リサンキズマブ、中等症以上のクローン病患者へのインターロイキン-23選択的阻害剤としてFDAが承認

アッヴィのプレスリリース

リサンキズマブについて、中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんの治療を適応とする最初かつ唯一のインターロイキン-23IL-23)選択的阻害剤としてFDAが承認

- 本承認はリサンキズマブの3番目の適応症で、中等症から重症の活動性クローン病に対するリサンキズマブを評価する2つの寛解導入療法試験および1つの維持療法試験(ADVANCE試験、MOTIVATE試験およびFORTIFY試験)から得られた安全性および有効性データに基づく1-4

- 主要評価項目は12週時および52週時の内視鏡的改善および臨床的寛解であったが、寛解導入療法試験の4週時という早期の段階で、リサンキズマブ群においてプラセボ群と比較し有意に多くの患者さんが臨床的改善および臨床的寛解を達成1-4

- クローン病は慢性、全身性かつ進行性の疾患で、多くの患者さんにおいて日常生活に重大な影響を及ぼす予測できない症状が発現5-8

 

イリノイ州ノースシカゴ、2022年6月17日(米国時間)-アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、リサンキズマブが中等症から重症の活動性クローン病(CD)を有する成人患者さんの治療を適応とする最初かつ唯一のインターロイキン-23(IL-23)選択的阻害剤として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました4。2つの寛解導入療法試験および1つの維持療法試験で、リサンキズマブ群は寛解導入療法および維持療法のいずれにおいても、プラセボ群と比較し内視鏡的改善および臨床的寛解の有意な改善を示しました[内視鏡的改善は、簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインから50%超の低下、または病変が回腸に限局しており、ベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインから2点以上の低下と定義。臨床的寛解は、クローン病活動性指数(CDAI)が150未満の場合と定義]4

 

双方向型マルチメディア・プレスリリースはhttps://www.multivu.com/players/English/8978352-abbvie-fda-crohns-disease/をご覧ください。

 

アッヴィのsenior vice president兼research and development, chief scientific officerであるThomas Hudson, M.D.は、次のように述べています。「中等症から重症の活動性クローン病に対し、この6年間で初となる新たな治療選択肢をお届けできることを誇りに思います。この新たな治療選択肢は、患者さんに有意義なレベルでの内視鏡的改善をもたらします。炎症性腸疾患に関して、30を超える試験が進行中または計画段階にあり、当社は免疫介在性の消化器疾患を抱える人々のための研究を推進し投資をすることで、患者さんの標準治療の進展に取り組んでいます」

 

クローン病の治療薬としてのリサンキズマブの用法・用量は、0週、4週および8週時に600 mgを1時間以上かけて静脈内へ点滴投与後、12週時とその後8週ごとに360 mgの用量でオンボディ・インジェクター(OBI)を用い皮下注射にて自己投与します4。180 mgを皮下へ自己投与する維持療法時用量のオプションは、FDAによる評価中です。

 

内視鏡的および臨床的な治療効果1-4

これらの試験の主要評価項目は、内視鏡的改善および臨床的寛解でした。12週間の寛解導入療法試験であるADVANCE試験およびMOTIVATE試験では、リサンキズマブの投与を受けた患者さんにおいて、内視鏡的改善および臨床的寛解を達成した患者さんの割合がプラセボ群と比較して有意に高い結果となりました。4週時という早期の段階で、リサンキズマブ群の患者さんにおいて臨床的改善(CDAIの100ポイント以上の減少と定義)および臨床的寛解を達成した患者さんの割合はプラセボ群と比較して有意に高い結果となりました。

 

52週間の維持療法試験であるFORTIFY試験では、リサンキズマブ群において、主要評価項目である1年時の内視鏡的改善および臨床的寛解を達成した患者さんの割合が、プラセボ群(リサンキズマブの寛解導入療法が奏功した患者さん)と比較して有意に高い結果となりました。

 

マウントサイナイ・ヘルスシステムの小児消化器科部長(chief, division of pediatric gastroenterology for the Mount Sinai Health System)兼マウントサイナイ病院のスーザン・アンド・レナード ファインスタインIBDセンター共同責任者(co-director of Susan and Leonard Feinstein IBD Center at Mount Sinai)であるMarla Dubinsky, M.D.*は、次のように述べています。「寛解導入療法試験および維持療法試験のいずれにおいても、プラセボ群と比較して有意に多くの成人患者さんにおいてほとんど症状が発現せず、目視可能な腸の炎症の徴候も大きく軽減しました。今回の承認は、大きなニーズのあった、クローン病の深刻な症状に対する新たな治療選択肢を医療従事者に提供することにつながるでしょう」

 

リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導しています。

 

クローン病について

クローン病は、胃腸(または消化器)管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性、全身性の疾患です5-7。進行性の疾患であるため、時間経過とともに悪化し、多くの患者さんで手術が必要となります6,7。さらにクローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって大きな負担となることもあります8

 

ADVANCE試験およびMOTIVATE試験について1-2

ADVANCE試験およびMOTIVATE試験は、中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんを対象とした、第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、寛解導入療法試験です。リサンキズマブの2つの用量(600 mgおよび1200 mg)の有効性と安全性をプラセボと比較し、評価するために設計されました。いずれの試験も、米国外および米国内の治験実施計画において異なる主要評価項目および副次評価項目を設定しました。主要評価項目は、12週時の臨床的寛解(米国外の治験実施計画ではPRO-2を用いて1日の排便回数と腹痛のスコアで評価し、米国内の治験実施計画ではCDAIを用いてCDAIスコアが150未満の場合に寛解として評価)および内視鏡的改善(両治験実施計画で同じ評価方法)の達成でした。内視鏡的改善は、中央審査委員の判定によるSES-CDがベースラインから50%超(または病変が回腸に限局しており、ベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインから2点以上)低下と定義します。

 

ADVANCE試験は、既存治療や生物学的製剤で効果不十分または不耐容など様々な背景の患者さんを対象としました。MOTIVATE試験は、生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さんを対象としました。これらの試験の主要な結果は20211に発表しました。詳細はwww.clinicaltrials.gov(ADVANCE試験:NCT03105128、MOTIVATE試験:NCT03104413)をご覧ください。

 

FORTIFY試験について3

FORTIFY試験は、第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、比較対照、52週間維持療法試験です。ADVANCE、MOTIVATE両試験のリサンキズマブ寛解導入療法が奏功した患者さんを対象とし、リサンキズマブ(180 mgおよび360 mg)維持療法の有効性および安全性をプラセボ群と比較し、評価するために設計されました。本試験は、各地域の規制要件に従い、米国外と米国内の解析計画で異なる主要評価項目および副次評価項目を設定しました。主要評価項目は、52週時の内視鏡的改善および臨床的寛解の達成でした。内視鏡的改善は、中央審査委員の判定によるSES-CDがベースラインから50%超(病変が回腸に限局しており、ベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインから2点以上)低下と定義します。臨床的寛解は、米国外の解析計画では1日の排便回数および腹痛のスコア(SF/AP)で評価し、米国内の解析計画ではCDAIを用いてCDAIスコアが150未満の場合と定義します。

 

本試験の主要な結果は20216に発表しました。引き続きFORTIFY試験の非盲検延長試験でFORTIFY試験を完了した患者さんでのリサンキズマブの長期安全性を評価していく予定です。詳細は、www.clinicaltrials.gov(NCT03105102)をご覧ください。

 

*Dr. Dubinskyはアッヴィの報酬を伴うコンサルタント兼アドバイザーです。

 

リサンキズマブについて

リサンキズマブは、IL-23のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害剤です9,10。炎症プロセスに関与するサイトカインであるIL-23は、クローン病を含む多くの慢性免疫関連疾患に関連すると考えられています10。中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんの治療薬として承認されているリサンキズマブの用量は600 mgで、0週、4週および8週時に1時間以上かけて静脈内投与後、360 mgの用量で12週時とその後は8週ごとに皮下投与します4。リサンキズマブは米国において、全身療法または光線療法の対象となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さんの治療薬として、また活動性関節症性乾癬(乾癬性関節炎)の成人患者さんの治療薬として承認されています。これらの適応症に対し推奨される用量は150 mgで、0週および4週時の皮下投与後、12週ごとに投与します4。乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎および関節症性乾癬(乾癬性関節炎)を対象とするリサンキズマブの第III相試験が進行中です11,12

 

世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。

 

消化器領域におけるアッヴィについて

潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookInstagramYouTubeLinkedInでも情報を公開しています。

 

 

1.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn’s Disease. ClinicalTrials.gov 2022. Available at https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03105128. Accessed on June 8, 2022.

2.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn’s Disease Who Failed Prior Biologic Treatment. ClinicalTrials.gov 2022. Available at https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03104413. Accessed on June 8, 2022.

3.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Crohn’s Disease. ClinicalTrials.gov 2022. Available at https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03105102. Accessed on June 8, 2022.

4.SKYRIZI [package insert]. North Chicago, IL: AbbVie Inc.; 2022.

5.Kaplan G. The global burden of IBD: from 2015 to 2025. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2015 Dec;12(12):720-7. doi: 10.1038/nrgastro.2015.150.

6.The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn’s & Colitis Foundation of America. 2014. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf. Accessed on June 8, 2022.

7.Crohn’s disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. 2020. Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304. Accessed on June 8, 2022.

8.The Economic Costs of Crohn’s Disease and Ulcerative Colitis. Access Economics Pty Limited. 2007. Available at: https://www.crohnsandcolitis.com.au/site/wp-content/uploads/Deloitte-Access-Economics-Report.pdf. Accessed on January 26, 2022.

9.SKYRIZI [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Ltd. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/skyrizi-epar-product-information_en.pdf. Accessed on June 8, 2022.

10.Duvallet, E., Sererano, L., Assier, E., et al. Interleukin-23: a key cytokine in inflammatory diseases. Ann Med. 2011 Nov;43(7):503-11.

11.A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo Controlled Induction Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT03398148. Accessed on June 8, 2022.

12.Pipeline – Our Science | AbbVie. AbbVie. 2021. Available at: https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html. Accessed on June 8, 2022.

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