HIV治療薬および予防薬として開発中のlenacapavirについて、 FDAが臨床試験の実施保留を解除

ギリアド・サイエンシズのプレスリリース

HIV治療薬および予防薬として開発中のlenacapavirについて、 FDAが臨床試験の実施保留を解除 

lenacapavir注射剤を評価する全ての臨床試験を再開―

バイアルの適合性データのレビューに基づく決定―

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は5月16日、米国食品医薬品局(FDA)が、HIV治療薬および暴露前予防(PrEP)薬として開発中のlenacapavir注射剤について、新薬臨床試験開始届(IND)に対する臨床試験の実施保留を解除したことを発表しました。既に発表されているように、バイアルの適合性の問題から、FDAは、ホウケイ酸バイアルのlenacapavir注射剤に関して臨床試験実施を保留にしていましたが、委員会によるアルミノケイ酸ガラス製の代替バイアルを用いたlenecapavir注射剤の保存方法と適合性に関する包括的な計画、それに対応するデータのレビューの結果、臨床試験の保留が解除されました。

本FDAの決定を受け、HIV治療薬および PrEP薬として lenacapavir注射剤を評価する臨床試験における全活動の再開が可能となります。lenacapavirの全試験において、臨床試験の保留期間中に被験者のスクリーニングや参加登録、およびlenacapvir注射剤の投与は認められませんでした。被験者のモニタリング、対照群およびlenacapavir経口剤の投与を含む他の試験業務については、関連する試験計画書に従い継続されました。ギリアドは今後、治験担当医師と協力し、全面的にlenacapavirの臨床開発プログラムを可能な限り速やかに再開するよう努めます。

 

ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサーのマーダッド・パーシー(Merdad Parsey, MD, PhD)は次のように述べています。「lenacapavirの代替バイアルを特定し、ファースト・イン・クラスの長時間作用型HIV治療薬と予防薬の開発に向けた確固たる臨床プログラムを進められることを嬉しく思います。この決定により、HIVに関連した多様なコミュニティに治療の選択肢を提供し、世界中の全ての人のために、この疾患の流行を終息させるという私たちのゴールに一歩近づくことができました」

 

2019年5月、lenacapavir は複数の治療歴、および多剤耐性(Multi-Drug Resistance; MDR)を有するHIV陽性者を対象とした他の抗レトロウイルス薬との併用におけるHIV感染症治療薬として、FDAより「画期的治療薬」の指定を受けました。また先日、この患者さんグループに対する治療薬として、lenacapavirの新薬承認申請(NDA)に関して、バイアルの適合性に関する審査完了報告通知(Complete Response Letter; CRL)を受領しました。今後、当社はFDAと協力しながら、この患者さんグループに対するHIV治療薬として、lenacapavirの潜在的な使用について検討していきます。lenacapavirは治験薬として、いずれの規制当局からも承認されておらず、その安全性および有効性は確立されていません。HIVまたはエイズを治癒する方法は、現在のところ存在しません。

 

lenacapavirについて

lenacapavirは、HIV-1感染症の治療と予防のためにギリアドが開発しているファースト・イン・クラスの長時間作用型HIV-1カプシド阻害剤です。lenacapavirの作用機序は多段階にわたり、現段階で承認されている抗ウイルス薬のクラスとは異なり、HIV-1陽性者またはそのリスクを有する人々に対する長時間作用型治療として新たな道筋を作る薬剤として開発されました。大部分の抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用しますが、lenacapavirはHIV-1のライフサイクルにおける複数の段階を阻害するよう開発された薬剤で、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。承認された場合、lenacapavirは年2回の投与により作用する唯一のHIV-1治療選択肢となります。

 

ギリアドの治験薬である長時間作用型lenacapavirの安全性、有効性および用法・用量は、複数の治療歴および、MDRを有するHIV-1陽性者を対象に、HIV-1カプシド阻害薬lenacapavirを6カ月ごとに皮下投与した場合の抗ウイルス活性を評価する第II/III相、二重盲検、プラセボ対照、国際多施設共同CAPELLA試験をはじめ、現在進行中の複数の臨床試験で評価されています。

 

CAPELLA試験の主要評価項目の結果は、2022年5月11日号のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)に掲載されました。(多剤耐性HIV-1感染症におけるlenacapavirによるカプシド阻害)CAPELLA試験において、26週目までのlenacapavirの忍容性はおおむね良好で、治験担当医師がlenacapavirに関連すると判断した重篤な有害事象は認められませんでした。本試験で観察された最も多い有害事象は、注射部位反応でした。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。

 

ギリアドは35年間にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、治癒研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV感染のリスクを減らすために、HIV治療における最初のシングルタブレットレジメンや、初めての曝露前予防(PrEP)となる抗レトロウイルス薬など、11種類のHIV治療薬を開発しました。このような医学研究の進歩により、HIVは何百万人もの人々にとって予防可能な慢性疾患となりました。

 

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに応えるソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップとの連携を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中の全ての人々のHIV感染の根絶を目指します。

 

ギリアドは、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を展開しています。

 

将来予測に関する記述

本プレスリリースは、1995年の「私的証券訴訟改革法」 に記載されている「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスク、不確実性などの要素を含む場合があります。これらのリスク等には、lenacapavirの臨床試験を、想定されたスケジュールで開始、進行、および完了する、または全く完了できないギリアドの能力、lenacapavirに関する進行中および追加の臨床試験から好ましくない結果が得られる可能性、ギリアドがCRLに対処してFDAを納得させる能力、MDRを有する HIV-1陽性者に対するHIV-1感染症治療薬として、lenacapavirのNDAをFDAが適時に、または全く承認しない可能性を含め、規制当局への申請および関連する申請ならびに承認スケジュールに関する不確実性、また、規制当局から承認を受けた場合でも、その使用に重大な制限が課されるリスク、ギリアドがlenacapavir の開発中止を戦略的に決定し、結果として lenacapavir が予定通り商業化されない可能性、または、上記のいずれかの根拠となる仮定も含まれます。これらのリスクとその他のリスク等については、米国証券取引委員会(SEC)に提出済の2022年3月31日を期末とするギリアドの四半期報告書Form10-Kに詳細に記載されています。これらのリスクや不確実性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。歴史的な事実以外の全ての記述は「将来予測に関する記述」と見なされる可能性があります。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではないため、過度に依拠することのないようご注意ください。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは、「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことなく、更新する意向もありません。

 

 

 

 

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