培しているバラは、その美しい姿を見せることなく、バラの成分や、ローズウォータ―として、化粧品に生まれ変わります。これまでは、主にバラの花弁から成分を抽出してきましたが、花弁以外の従来、廃棄してきた部位を有効活用できないかと研究を進めました。花弁・子房・葉・茎・棘を調べた結果、棘に最もヒドロキシルラジカルなどの活性酸素を消去する能力があることがわかりました。今回バラ園のバラの中でも最も棘の多い茎をもつバラから、オリジナル成分を抽出し、今後の化粧品開発に搭載していく予定です。

 

バラの棘・茎バラの棘・茎

今後の展望
普段は、大阪の本社で研究開発に携わっていますが、コロナ禍の現状は、バラ園に足を運ぶ回数が減りましたが、現地の栽培課の社員とWEB会議を密に重ね、一緒に、バラをより生かすための研究を行っています。バラの棘は悪者扱いされることも多いですが、若いうちに棘を除くとバラの成長が妨げられるともいわれており、秘めたパワーを持ち合わせていると考えていました。今後も、棘以外の部位やその他の品種のバラからも有効な成分を見いだし、せっかく咲いてくれたバラを余すことなく使用していける研究を続けたいと考えます。

研究者:上田浩士研究者:上田浩士

参考資料
●ナリス ローズガーデン
宮城県登米市迫町にあるナリス化粧品が所有する敷地面積、1万坪を超えるバラ園。観賞用でなく、化粧品の成分を抽出するためだけのバラを専用で栽培しています。ハウス栽培で、化粧品用のバラ5種を中心に10,000株以上栽培しています。20年を超えて、化粧品になるためのバラを育てる技術を蓄積した専門の職人による管理、栽培、採取を行っています。

ナリス ローズガーデンナリス ローズガーデン

手摘みによる採取で、バラを有効利用
一般的に食用バラなどで行われる機械による花の採取は、傷つきやすく、成分の抽出において変質するため、当社では、すべて手摘みでバラの香りが最も芳しい朝、成分が最も抽出しやすいタイミングを見計らって採取し、花びら・がく(子房)に仕分けすることによって、それぞれから成分を抽出し、バラの有効利用に努めています。専門の採取者によって採取した鮮度の高いバラのみを使用。この採取・選別技術が国産初の生バラから、成分を抽出することに成功した秘訣です。育てられたバラは、観賞用としても十分に美しいバラですが、化粧品成分を抽出するためだけに栽培しており、少しでも廃棄する部分を減らし、バラの美しさや、その力を大切にしたいと考えています。

摘み取りの様子摘み取りの様子

 

仕分けの様子仕分けの様子

仕分けの様子仕分けの様子

低温低圧蒸留で、バラの成分を抽出
ナリス ローズガーデンで栽培、採取、仕分けされた生バラは、化粧品原料化工場で成分を抽出します。化粧品成分を抽出する際に一般的な高温の蒸留で抽出すると、香りが変化してしまうため、気圧と温度を低くして、香りを溶かし込んだ水に蒸留する特殊な方法で抽出しています。この製法が、無香料でも、ほのかに香るバラの化粧品のベースになります。

抽出の様子抽出の様子

600輪のバラから採れるのは、1gのバラエキス
生バラから抽出する「バラエキス」は、約600輪(花びらでは、約18,000枚)重さにすると約3Kgの花びらから1g。国内でもほとんど作られていない希少性の高いバラエキスは、化粧品となり、やがて肌の美しさを導いてくれます。

美肌を叶える5つのバラ
現在、当社で製品開発に使用しているナリス ローズガーデンのバラは、化粧品の成分として高い効果を発揮する選び抜かれた5種のバラ。ピンクのバラ(レディラック・ダブルデライト)、深紅のバラ(ブラックゴールド)、黄色のバラ(ゴールデンハート)、白いバラ(正雪/まさゆき)。当社の研究ではバラは色によって、発揮する美肌効果が異なるため、4色、5種のバラをブレンドし、女性の美肌を叶えるオリジナル成分を開発しています。今後も新しいバラの美肌効果を研究し、開発に生かします。

レディラックレディラック

ダブルデライトダブルデライト

ブラックゴールドブラックゴールド

ゴールデンハートゴールデンハート

正雪正雪

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