ウパダシチニブ、体軸性脊椎関節炎患者対象の第III相SELECT-AXIS 2試験の結果を欧州リウマチ学会で発表

アッヴィのプレスリリース

ウパダシチニブについて、体軸性脊椎関節炎の患者さんを対象とした第IIISELECT-AXIS 2試験の肯定的な結果を2022 年欧州リウマチ学会(EULAR 2022)で発表

ー X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)を対象としたSELECT-AXIS 2 nr-axSpA試験において、14週時にプラセボ群と比較してウパダシチニブ群で徴候や症状、疼痛、機能、疾患活動性、健康に関する生活の質およびMRIで検出された仙腸関節の炎症が有意に改善1

ー bDMARD 療法で効果不十分であった強直性脊椎炎患者さんを対象としたSELECT-AXIS 2 AS bDMARD-IR試験において、14週時にプラセボ群と比較してウパダシチニブ群で徴候や症状、疼痛、機能、疾患活動性、健康に関する生活の質およびMRIで検出された脊椎の炎症が有意に改善2

ー 安全性データは、ウパダシチニブの既知の安全性プロファイルと比較して新たなリスクは特定されず1,2,3,4,5

 

イリノイ州ノースシカゴ、2022年6月1日(米国時間)-アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、活動性のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の成人患者さんおよび生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)で効果不十分であった難治性の活動性強直性脊椎炎(AS)の患者さんを対象としたウパダシチニブ経口投与の第III相SELECT-AXIS 2プログラムの2つの試験から得られた詳細なデータを学会で公表することを発表しました。両試験において、プラセボ群と比較し、主要評価項目である14週時のASAS40(国際脊椎関節炎評価会(ASAS)基準でベースラインから40%の改善)を達成しました1,2

 

SELECT-AXIS 2 nr-axSpA試験において、主要評価項目である14週時のASAS40を達成したnr-axSpA患者さんの割合は、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に高い結果となりました(ウパダシチニブ群で45%、プラセボ群で23%、P<0.0001)1。また、14週時における患者さんによる全般背部痛評価、強直性脊椎炎の機能指標(BASFI)、強直性脊椎炎疾患活動性スコア(ASDAS)の低疾患活動性、強直性脊椎炎のQoLスコア(ASQoL)および仙腸関節のカナダ脊椎関節炎研究コンソーシアム(SPARCC)のMRIスコアのベースラインからの変化量といった多重性を制御した副次評価項目の14項目のうち最初の12項目を達成し、プラセボ群と比較して統計学的な有意差を示しました1

 

アッヴィのvice president, development兼chief medical officerのNeil Gallagher, M.D., Ph.D., は次のように述べています。「SELECT-AXIS 2試験から得られた新たなデータは、体軸性脊椎関節炎に分類される疾患を抱える患者さんにとってウパダシチニブの可能性をさらに高めるものです。アッヴィは、患者さんのニーズに応えるべく、治療環境を変えうる新たな革新的な方法を今後も追及していきます。今回の肯定的なデータに勇気づけられる思いであり、nr-axSpAの患者さんにとって新しい治療選択肢の提供につながることを期待しています」

 

これらの結果について、トップライン結果は2021年に既に発表済みであり、客観的な炎症の徴候がみられ非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で効果不十分であった活動性nr-axSpAを有する成人患者さんに対する治療薬としての承認申請の一部として、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)へ提出しています。

 

SELECT-AXIS 2試験の治験責任医師を務め、ゲント大学の大学病院リウマチ学科(the Department of Rheumatology at the University Hospital of Ghent University)教授でもあるFilip Van den Bosch, M.D.*は次のように述べています。「nr-axSpAは進行性で、生活に影響をもたらす炎症性疾患であり、治療選択肢は限られています。若年成人に好発し、脊椎の炎症により背部痛やこわばりを引き起こし、生活の質を著しく低下させるおそれがあります。今回のデータは、ウパダシチニブが炎症の抑制、痛みの緩和、機能向上に貢献し、nr-axSpAをもつ患者さんの疾患コントロールの一助となる可能性を示唆しています」

 

SELECT-AXIS 2 AS bDMARD-IR試験において、主要評価項目である14週時のASAS40を達成した患者さんの割合は、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に高い結果となりました(ウパダシチニブ群で45%、プラセボ群で18%、P<0.0001)2。また、14週時に患者さんによる全般背部痛評価、BASFI、ASDASの低疾患活動性、ASQoLおよび脊椎のSPARCCのMRIスコアのベースラインからの変化量といったすべての多重性を制御した副次評価項目を達成し、プラセボ群と比較して統計学的な有意差を示しました2

 

ウパダシチニブについて、既知の安全性プロファイルと比較して新たな安全性のリスクは特定されませんでした1,2,3,4,5。nr-axSpA試験において、14週時までに有害事象が発現した患者さんの割合は両投与群で類似した結果となりました(ウパダシチニブ群で48%、プラセボ群で46%)1。重篤な有害事象がウパダシチニブ群の4名の患者さん、プラセボ群の2名の患者さんで報告されました1。AS bDMARD-IR試験において、14週時までに有害事象が発現した患者さんの割合も両投与群で類似した結果となりました(ウパダシチニブ群で41%、プラセボ群で37%)2。nr-axSpA試験およびAS bDMARD-IR試験のいずれにおいても、ウパダシチニブ群で悪性腫瘍、主要心血管イベント、静脈血栓塞栓症または死亡と報告された例はありませんでした1,2

 

両試験の詳細な結果は、2022年欧州リウマチ学会(EULAR 2022)で発表する予定です。SELECT-AXIS 2 nr-axSpA試験の結果は、6月1日午後4:35~4:45(中央ヨーロッパ時間)に口頭発表にて(OP0016)、SELECT-AXIS 2 AS bDMARD-IR試験の結果は6月4日午前11:37~11:45(中央ヨーロッパ時間)にポスターツアーにて(POS0306)それぞれ発表されます。

 

ウパダシチニブのnr-axSpAに対する使用は、米国または欧州において承認されておらず、現在各国の規制当局により本剤の有効性および安全性の評価が行われています。

 

SELECT-AXIS 2プログラムについて

 

SELECT-AXIS 2試験(NCT04169373)は、1つの治験実施計画書を基に実施され、独立した2つの試験[SELECT-AXIS 2 AS bDMARD-IR試験(試験1)およびSELECT-AXIS 2 nr-axSpA試験(試験2)]で構成されます。試験1および試験2において、14週時にプラセボ群と比較しウパダシチニブ15 mg群が主要評価項目を達成したことを示すトップラインデータは、既に発表されています。

 

SELECT-AXIS 2プログラムに関する詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT04169373)に掲載されています。

 

試験1:SELECT-AXIS 2 bDMARD-IR AS試験1

 

第III相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験では、改訂ニューヨーク診断基準を満たし、強直性脊椎炎の活動性指標(BASDAI)スコアが4以上かつ背部痛の総スコア(0~10の数値化スケール)が4以上で、bDMARD療法で効果不十分であったASと臨床的に診断された患者さん420名を対象に、ウパダシチニブの有効性および安全性をプラセボ群と比較して評価しました。

 

試験 2:SELECT-AXIS 2 nr-axSpA試験2

 

第 III 相、無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験では、nr-axSpAと臨床的に診断された患者さん314名を対象に、ウパダシチニブの有効性および安全性をプラセボ群と比較して評価しました。仙腸関節のMRIまたはスクリーニング時に正常値の上限(2.87 mg/L)を超える高感度C-反応性蛋白値を呈することにより、axSpAに伴う活動性の炎症の徴候が認められ、BASDAIスコアが4以上で背部痛の総スコア(0~10の数値化スケール)が4以上の患者さんを本試験へ組み入れました。

 

* Dr. Van den Boschはアッヴィのコンサルタント兼アドバイザーです。

 

体軸性脊椎関節炎(axSpA)について

体軸性脊椎関節炎は、脊椎に発症し、背部痛、運動制限および構造的損傷を引き起こす慢性の炎症性疾患です6。臨床的にX線基準を満たす体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎)またはX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)と定義された2つのサブセットで構成されます6。強直性脊椎炎の患者さんでは、X線画像で明らかな仙腸関節の構造的損傷が認められます6。nr-axSpAは、臨床的に単純X線撮影で仙腸関節の構造的損傷を示す明確な画像所見がないことと定義されます6

 

 

ウパダシチニブについて5

アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められている選択的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。ヒトの細胞アッセイにおいて、ウパダシチニブはJAK2ペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体に対する機能的選択性により、JAK1またはJAK1/3を介するシグナル伝達を選択的に阻害します5

 

アトピー性皮膚炎、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です7,8,9,10,11,12。ウパダシチニブのnr-axSpAに対する使用は承認されておらず、規制当局による本剤の評価が行われています。

 

 

リウマチ領域におけるアッヴィについて

アッヴィは20年以上にわたり、リウマチ性疾患とともに生きる患者さんの治療の向上に取り組んできました。革新的な治療を発見し、提供するという当社の長年のコミットメントに基づき、より多くのリウマチ性疾患の患者さんを治療目標達成に導く、有望な新たな経路や標的への理解を深める最先端科学を追求していきます。詳細についてはhttps://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/immunology/immunology-focus-areas/rheumatology.htmlをご覧ください。

 

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookLinkedInInstagramでも情報を公開しています。

 

日本においては、1,400人を超える社員が、医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事しています。免疫疾患、肝疾患、神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいます。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。

 

 

1 Deodhar, A, et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib in Patients with Active Non-Radiographic Axial Spondyloarthritis: a Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Phase 3 Trial. EULAR 2022 Congress; 2534.

2 Van der Heijde, D, et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib in Patients With Active Ankylosing Spondylitis Refractory to Biologic Therapy: a Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Phase 3 Trial. EULAR 2022 Congress; 2518.

3 Cohen et al. Ann Rheum Dis. 2020 Oct 28;80(3):304-11.

4 Burmester et al. Rheumatol Ther. 2022;9(2):521-39.

5 RINVOQ [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG; May 2022. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf. Accessed May 2022.

6 Deodhar AA, Understanding Axial Spondyloarthritis: A Primer for Managed Care. Am J Managed Care. 2019;25:S319-S330.

7 Evaluation of Upadacitinib in Adolescent and Adult Patients With Moderate to Severe Atopic Dermatitis (Eczema) (Measure Up 1). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03569293. Accessed on April 1, 2022.

8 A Study to Evaluate Efficacy and Safety of Upadacitinib in Adult Participants With Axial Spondyloarthritis (SELECT-AXIS 2). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04169373. Accessed on April 1, 2022.

9 A Study of the Efficacy and Safety of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Moderately to Severely Active Crohn’s Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Biologic Therapy. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03345836. Accessed on April 1, 2022.

10 A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib (ABT-494) for Induction and Maintenance Therapy in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (UC). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635. Accessed on April 1, 2022.

11 A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Participants With Giant Cell Arteritis (SELECT-GCA). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03725202. Accessed on April 1, 2022.

12 A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Upadacitinib in Subjects With Takayasu Arteritis (TAK) (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04161898. Accessed on April 1, 2022.

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