開発中のABBV-951について、進行期パーキンソン病患者さんの治療薬として米国FDAへ新薬承認申請を提出

アッヴィのプレスリリース

アッヴィ、開発中のABBV-951(ホスカルビドパ/ホスレボドパ)について、進行期パーキンソン病患者さんの治療薬として米国FDAへ新薬承認申請を提出

 

●承認された場合、ABBV-951はカルビドパ/レボドパのプロドラッグとして持続皮下投与が可能な初めての製品となる

●日常生活に支障となるジスキネジアを伴わない「オン」時間が、経口カルビドパ/レボドパ速放錠と比較して有意な増加を示した第III相試験の結果に基づく申請

 

イリノイ州ノースシカゴ、2022年5月20日-アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、ABBV-951(ホスカルビドパ/ホスレボドパ)について、進行期パーキンソン病患者さんの運動機能の日内変動に対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)へ新薬承認申請を提出したと発表しました。

 

今回の申請は、日常生活に支障となるジスキネジアを伴わない「オン」時間について、速放性の経口カルビドパ/レボドパ(CD/LD)と比較して統計学的に有意な改善が認められた第III相、直接比較、無作為化、対照試験の結果に基づいています。

 

ABBV-951は初の24時間持続皮下投与によるCD/LD剤です。経口CD/LDと比較して、進行期パーキンソン病患者さんの運動機能の日内変動を改善することが見込まれています。進行期パーキンソン病は、脳におけるドパミン産生細胞の消失によって引き起こされる進行性かつ慢性の神経障害で1、振戦、筋固縮、動作緩慢および平衡障害などの症状が主に発現します。パーキンソン病の患者さんと医療従事者の共通の目標は、ジスキネジアや不随意運動を伴わず症状がよく制御されている「オン」の時間を増やすことです。

 

アッヴィのsenior vice president, research and development兼chief scientific officerであるThomas Hudson, M.D.は次のように述べています。「進行期パーキンソン病は、世界中の患者さんや介助者の方に絶えず困難と不安をもたらすと考えられます。私たちはこの病気を抱える患者さんたちのアンメットニーズに応えるため尽力しており、治療薬を24時間持続的に投与することで症状を従来よりも制御しうる、新たな治療法の必要性があると考えています」

 

今回の新薬承認申請は、第III相、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照試験であるM15-736試験のデータを主な根拠としています。M15-736試験では、進行期パーキンソン病患者さんの運動機能の日内変動を制御する効果についてABBV-951が速放性の経口CD/LDに対し統計学的な優越性を示しました2。米国およびオーストラリアの80施設において、現在の薬物療法では運動症状の制御が十分にできなくなったパーキンソン病の成人患者さん約130名が本試験に参加しました。

 

ABBV-951群で報告された有害事象(AE)の大部分は非重篤で、軽度から中等度のものでした。治療下で発現した死亡に至るAEは、経口CD/LD群にて1例、ABBV-951群では発現しませんでした。ABBV-951群で10%以上の頻度で最も多く報告されたAEは、注射部位におけるAE(紅斑、疼痛、蜂巣炎、浮腫)およびジスキネジアでした。また、ABBV-951の長期の安全性および有効性を評価する進行中の多施設共同、第III相、52週、単群、非盲検試験(M15-741試験)の結果も今回の申請の根拠としています。

 

アッヴィは本年、世界各国での承認申請を行っていく予定です。

 

ABBV-951について

ABBV-951(ホスカルビドパ/ホスレボドパ)は、持続皮下投与用のカルビドパ/レボドパのプロドラッグ溶液で、進行期パーキンソン病患者さんの運動機能の日内変動に対する治療薬として現在試験が進行中です。

 

IIIM15-736試験3

第III相、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照試験において、進行期パーキンソン病の患者さんを対象としてABBV-951(ホスカルビドパ/ホスレボドパ)の有効性、安全性および忍容性を速放性の経口CD/LDと比較しました。患者さんへ日中の運動機能の状態を評価するための日誌(PD日誌)を提供しました。主要評価項目である良い「オン」時間(ジスキネジアを伴わない「オン」時間および日常生活に支障とならないジスキネジアを伴う「オン」時間と定義)を収集し、連続した3日間で平均を算出、一般的な覚醒時間である16時間で標準化しました。ベースライン値は、無作為割付前のPD日誌による3日間に収集し、正規化された良い「オン」時間の平均としました。米国およびオーストラリアの80施設において、進行期パーキンソン病の成人患者さん約130名が本試験に参加しました。患者さんを1:1の割合で無作為に割付け、ABBV-951溶液の持続皮下投与と経口カルビドパ/レボドパのプラセボのカプセル剤投与、または速放性の経口カルビドパ/レボドパのカプセル剤投与とABBV-951溶液のプラセボの持続皮下投与を行いました。治療期間は12週間でした。本試験に関する詳細はhttp://www.clinicaltrials.gov(NCT04380142)をご覧ください。

 

パーキンソン病について

パーキンソン病の患者数は全世界で1,000万人以上です4。パーキンソン病は振戦、筋固縮、動作緩慢および平衡障害を特徴とする進行性かつ慢性の神経障害です1。パーキンソン病の運動症状は、脳におけるドパミン産生細胞の消失によって引き起こされ、ドパミン産生細胞の約60~80%が消失した時点で発現し始めます5。症状は経時的に緩徐に悪化し続けます6。パーキンソン病に対する根治的治療法は知られていませんが、症状軽減に有用な治療法があります7

 

パーキンソン病が進行すると、運動機能および非運動機能の日内変動やジスキネジア等の運動合併症が発現します。患者さんは「オン」状態(症状が概ねよく制御されている)から「オフ」状態へのスイッチが起こることを報告しており、「オフ」状態の間、振戦やこわばりが再び出現し、動作がさらに困難になります8。また、日常活動を著しく妨げるジスキネジア(不随意運動)が現れることもあります8。運動合併症の発現は神経細胞変性と血漿中レボドパ濃度の変動に起因しており、診断から2~5年後に50%、10年後には約80~100%の患者さんで運動合併症の出現が報告されています9

 

神経疾患領域におけるアッヴィ

アッヴィは、神経・精神障害を抱える患者さんがその人らしく生きるため継続した取組みを行っています。この未踏の地への挑戦を重ねるごとに、患者さん、介助者や臨床医の皆さんのためにソリューションを発見し提供していくという固い決意と情熱を抱き前進しています。当社の神経疾患領域のポートフォリオは、双極Ⅰ型障害、うつ病、片頭痛、パーキンソン病、脳卒中後痙縮、統合失調症等の神経・精神障害に対する承認された治療法と強固なパイプラインにより構成されます。

 

当社は神経疾患分野の研究に積極的に投資を行っており、研究施設としてマサチューセッツ州ケンブリッジにFoundational Neuroscience Centerを、ドイツのルートヴィヒスハーフェンにNeuroscience Discoveryを構えます。当社はこの難しい治療領域における研究とレジリエンスにより、神経・精神障害の病態生理への理解を深め、人々の生活に変化をもたらす疾患修飾療法へと繋がる可能性のある創薬ターゲットを探求しています。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookInstagramYouTubeLinkedInやでも情報を公開しています。

 

 

1.About Parkinson’s: Parkinson’s 101. The Michael J. Fox Foundation for Parkinson’s Research. Available at: https://www.michaeljfox.org/understanding-parkinsons/i-have-got-what.php#q2. Accessed March 1, 2022.

2.AbbVie. Data on file.

3.Study Comparing Continuous Subcutaneous Infusion Of ABBV-951 With Oral Carbidopa/Levodopa Tablets For Treatment Of Motor Fluctuations in Adult Participants With Advanced Parkinson’s Disease. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04380142?term=NCT04380142&draw=2&rank=1. Accessed March 1, 2022.

4.Statistics. Parkinson’s Foundation. Available at: https://www.parkinson.org/Understanding-Parkinsons/Statistics#:~:text=More%20than%2010%20million%20people. Accessed March 1, 2022.

5.Parkinson’s Disease: Hope Through Research. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Available at: https://www.ninds.nih.gov/Disorders/Patient-Caregiver-Education/Hope-Through-Research/Parkinsons-Disease-Hope-Through-Research#:~:text=Loss%20of%20dopamine%20results%20in,by%20the%20time%20symptoms%20appear. Accessed March 1, 2022.

6.Parkinson’s Disease: Challenges, Progress, and Promise. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Available at: https://www.ninds.nih.gov/Disorders/All-Disorders/Parkinsons-Disease-Challenges-Progress-and-Promise. Accessed March 1, 2022.

7.Parkinson’s Disease. National Institute on Aging. Available at: https://www.nia.nih.gov/health/parkinsons-disease. Accessed March 1, 2022.

8.Wearing off and motor fluctuations. European Parkinson’s Disease Association. Available at: https://www.epda.eu.com/about-parkinsons/symptoms/motor-symptoms/wearing-off-and-motor-fluctuations/. Accessed March 1, 2022.

9.Freitas ME, Hess CW, Fox SH. Motor Complications of Dopaminergic Medications in Parkinson’s Disease. Semin Neurol. 2017;37(2):147-157. doi:10.1055/s-0037-1602423).

 

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