dot science株式会社のプレスリリース
食品の品質を科学的に数字で証明する成分分析ブランディング(dot science株式会社/東京都新宿区余丁町/代表:小澤 亮)は、味噌の製造販売を中心とする食品メーカー「マルコメ株式会社」(長野県長野市安茂里/代表:青木時男)が取り扱う、粒入り無菌充填の麹甘酒「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」について、品質の数値化を実施しました(分析期間:2021年6月10日〜2022年5月31日)。その結果、マルコメの「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は、国産大手メーカーA社、B社の甘酒と比較して、グルコース量が3.15〜9.13倍、遊離アミノ酸量が6.62〜31.17倍、グルタミン酸量が7.19〜33.50倍、甘酒の主要香気成分が1.70〜2.45倍、ポリフェノール量が5.37〜8.39倍、オリゴ糖量が1.91〜4.55倍多いことを証明。したがって、マルコメの「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は、米および糀由来の甘味、旨味、香りを強く味わうことができる甘酒であることが明らかになりました。
マルコメ株式会社 Webサイト : https://www.marukome.co.jp
成分分析ブランディング Webサイト : https://rebranding.science
味噌づくりで培った発酵技術を活かしてつくられる「糀甘酒」
マルコメは、1854年(安政元年)に味噌の製造販売からスタートした長野の食品メーカーです。このマルコメが「プラス糀」ブランドを立ち上げたのは2012年のこと。塩糀ブームから糀の注目度が高まってきた状況を受け、味噌でも使われている米糀と、味噌で培った発酵技術を用いて、塩糀やしょうゆ糀、そして甘酒などの商品を開発したのが始まりです2019年には、糀製品の需要増に対応すべく、新潟県魚沼市に世界最大級の米糀工場「魚沼醸造」を開設。越後三山の豊かな雪解け水をはじめとした自然の恵みを生かし、数々の発酵食品をつくっています。なかでも甘酒は健康や美容に意識の高い女性を中心に支持されている人気商品です。
実は、甘酒には「酒粕甘酒」と「糀甘酒」の2種類あり、これらは材料もつくり方も異なる全くの別物。「酒粕甘酒」は、酒粕に砂糖を添加し水で溶いてつくられるもので、アルコールを含みます。一方「糀甘酒」は、米のデンプンを麹菌の酵素で糖化させてつくるためアルコール0%です。さらに、酵素の力でアミノ酸や、ビタミン、葉酸、オリゴ糖などが生成され、これらの栄養素が豊富なことから、「飲む点滴」と古くより呼ばれています。マルコメがつくっているのは「糀甘酒」。「酒粕甘酒」と差別化した「糀甘酒」という名称は、マルコメから発信され、現在は業界内で一般的に使われるようになりました。
そんなマルコメの甘酒は、スタンダード商品「プラス糀 糀甘酒LL」を中心に、豆乳ブレンドや生姜、ゆず、抹茶と組み合わせたものなど、さまざまなラインナップを展開しています。そして今回、「プラス糀 糀甘酒LL 糀リッチ粒」を新発売。糀の粒を残し、糀本来の甘みを感じられる味わいに仕上げました。食塩を使っていないのでさらっと飲みやすく、米糀の量を通常の甘酒の1.2倍にすることで自然なコクと甘さを引き出しています。
厳選された国産米と魚沼の上質な水でナチュラルなおいしさを追求
甘酒の原料は、米糀と米、そして水。シンプルなだけに、素材のよさと製造方法が味を大きく左右します。なかでももっとも重要なのが米糀。マルコメの甘酒に使われる米糀は、甘酒のために厳選した麹菌を国産米にまぶし、3日間じっくりと時間をかけてつくられます。糀づくりは、細かな温度・湿度管理が必要不可欠。さらに定期的に混ぜて発酵を促すなど、手間を惜しまないのが質のよい糀を生み出すポイントです。大量かつ安定した品質の糀づくりができるのは、糀を扱う味噌づくりのプロフェッショナルであるマルコメだからこそ。長い年月で培った知識と技術が光ります。
こうしてつくられた米糀に、蒸し上げた国産米と水を加え発酵させて甘酒はつくられますが、この水の質もマルコメの甘酒のおいしさの秘訣です。工場のある魚沼の水は硬度12〜14度という国内でも珍しい超軟水。口当たりのよいまろやかな味わいの水は、米の旨味を最大限に引き立てます。「プラス糀 糀甘酒LL 糀リッチ粒」の特徴は大きく3つ。まずは食感。米の粒をあえて残すことで、濃厚な旨味と糀本来のおいしさをダイレクトに感じられるよう仕上げました。飲みごたえもあるので、一杯で十分な満足感が得られます。
もうひとつは、食塩不使用で米糀を1.2倍にしたこと。従来の商品には甘さを際立たせるために食塩を加えていますが、これを入れないことで、角のない優しい甘さが口に広がるすっきりとした味わいに。ややパンチが欠ける分、米糀の割合を増やすことで自然なコクと甘さをプラスしました。そして、容器にもひと工夫。新容器に変えることで世界初、粒入り糀甘酒の無菌充填を可能とし、常温で長期保管できる形態を実現しました。
成分分析の実施
このマルコメの「プラス糀 糀甘酒LL 糀リッチ粒」を成分分析へ。今回は「甘味」、「旨味」、「香り高さ」および「機能性成分として注目されているポリフェノール」にフォーカスして分析します。比較したのは、国内大手メーカーA社、B社の甘酒です。
甘味成分について① (糖度、グルコース)
マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の糖度およびグルコース量は、国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ2.88倍、1.75倍高く、17.65倍、7.00倍多い
糖度*1について、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は21.0であり、国内大手メーカーのA社の甘酒の7.3、B社の甘酒の12.0と比較して、2.88倍、1.75倍。また、グルコース*2の含有量について、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は22.37g/100mLであり、国内大手メーカーのA社の甘酒の3.20g/100mL 、B社の甘酒の2.41g/100mLと比較して、17.65倍、7.00倍*3。したがって、マルコメの糀甘酒はコメ・発酵由来の甘味が強い甘酒であることが明らかとなりました。
*1 糖度は手持屈折法にて分析
*2 グルコースはHPLC法にて定量
*3 分析数値については小数点第3位を四捨五入し記載。倍率については、四捨五入しない数値を元に算出
図1(糖度、グルコース)
甘味成分について②(オリゴ糖)
マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」のオリゴ糖量は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりも66.84倍、19.59倍多い
オリゴ糖*4(トレハロース、ゲンチビオース、イソマルトースの合計)の含有量について、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は1.84g/100mLであり、国内大手メーカーのA社の甘酒の0.03g/100mL 、B社の甘酒の0.09g/100mLと比較して、66.84倍、19.59倍でした。つまり、オリゴ糖を多く有することが明らかとなりました。
*4 各オリゴ糖はHPLC法にて定量
図2(オリゴ糖)
旨味成分について(遊離アミノ酸)
マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の遊離アミノ酸量は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ3.46倍、2.70倍多い
マルコメの糀甘酒は、必須アミノ酸である「トリプトファン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、ヒスチジン」の必須アミノ酸9種類がバランスよく含有されています。遊離アミノ酸分析*5において、マルコメの糀甘酒の遊離アミノ酸総量*6は896.7mg/100mLであり、大手A社の甘酒の259.2mg/100mL、大手B社の甘酒の331.9 mg/100mLと比較して、3.46倍、2.70倍。このことから、マルコメの糀甘酒は他社の甘酒と比較して遊離アミノ酸を多く含む甘酒あることが明らかとなりました。
さらに、マルコメの糀甘酒の遊離アミノ酸総量896.7mg/100mLは他社のアミノ酸飲料(アミノ酸総量:〜600mg程度/100mL*7)と比較しても同等もしくはそれ以上の含有量を有しており、スポーツや運動後のサポート飲料としても優れていることが明らかとなりました。
*5 アミノ酸の分析方法は誘導体化した遊離アミノ酸をガスクロマトグラフィーにて分析
*6 アミノ酸総量はアラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、リジン、チロシン、システインの14種類の遊離アミノ酸量の合計値にて比較
*7 大手メーカー製4社のペットボトルアミノ酸飲料のアミノ酸総量から自社算出
図3(遊離アミノ酸)
旨味成分について(グルタミン酸)
マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」のグルタミン酸量は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ33.50倍、7.19倍多い
旨み成分の代表的な成分であるグルタミン酸。グルタミン酸分析*8において、マルコメの糀甘酒のグルタミン酸量は4195.33nmol/mLであり、大手A社の甘酒の125.24nmol/mL、大手B社の甘酒の583.68nmol/mLと比較して、33.50倍、7.19倍。つまり、マルコメの糀甘酒は旨みを豊富に含む「旨い甘酒」であることが明らかとなりました。
*8 グルタミン酸の分析方法はアミノ酸一斉分析機にて分析
図4(グルタミン酸)
香気成分について
マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の主要香気成分“1,1-ジエトキシエタン”は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ1.70倍、2.45倍多い
甘酒の主要香気成分の一つである“1,1-ジエトキシエタン”*9の含有量について、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は35.99mg/100mLであり、国内大手メーカーのA社の甘酒の21.12mg/100mL、B社の甘酒の14.69mg/100mLと比較して、1.70倍、2.45倍でした。したがって、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は甘酒らしい香りが多い甘酒であることが明らかとなりました。また、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は“1,1-ジエトキシエタン”の含有量のみが顕著に多く、甘酒らしい香りをダイレクトに感じやすい甘酒であると推察します。
*9 香気成分の分析方法はGC-MSにて分析
図5(ジエトキシエタン)
機能性成分として注目されるポリフェノールおよび抗酸化率について
マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の総ポリフェノール量および抗酸化率は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ8.39倍、5.37倍多く、11.65倍、6.03倍高い
総ポリフェノールの含有量について、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は462.20mg/mLであり、国内大手メーカーのA社の甘酒の55.09mg/mL、B社の甘酒の86.15mg/mLと比較して、8.39倍、5.37倍でした。また、抗酸化率について、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」は82.60%であり、国内大手メーカーのA社の甘酒の7.09%、B社の甘酒の13.69%と比較して、11.65倍、6.03倍。したがって、「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」はポリフェノール量が多く、かつ抗酸化率が高い甘酒であることが明らかとなりました。
図6(ポリフェノール、抗酸化率)
分析期間について
分析期間:2021年6月10日〜2022年5月31日
分析手法について
<サンプルの前処理>
1. 甘酒のボトルから上澄みを回収
2. 遠心分離かけて上澄み液を回収
3. No.1のろ紙により濾過をする
<測定・定量手法>
分析項目 | 測定・定量手法 |
糖度 | 屈折糖度計にて測定 |
グルコース | 高速液体クロマトグラフィーにて定量 |
オリゴ糖(トレハロース、ゲンチビオース、イソマルトース) | 高速液体クロマトグラフィーにて定量 |
遊離アミノ酸 | 分析サンプルを誘導体化してガスクロマトグラフィー質量分析法にて定量 |
グルタミン酸 | アミノ酸一斉分析機にて定量 |
香気成分 | ガスクロマトグラフィー質量分析法にて定量 |
ポリフェノール | フォーリンチオカルト法にて定量 |
抗酸化率 | DPPHラジカル消去活性評価法にて数値化 |
まとめ
- マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の糖度およびグルコース量は、国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ2.88倍、1.75倍高く、17.65倍、7.00倍多い
- マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」のオリゴ糖量は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ66.84倍、19.59倍多い
- マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の遊離アミノ酸総量量およびグルタミン酸量は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ3.46倍、2.70倍および33.50倍、7.19倍多い
- マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の主要香気成分“1,1-ジエトキシエタン”は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ1.70倍、2.45倍多い
- マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の総ポリフェノール量および抗酸化率は国内大手メーカーA社、B社の甘酒よりもそれぞれ8.39倍、5.37倍多く、11.65倍、6.03倍高い
- マルコメ「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」の消化性は国内大手メーカーA社、B社の甘酒と比較して顕著な差異は認められなかった
したがって、マルコメの「プラス糀 糀甘酒LL 糀リッチ粒」は、米および糀由来の甘味、旨味、香りを強く味わうことができるうえ、機能性成分として注目されるポリフェノールを多く含む甘酒であることが明らかになりました。
よりおいしく、健康や美容に関して有用であるとされる飲み物であることが証明された「プラス糀 糀甘酒LL糀リッチ粒」。甘酒はそのまま飲むだけでなく、砂糖の代わりに健康的な甘味料として料理やスイーツづくりにも使えるなど、アイデア次第でさまざまなシーンで利用できます。
また、アミノ酸も豊富に含んでいることから、運動やスポーツ後のメンテナンス飲料としての飲用も期待されます。マルコメでは今回の結果をもとに、甘酒の効果的な使い方やレシピなどを提案しながら、甘酒の魅力発信に力を入れていきます。
成分分析ブランディングとは
食品の品質を科学的に数字で証明します。自社と他社の食品の品質を数字で比較することで、品質の差を見える化し、差別化します。キャッチコピーは、“相場より高く売ろう”。「こだわりのある農畜水産の生産者が相場より高く売ること」を応援するために生まれました。
– 公式サイト:https://rebranding.science
■運営会社について
dot science株式会社はシェフ、マーケター、科学者を中心に構成された食の領域の課題解決に取り組む専門家集団です。様々なものが、刻一刻と変化する社会環境から見据えていくのは、わたしたちの「食」の未来。伝統食を中心に時代に合う形で変化させていきながら、良いものをつくる生産者が、100年後までその事業を続けられるような、そんな未来を模索してまいります。
■ E.F.Lab(エディブルフラワー研究所) https://eflab.jp/
■ 食べられる花屋EDIBLE GARDEN https://ediblegarden.flowers/
■ 成分分析ブランディング https://rebranding.science/
■ 香りを食べるアイスFRAGLACE https://fraglace.jp
■ 干物をUPDATEしたアタラシイヒモノ https://himono.design/
■ 究極の餅THE OMOCHI https://theomochi.com/
会社名: dot science株式会社
資本金: 2,900,000円
住所: 〒162-0055 東京都新宿区余丁町12-29
電話番号: 03-4540-4271
代表取締役: 小澤 亮