【小学生の排便と生活習慣に関する調査】小学生の4人に1人は便秘傾向であることが判明、居住地域と花粉症との関連性も

そのもの株式会社のプレスリリース

そのもの株式会社(本社所在地:福岡市、代表:日高 絵美)は、小学生の子を持つ母親を対象に、「小学生の排便と生活習慣」に関する調査を実施しました。

新学期が始まりあっという間に1か月が過ぎました。5月は、新生活の疲れが出始め、人間関係や勉強のストレスを強く感じやすい時期でもあります。また、長期休暇後の子どもの体調不良も問題視されるなか、この時期は子どもに些細な変化がないか注意深く観察してあげることが大切です。

そして、快食、快眠、快便は健康に欠かせない要素です。なかでも「快適な排便」は健康を維持するためとても重要なポイントであり、健康のバロメーターといわれています。心身のコンディションは便の形や色、においにも表れます。注意して確認することで、いち早く体の不調に気が付くきっかけとなるかもしれません。

そこで今回、sonomono納豆菌シリーズを販売している、そのもの株式会社(https://sonomono.jp/sp2/)は、小学生の子を持つ母親を対象に、「小学生の排便と生活習慣」に関する調査を実施しました。

〈主な調査結果〉
■小学生の排便状態
小学生の4人に1人(27.0%)が便秘傾向であることが判明。

■小学生の排便状態とアレルギー症状について
便秘傾向の子どもはアレルギー症状を持つ割合が多い(特に花粉症が多い)。

■小学生の排便と生活習慣について
1. 小学生の排便状態と食習慣
便秘傾向の子どもは、正常な便をする子どもに比べて、腸内環境に影響を与える食習慣の傾向がみられる。
(発酵食品はあまり食べない、水分をとらない、野菜はあまり食べない、肉中心の食事が多いなど)
2. 小学生の排便状態と生活習慣
便秘傾向の子どもは、正常な便をする子どもに比べて、腸内環境に影響を与える生活習慣の傾向がみられる。

(スナック菓子やジュースをよく好む、偏食気味、よく噛んで食べない、トイレを我慢していることが多い、食が細いなど)
3. 小学生の排便状態とストレス状態
便秘傾向の子どもは、正常な便をする子どもに比べて、ストレスを抱えている割合が多い。

(イライラしている、よく眠れていない、ふさぎこみがち、集中力がないなど)

■納豆に関する調査
「納豆を食べる頻度」については、納豆をほとんど食べない、まったく食べない小学生が全体で約6割という結果に。

  • 小学生の排便状態について

国際的に使われている便の状態を計るものさしである「ブリストルスケール」をもとに、子どもの便の状態について調査したところ、小学生の4人に1人(27.0%)が便秘傾向であることが判りました。

※「ブリストルスケール(排便の状態を7段階で表したもの)」をベースに、1~3:「便秘傾向」/4~5:「正常な便」/6~7:「下痢傾向」と分類し調査しました

  • 小学生の排便状態とアレルギー症状について

花粉が飛ぶシーズンになると毎年発症する「花粉症」は、アレルギー疾患のなかでもよく耳にする慢性疾患の1つですが、アレルギー反応には免疫が関係しています。私たちの体には、外から侵入する細菌やウイルスなどの病原菌を撃退し、体を守る防御システムが備わっており、腸には、全身の免疫細胞の約6割が集まっています。

そこで、腸内環境の状態の指標となる子どもの排便状態をもとに、子どもたちがどういったアレルギーを抱えているのか調査しました。

   その結果、「便秘傾向」の子どもに、何らかのアレルギー症状があると回答した子どもの割合が多いことが判りました。

※「便秘傾向」の子ども275人のうち、「花粉症」「アトピー性皮膚炎」など、何かしらのアレルギー症状がある子どもは162人で、58.9%という結果になりました。

そして、「アレルギー症状あり」と回答した割合が多かった「便秘・下痢傾向」の子どもを対象に、どういったアレルギーがあるのか調査しました。

「便秘傾向」の子ども(275人)に多いアレルギー症状は、1位「花粉症(98人) 35.6%」で、2位「アレルギー性鼻炎(45人) 16.4%」、3位「アトピー性皮膚炎(40人) 14.5%」いう結果が得られました。

「下痢傾向(16人)」の子どもに多いアレルギー症状は、1位「アレルギー性鼻炎(5人)31.3%」で、2位「花粉症(4人)25.0%」、3位「気管支喘息(3人)18.8%」という結果が得られました。
なかには、複数のアレルギーをもつ子どももいました。

さらに、「花粉症」と回答した子どもの居住地域を調査したところ、地方より、都市圏に住んでいる子どもの方が「花粉症」を発症している割合が多いことが判りました。

「花粉症」と回答した割合が多い地域は、1位「東海・信越 42.9%」で、2位「関東 41.2%」、3位「関西 36.6%」、回答した割合が最も少ない地域は「北海道 4.4%」 、次いで「九州・沖縄 19.8%」という結果が得られました。

  • 小学生の排便状態と生活習慣について

腸内環境は、食事や運動、睡眠、ストレスなど、様々な影響を受けて日々変化しています。
また、腸は「第二の脳」とも言われているように、内的・外的な変化を敏感に察知し腸内のバランスを整えていますが、生活習慣の乱れやストレスなどが長時間続くと、便秘や下痢などの症状が発症し、腸内環境をさらに悪くするきっかけとなってしまう恐れがあります。

ここからは、子どもの排便状態をもとに、子どもたちの生活習慣について調査してみました。
※「下痢傾向」の母数が少ないため、「便秘傾向」と「正常な便」との比較になります。

1. 小学生の排便状態と食習慣の関連性
腸内環境を整える上で、食習慣はとても重要な役割を担っています。
腸には腸内細菌が生息し、体に良い影響をもたらす善玉菌(有用菌)、悪い影響をもたらす悪玉菌(有害菌)、どちらにも属さない日和見(ひよりみ)菌の3つのタイプに分けられますが、毎日の食事は、この腸内細菌に大きな影響を与えるため、腸内環境を整えることを意識した食生活は、子どもの健やかな心と体の成長においてとても重要です。

そこで、最近の小学生の食習慣について調査した結果、様々な傾向がみられました。

全体的に、「お米を1日2食以上食べる」と回答した割合が多いなかで、「便秘傾向」の子どもは、「肉中心の食事が多い」「水をあまり飲まない」「野菜はあまり食べない」「果物はあまり食べない」「発酵食品はあまり食べない」など、腸内環境に悪い影響を与える食習慣が多いことが判りました。

<便秘傾向の子どもに多い食習慣>
●肉中心の食事が多い:便秘傾向(43.3%)>正常な便(38.1%)
肉はおいしくて栄養価も高く、子どもが好む食事ではあると思いますが、肉中心の食生活は、動物性タンパク質を過剰に摂取することになり、腸内の悪玉菌が増えて腸内環境に悪い影響を与える可能性があります。

●水をあまり飲まない/便秘傾向(42.9%)>正常な便(26.0%)
水分は腸の動きを活発にし、便をやわらかくする効果もあります。水分があまりにも少ない場合は便が硬くなってしまい、便秘に繋がってしまいます。また、食べた物が腸に長くとどまることを防ぐため、水分をこまめに摂取することが大切です。特に起床時の水分摂取は腸を刺激して便意を促す効果が期待できます。朝起きたらコップ1杯の水を飲む習慣を付けるとよいでしょう。

●野菜はあまり食べない:便秘傾向(37.1%)>正常な便(23.7%)
●果物はあまり食べない:便秘傾向(24.0%)>正常な便(16.6%)

野菜や果物には、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で、特に「腸のお掃除役」でもある食物繊維を積極的に取り入れることで腸内環境が整います。野菜には不溶性食物繊維が、果物には水溶性食物繊維が含まれており、腸内環境を整える為に必要な食品です。

●発酵食品はあまり食べない/便秘傾向(21.8%)>正常な便(11.6%)
発酵食品には、乳酸菌をはじめ、腐敗物質の増加を抑制する善玉菌が豊富に含まれています。 善玉菌には、外から入ってくる病原体の侵入を防ぐ免疫細胞を活性化させる働きもあるため、発酵食品を積極的にとることは、腸内環境を整えるために最適な食事です。

2. 小学生の排便状態と生活習慣の関連性
腸内環境は、日々の生活習慣やストレス状態からも影響を受けます。なぜなら、腸内細菌は、食習慣だけでなく、生活習慣やストレスなどの影響を受けて数を増やしたり減らしたりしているからです。

そこで、小学生の排便状態をもとに、生活習慣について調査しました。

小学生の生活習慣の中で、正常な便の子どもに比べ、便秘傾向の子どもに多くみられた項目は次の通りです。

1「スナック菓子やジュースをよく好む」:便秘傾向(34.9%)
2「偏食気味」:便秘傾向(26.5%)
3「よく噛んで食べない(食べるのが早い)」:便秘傾向(22.5%)
4「トイレを我慢していることが多い」:便秘傾向(17.8%)
5「食が細い」:便秘傾向(16.4%)

総じて、食生活の乱れが便秘傾向に繋がっていると考えられます。「スナック菓子やジュースをよく好む」、「偏食気味」、「食が細い」といった食習慣は、糖質や特定の成分の摂り過ぎとなり、栄養バランスの崩れた状態となります。この結果、腸内細菌の乱れ(悪玉菌の増殖)や、正常な排泄に欠かせない食物繊維の不足などにより便秘傾向になると考えられます。「よく噛んで食べない(食べるのが早い)」と、消化吸収が不十分となり、腸内環境が乱れ、悪玉菌が増えることにより便秘傾向になると考えられます。また、「トイレを我慢していることが多い」と、腸内に溜まった未消化の食べ物が異常発酵し悪玉菌の増殖を招くと共に、便意を我慢し続けると、便秘症が常態化または悪化しやすくなると考えられます(※1)

 (※1)参考:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「便秘と食習慣」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html

なお、今回のアンケート結果において、正常な便の子どもと便秘傾向の子どもに共通して「テレビやゲームばかりしている」、「夜遅くまで起きていることが多い」という回答が多かった点も気になります。

睡眠を含む規則正しい生活は、成長期の子どもにとって大切な要素です。愛媛大学医学部附属病院睡眠医療センターの研究によると、小学生は8~10時間のまとまった睡眠が必要と発表されています(※2)。

また、ある研究(※3)では、腸内環境の多様性が高い方(腸内細菌の種類や数が豊富な方)は、睡眠の効率が良く、睡眠時間も多いのに対し、腸内環境の多様性の低い方(腸内細菌の種類や数が少ない方)は、睡眠開始後の覚醒がある(目が覚めてしまう)という傾向がみられており、睡眠が腸内環境に影響を与えていることも分かっています。長時間のテレビやスマホの視聴やゲームは脳を刺激し覚醒(興奮)状態となり、睡眠の妨げと夜更かしの原因となります。睡眠不足や睡眠の質の低下は腸内環境の乱れに繋がり、便秘をはじめ様々な体調不良や疾病に繋がる危険性があります。この悪循環が継続すると、正常な成長のみならず、心身の健康にも影響を及ぼす可能性が危惧され、中長期的な視点からも問題が大きいと考えられます。

(※2)参考:未熟学児の睡眠指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf

(※3)参考:米「ミズーリ大学」の医学部研究チーム「睡眠時無呼吸症候群」と腸内細菌の関係調査
https://wired.jp/2020/10/19/microbiome-affects-sleep-quality/
https://medicine.missouri.edu/news/study-finds-gut-microbiome-plays-important-role-sleep-regulation

3. 小学生の排便状態とストレス状態の関連性
また、文部科学省が教職員用に準備した指導参考資料(※4)を参考に、ストレス状態についても詳しく調査したところ、「当てはまるものはない」と回答した割合は、正常な便をする子どもの方が圧倒的に多いことが分かりました。過剰なストレスは、正常な腸の働きを妨げるとの報告もあり注意が必要です。

(※4)参考:文部科学省「学校における子供の心のケア」
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/seikatsu07.pdf

「当てはまるものはない」と回答した割合は、「便秘傾向」(45.5%)<「正常な便」(56.1%)で、「正常な便」が圧倒的に多く、その他9つの項目は、すべて「便秘傾向」の子どもで回答割合が多いことが判りました。

正常な便をする子どもに比べ、便秘傾向の子どもに多くみられたストレス状態は、

1「朝起きるのに時間がかかる」:便秘傾向(32.4%)>正常な便(22.6%)
2「落ち着きがない」:便秘傾向(15.6%)>正常な便(10.2%)
3「集中力がなくなる」:便秘傾向(13.5%)>正常な便(10.6%)
4「イライラしている」:便秘傾向(13.1%)>正常な便(8.5%)
5「ぼんやりしている」:便秘傾向(9.8%)>正常な便(6.7%)
6「ふさぎこみがち」:便秘傾向(6.5%)>正常な便(1.1%)
7「よく眠れていない」:便秘傾向(7.3%)>正常な便(3.3%)

8「体調不良をよく訴える」:便秘傾向(7.3%)>正常な便(3.2%)
9「食欲がない」:便秘傾向(4.7%)>正常な便(1.9%)

「朝起きるのに時間がかかる」と回答した割合が多いことは、前述の生活習慣の回答に多かった「テレビやゲームばかりしている」「夜遅くまで起きていることが多い」といった生活習慣と関連していることがうかがえる結果となりました。

  • 納豆に関する調査

日本の伝統的な発酵食品「納豆」は、子どもの健康と成長に欠かせない栄養素が豊富で、腸内環境の改善や免疫力アップにも役立つといわれる「納豆菌」も摂れることから、子どもに積極的に食べて欲しい食材のひとつです。

そこで、「小学生の納豆を食べる頻度」について調査したところ、納豆をほとんど食べない、まったく食べないという子どもが約6割という結果に。

そして、今回アンケートに協力いただいた小学生の子どもを持つ母親を対象に、納豆の健康効果のうち、一番魅力に感じるものを伺ったところ、「腸内環境が良くなる(36.6%)」と回答した方が最も多く、次に「成長期の子どもに必要なタンパク質がとれる(13.7%)」「栄養バランスの改善(12.8%)」と続き、納豆には子どもの成長に欠かせない栄養素が豊富に含まれている点に期待されているようです。

医師や専門家も、毎日食べることを推奨している納豆ですが、なかには、納豆が苦手・食べられないという方も多くいると思います。

最後に、納豆を丸ごとフリーズドライで粉末にした「こな納豆」を普段の食事に取り入れたいと思いますか?と伺ったところ、64.5%の方が「毎日の食事に取り入れたい」と回答いただきました。

  • 総括

今回のアンケート結果で、小学生の4人に1人が正常な排便が出来ていないことが判りました。また、便秘や下痢傾向にある小学生の方が、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を示す割合が高い事が判りました。そして、その子どもたちの食生活を確認すると、肉中心の食事で、水、野菜、果物、発酵食品の摂取が少ない傾向が伺えます。また、スナック菓子やジュースを好み、偏食傾向にあることも見て取れます。同様にストレスをより強く感じながら生活していることも見て取れます。

肉中心の食事は、腸内の悪玉菌を増やす原因となります。加えて、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維、排便を促す不溶性食物繊維と水分、善玉菌を活性化させる発酵食品(シンバイオティクス)が不足し、偏食に伴い栄養バランスが崩れています。総じて、腸の働きが弱り、正常な排便が困難になっていると判断されます。また、ヒトの腸内には免疫細胞の約6割があるとされます。いわば、腸内は免疫反応つまり、生体防御の最前線でもあるのです。腸内が乱れることにより、免疫反応が暴走状態にある花粉症やアトピー性皮膚炎が多くみられることは自明の理と言えます。

食物繊維が豊富な食品や発酵食品を積極的に摂り、腸内を正常に保つ様に食生活を改善することが望まれます。日本の伝統的な発酵食品である納豆には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、腸内細菌を活性化させる納豆菌を始めとする多くの機能性成分と豊富な栄養分が含まれています。手軽に食べることのできる納豆、又は、納豆加工食品を積極的に食べ、正常な腸内の働きを維持することを推奨致します。

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小笠原 和也:九州大学大学院特任准教授/そのもの株式会社学術顧問
熊本大学大学院医学教育部卒。ナットウキナーゼをはじめとする機能性食品原料の研究開発、35年間に渡る納豆菌を主とする微生物学・醗酵学・酵素学の研究開発の経験をもとに幅広く活躍中。

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