肌のざらつきをなめらかに

花王株式会社広報部のプレスリリース

 乾燥により肌がざらついたり、かさついたり、暗くくすんだように見えるという悩みを持つ方は少なくありません。このような肌の状態は、低温低湿度の冬だけでなくエアコン下でも起こり、世界中の人々に共通の悩みと言ってよいかもしれません。花王は、長年のセラミド研究を通じて、このような乾燥悩みに対する技術開発に取り組んでいます。

のざらつき原因はセラミド不足
 北米では、肌の亀裂や皮むけなどのひどい乾皮症に悩む方が多くいます。花王は、このような方々の肌では、角層水分量が少なくなっていると共に、肌のバリア機能を担う角層中のセラミド総量とセラミドNPという特定のセラミドが有意に減少していることを突きとめました(図1)※1。

 そこで、上記の知見をもとに冬の日本でよく見られるざらついた肌を調べると、同様に、角層水分量、セラミドの減少が起きていることがわかりました。

セラミドを増やすトウセンダンの果実エキス
 角層中のセラミド量を増やす成分を探索するため、ヒト表皮細胞の培養液に約1,600種の植物エキスをそれぞれ添加して評価した結果、トウセンダンの果実エキスにセラミドを増やす効果が高いことを発見しました※2。特に、トウセンダンの果実エキスはセラミドNPを増やし※3、さらに角層細胞と細胞間脂質の接着性を高めることで角層の土台を強化することもわかりました。

肌にトウセンダンの果実エキスを塗布すると
 トウセンダンの果実エキスあり・なしそれぞれのモデル化粧水を用意し、乾燥によるあれ肌が気になる日本人女性30名を対象に8週間の連用評価を行ないました※4。その結果、トウセンダンの果実エキスありのモデル化粧水を使用したグループでは、8週後肌のセラミド量およびセラミドNP量が有意に増加。肌表面がなめらかになり、さらに使用を中止した翌週も、なめらかな肌状態が維持されました※5。
 この技術では、肌(角層)のセラミド量が増加するため、一定期間の効果の持続が期待できると考えます。今後も、見て触ってわかる肌の実現をめざして、研究を進めていきたいと思います。

 これらの研究結果は、第46回日本香粧品学会にて発表しました。

※1 Ishikawa J. et al., J Cosmet Dermatol. 2013 Mar;12(1):3-11.
※2 表皮細胞の培養液に0.1%濃度のトウセンダンの果実エキスを添加し細胞のセラミドを定量
※3 3次元培養表皮細胞の培養液に0.01%濃度のトウセンダンの果実エキスを添加し細胞のセラミドを定量
※4 30~50代(各年代10名)、2012年12月~2013年2月
※5 8週使用後に1週間使用を中止した後のVisioscan測定によるSEsm値の比較
 

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