<7月15日開催 毛髪最新研究発表会 セミナーレポート> 人生100年時代 毛髪エイジング予防の最前線  細胞のミトコンドリア活性をベースに “脱・白髪”への根本アプローチ 最新研究 発表会

大正製薬株式会社のプレスリリース

~エイジング研究で最注目のミトコンドリア活性に、
毛髪領域で挑んだ研究成果を発表~

 大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、大正製薬)は、近年、エイジング全般の研究領域で注目が集まっているミトコンドリアの中でも、毛髪のミトコンドリアに作用する素材を探索し、それらの有用性と可能性について、2021年7月15日に株式会社ネイチャーラボ[本社:東京都渋谷区 社長:安田 昌夫](以下、ネイチャーラボ社)と共同で毛髪最新研究発表会(当社主催)をオンライン配信にて開催いたしました。

左から大正製薬・新井、阿部、長濱、ネイチャーラボ・竹岡 篤史氏

 大正製薬はこれまで、学習院大学の柳教授との共同研究において、ミトコンドリアの形態制御や品質管理等に関わる分子として知られる酵素「MITOL(マイトル)」が、毛包組織や頭皮をはじめとした皮膚のアンチエイジングにおいて重要な役割を果たすことを解明してきました。その中で、MITOLの発現低下が白髪や薄毛などの髪の老化につながるなど、薄毛対策だけではない、白髪などヘアケア領域における様々な悩みをトータルで解決することを目指した研究を継続的に進めてまいりました。

 本発表会では、根本的な改善策が少なく、まだまだ謎が多いとされる白髪領域において、このMITOLが新たな標的となる可能性を示す研究成果の発表に加え、ミトコンドリア機能を高める可能性が期待される「MITOL活性化成分」と、色素細胞へ作用するネイチャーラボ社の「ブラックリバースペプチド1」の掛け合わせが生む、白髪改善へのシナジー効果について新たに発表いたしました。また昨今、オンライン会議の機会が増え、頭髪への意識も高まっていると言われている中で、オンライン環境でも今すぐ実践・対策できる、毛髪診断士による白髪や薄毛などの“老け髪”対策ミニ講座も実施いたしました。

■毛髪サイエンスへのアプローチの視座
 大正製薬株式会社 セルフメディケーション開発研究所 製剤第3研究室室長 長濱 徹

 まず初めに大正製薬の長濱より、開会の挨拶として、20年以上に及ぶ毛髪研究の知見に基づき、男女問わずあらゆる世代のニーズに対応する、大正製薬のトータルヘアケア研究について紹介しました。さらに、近年強化しているテーマとして、ミトコンドリア研究及び毛包細胞研究を挙げました。
 今後も毛髪サイエンスの先駆者として、オープンイノベーションも活用しながら、予防から治療まであらゆる毛髪ソリューションの実現を目指すことを発表しました。

毛髪サイエンスへのアプローチの視座 講演スライド

■毛髪サイエンス 最新動向及び展望
日本毛髪科学協会 理事/毛髪科学研究会 世話人/なごみ皮ふ科 院長 齊藤 典充 先生

 続いて齊藤 典充先生は、加齢による白髪や薄毛の原因は、毛をつくり出す毛包幹細胞と、髪色をつくり出す色素幹細胞の老化であることが明らかになるなど、近年の代表的な毛髪研究の成果について解説されました。
 中でも、様々な分野において世界中で注目されているミトコンドリア研究は、毛髪サイエンスにおける新発想のアプローチとして期待されているというお話しがありました。

毛髪サイエンス 最新動向及び展望 講演スライド

■ミトコンドリア機能異常と老化疾患
 学習院大学 理学部 生命科学科 教授 柳 茂 先生

 近年ミトコンドリアの機能異常が、老化や様々な疾患の病態と関連することが明らかになってきています。柳 茂先生はご自身が世界で初めて発見されたミトコンドリアに存在する酵素「MITOL(マイトル)」の毛髪への影響について解説されました。MITOLは、ミトコンドリアの形態制御や品質管理に関わり、ミトコンドリアの働きを正常に保つために欠かせない分子です。しかし、加齢に伴いMITOLは減少し、ミトコンドリアの老化を招きます。
 実際に研究で、毛髪や皮膚のもとになる角化細胞(ケラチノサイト)のMITOLを欠損させたところ、白髪や脱毛が生じることが明らかになりました。さらにMITOL発現量の減少が、角化細胞の維持に関わる17型コラーゲンを減少させ、角化細胞や色素細胞の機能が低下することが明らかになりました。
 また「ベルベリン」がMITOLの発現を誘導し、さらに皮膚や毛の老化を抑制するという研究結果から、新たな抗老化素材としてのポテンシャルの高さをお話しされました。

ミトコンドリア機能異常と老化疾患 講演スライド1

ミトコンドリア機能異常と老化疾患 講演スライド2

■大正製薬の研究成果
1. MITOLの新たな研究成果のご紹介
<1-1:MITOLの白髪に関する新発見>
大正製薬株式会社 セルフメディケーション開発研究所 基盤研究室主任 新井 良平

 次に大正製薬の新井より、メラニンを産生し、髪の色を維持する上で最も重要な役割を担う色素細胞においてMITOL発現を低下させると、色素細胞の増殖抑制やメラニン産生酵素の低下が起きること、メラニンを角化細胞に受け渡すために必要な樹状突起が減少することを報告し、色素細胞の維持にはMITOLが極めて重要であることを発表しました。
 さらに、色素細胞のMITOLを高める素材として、ボタンピを見出し、ボタンピが培養毛包の成長期を延長させること、さらにメラニン維持に寄与したという研究結果を発表しました。これらの結果から、MITOL活性化成分は、白髪と薄毛に有用である可能性を述べました。

MITOLの白髪に関する新発見 講演スライド

■MITOL×ブラックリバースのシナジー効果
<2-1:ブラックリバースペプチド1とその作用>
株式会社ネイチャーラボ セルラボ所属 共同開発コンサルタント 竹岡 篤史 氏

 次に、ネイチャーラボ社の竹岡 篤史氏が、大正製薬とネイチャーラボのオープンイノベーションによる新たな取り組みについて紹介しました。
 その上で、ネイチャーラボが開発したブラックリバースの研究結果を解説しました。ブラックリバースは、シグナルペプチドと植物幹細胞のシナジー効果により、頭皮環境を整え、さらに色素細胞のメラニンを増加させ、酸化ストレスから保護します。
 今回研究結果として、ブラックリバースペプチド1がメラノサイトを活性化すること、つまり毛髪の黒色化と維持に寄与することを報告しました。

ブラックリバースペプチド1とその作用 講演スライド

<2-2:ネイチャーラボとの新協業:MITOL × ブラックリバースペプチド1の研究成果>
大正製薬株式会社 セルフメディケーション開発研究所 製剤第3研究室
開発1グループ グループマネージャー 阿部 晃也

 最後に大正製薬の阿部より、ネイチャーラボ社と大正製薬との共同研究成果として、MITOLとブラックリバースペプチド1とのシナジー効果に関する研究成果を発表しました。MITOL活性化成分のボタンピとブラックリバースペプチド1との掛け合わせによるMITOL発現促進効果の増強と、毛包中の色素細胞のメラニン含量の増加について、発表しました。さらに、これらの掛け合わせが白髪や薄毛といった毛髪のエイジングに有用な可能性があることを発表しました。これらの成果が今後トータルヘアケアを実現するための一助になればと考えています。

ネイチャーラボとの新協業:MITOL × ブラックリバースペプチド1の研究成果 講演スライド

■オンライン環境下での“老け髪”対策ミニ講座
 国際毛髪皮膚科学研究所 代表理事 本山 典子 先生

 さらに、毛髪診断士の本山 典子先生による、オンライン環境下での“老け髪”対策ミニ講座を実施しました。老け髪とは、30代後半から始まる加齢の変化によって白髪や薄毛が悪目立ちする状態を指します。昨今のオンラインの増加に伴い、約6割の男性が自分の髪の毛の老化を気にしていることが調査で明らかになっています。
 講座では、本山先生がオンラインの画面上から髪の毛の状態を診断しました。一見白髪や薄毛が目立たないような人でも、髪質や頭皮の色、パソコンに向かう姿勢から、老け髪予備軍である可能性があります。そこで老け髪対策方法として、誰でも簡単にすぐに試せる即効対策法や、日常での対策法を紹介しました。

<即効対策編>
(1) カメラは「見上げる」位置に設定
(2) レフ版代わりに白い紙を活用
(3) 頭や手の皮脂(天然オイル)を使った手グシでツヤだし

<日常生活編>
(1) 頭皮のツボマッサージ      :3分間で血行促進
(2) 洗髪              :頭皮を寄せるようにして洗う
(3) 5色を意識したバランスの良い食事:赤・黒・緑・黄・白

オンライン環境下での“老け髪”対策ミニ講座 講演スライド1

オンライン環境下での“老け髪”対策ミニ講座 講演スライド2

■登壇者プロフィール
<柳 茂 (やなぎ しげる)先生>

柳 茂先生

学習院大学 理学部 生命科学科 教授
1992年福井医科大学卒業。米国エール大学医学部客員准教授、神戸大学医学部助教授を経て、2005年東京薬科大学生命科学部教授。2020年学習院大学理学部教授。2004年日本生化学会奨励賞受賞。
日本生化学会評議員、日本ミトコンドリア学会副理事長。専門はミトコンドリア生物学と老化研究。

<齊藤 典充 (さいとう のりみつ)先生>

齊藤 典充先生

日本毛髪科学協会 理事/毛髪科学研究会 世話人/なごみ皮ふ科 院長
北里大学卒業後、同大学皮膚科に入局。米国カリフォルニア大学留学後、北里大学医学部皮膚科講師、国立病院機構横浜医療センター皮膚科部長、横浜労災病院皮膚科部長などを経て2020年10月から現職。専門は脱毛症、血管炎、血行障害。

<本山 典子 (もとやま のりこ)先生>

本山 典子先生

国際毛髪皮膚科学研究所 代表理事
短大卒業後、美容師免許を取得。美容学校教職員、美容室勤務を経て、ヘアケア商材を扱うメーカーに入社。12年間、ヘアケアメーカーの事業部長として企画開発、営業、販売などに携わりながら、漢方や五感の知識を活かした血流や神経に働きかける毛髪ケアの独自スキルを活かし、世界12か国でヘアケアの指導を行う。

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