ギリアド、2022年第2四半期の業績を発表

ギリアド・サイエンシズのプレスリリース

 

ギリアド、2022年第2四半期の業績を発表

-ビクタルビの売上高は、前年同期比28%増の26億ドル がん領域の売上高は、前年同期比71%増の52700万ドル-

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下ギリアド)は、2022年8月2日に2022年第2四半期の業績を発表しました。

 

ギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)ダニエル・オデイ(Daniel O’day)は、「今期の業績はギリアドにとって非常に好調で、事業的にも臨床的にも優れた結果を示し、ベクルリーを除く製品売上は、前年同期比7%増となりました。当社のHIVポートフォリオへの需要は引き続き堅調で、ビクタルビのシェアはさらに拡大しました。また、がん領域での収益は細胞治療薬とTrodelvyにより過去最高となりました」と述べています。

 

2022年第2四半期の業績

• 2022年第2四半期の収益は63億ドル(前年同期比+1%増)で、主にHIVおよびがん領域製品の売上増によるものですが、ベクルリー(R)(レムデシビル)およびC型肝炎ウイルス(HCV)製品の売上減少により一部相殺されました。

• 希薄化後1株当たり利益(EPS)は、2021年同期の1.21ドルに対し、2022年第2四半期は0.91ドルに減少しました。この減少は主に、ドラゴンフライ・セラピューティクス社(以下「ドラゴンフライ社」)との共同研究のための一時金3億ドル(株式1株当たり税引き後0.18ドルに相当)で買収したインプロセス研究開発(IPR&D)費用の増加、および保有株式の未実現評価損額の増加が原因です。

• 2022年第2四半期の非GAAPベースの希薄化後EPSは、2021年同期の1.81ドル(1)と比較して、13%減の1.58ドルとなりました。これは主に、ドラゴンフライ社への一時金支払いと2022年第1四半期に開始したビクタルビ(R)(ビクテグラビル50mg/エムトリシタビン200mg(FTC)/テノホビルアラフェナミド25mg(TAF))のロイヤルティ費用の影響ですが、一部は収益増加により相殺されました。

• 2022年6月30日時点で、ギリアドの現金、現金同等物および市場性のある負債証券は、2021年12月31日時点の78億ドルに対し、70億ドルでした。これは主に、ビクテグラビルの訴訟和解関連費、配当金支払い、共同研究関連の買収によるIPR&D費用、債務返済、自社株買い戻しおよび資本的支出によるもので、一部は営業活動によるキャッシュインフローにより相殺されました。

• 2022年第2四半期の営業キャッシュフローは18億ドルでした。

• 2022年第2四半期中、ギリアドはドラゴンフライ社との提携のための一時金として3億ドルを支払い、9億2000万ドルの配当金を支払い、普通株式7200万ドルを買い戻しました。

 

(1)  非GAAPベースの希薄化後EPSは、2022年第1四半期の当社の非GAAPベースの方針変更により再計算したもので、過去に報告された2021年第2四半期の非GAAPベースの希薄化後EPSは0.06ドル減少しました。詳細については、以下の非GAAPベースの財務情報のセクションをご覧ください。

 

製品売上

2022年第2四半期の製品総売上高は61億ドルで、2021年同期比で横ばいでした。2022年第2四半期のベクルリーを除く製品売上高は、2021年同期比7%増の57億ドルとなりました。これは主に、HIV、細胞治療薬およびTrodelvy(R)(sacituzumab govitecan-hziy)の事業成長によるもので、HCV治療薬の収益低下により一部相殺されました。

 

2022年第2四半期のHIV製品の売上は、平均売価の上昇につながるチャネルミックスの変更、治療薬および曝露前予防薬(PrEP)の需要増加により、2021年同期比7%増の42億ドルとなりました。

ビクタルビの2022年第2四半期の売上高は、主に需要増加とチャネルミックスにより、前年比で28%増加しました。

デシコビ(R)(FTC200mg/TAF25mg)の2022年第2四半期の売上は、前年比6%増となりましたが、これは主にチャネルミックスと需要の増加によるもので、在庫変動により一部相殺されました。

 

2022年第2四半期のHCV治療薬の売上高は、2021年同期比18%減の4億4800万ドルとなりました。これは主に、チャネルミックスによる平均売価の低下、および治療開始患者数が減少したことによるものです。

B型肝炎ウイルス(HBV)とD型肝炎ウイルス(HDV)治療薬の2022年第2四半期の売上高は、2021年同期比1%減の2億3400万ドルとなりました。ベムリディ(R)(TAF25mg)の2022年第2四半期の売上は、2021年同期比3%減となりました。これは主に中国の患者減に伴う政府の購買数量調整によるもので、その他の全地域における販売量の増加により一部は相殺されました。

 

細胞治療薬の2022年第2四半期の売上は、2021年同期比68%増の3億6800万ドルとなりました。

Yescarta(R)(axicabtagene ciloleucel)の2022年第2四半期売上高は、66%増の2億9500万ドルとなりました。これは主に、米国と欧州における再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)、および米国における再発または難治性濾胞性リンパ腫(FL)に対する需要によるものです。

Tecartus(R)(brexucabtagene autoleucel)の2022年第2四半期の売上は、78%増の7300万ドルでした。これは主に、米国と欧州における再発性または難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)、米国における再発性または難治性前駆B細胞急性リンパ性白血病(ALL)に対する需要によるものです。

 

2022年第2四半期のTrodelvyの売上は、2021年同期比79%増の1億5900万ドルでした。これは、主に、米国および欧州における転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、ならびに米国における転移性尿路上皮がんが、第二および第三選択治療薬として採用されたことによるものです。

 

ベクルリーの2022年第2四半期の売上高は、2021年同期比46%減の4億4500万ドルとなりました。ベクルリーの売上は、一般的に新型コロナウイルス関連の数値、入院率と重症度、ワクチンと代替薬利用の可能性、採用、および有用性に影響を受けます。

 

2022年第2四半期の製品売上総利益率、営業費用、および実効税率

• 2022年第2四半期の製品売上総利益率は、2021年同期の77.4%に対し、76.5%でした。2022年第2四半期の非GAAPベースの製品売上総利益率は、2021年同期の86.4%に対し、85.6%でした。この減少は主に、2022年第1四半期に始まったビクタルビ関連ロイヤルティ費用によるものです。

 

• 2022年第2四半期の研究開発(R&D)費は2021年同期比で横ばいの11億ドルでした。2022年第2四半期の非GAAPベースのR&D費は2021年同期の10億ドル(2) に対し、11億ドルでした。GAAPおよび非GAAPベースのR&D費は主に、開発活動への投資増加と臨床試験活動のタイミング(主にがん領域)を反映しています。GAAPベースのR&D費は、前年よりも低い事業再編費により相殺されました。

• 2022年第2四半期の買収によるIPR&D費用は、2021年同期の1億3800万ドル(2)に対し、3億3000万ドルでした。この増加は主に、ドラゴンフライ社との共同研究のための一時金によるものです。

• 2022年第2四半期の販売費、一般管理費(SG&A)は2021年同期とほぼ同じ14億ドルでした。2022年第2四半期の非GAAPベースのSG&A費は、2021年同期の11億ドルに対し、13億ドルでした。GAAPおよび非GAAPベースのSG&A費は主に、Trodelvyを含む製品販売促進およびマーケティング投資の増加、ならびに情報技術プロジェクトおよび助成金を含む企業活動の増加を反映しています。GAAPベースのSG&A費は、ギリアド財団への寄付額の前年比減により相殺されました。

• 2022年第2四半期の実効税率(ETR)は24.5%で、2021年同期の16.5%との差は、主に2021年6月期第2四半期の企業内における無形資産譲渡に関連する個別の税優遇措置、および法人税の損金不算入費用となる株式投資による評価損額の増加によるものです。2022年第2四半期の非GAAPベースのETRは19.3%で、2021年同期は19.5%でした。

 

(2)  2022年第2四半期より、要約連結損益計算書において、規制当局承認前の開発品にかかるマイルストーンおよびその他の協力費に関連する費用は、研究開発費から買収後のIPR&D費用に表示変更されました。この変更により、財務諸表でIPR&Dプロジェクトの取得にかかった総費用が分かりやすくなると考えています。GAAPベースと非GAAPベース共に過去の報告についてもこの変更を反映し、2021年6月期第2四半期と前期の研究開発費はそれぞれ4200万ドルと4700万ドル、2022年3月期第1四半期の研究開発費は800万ドル減少しました。

 

ガイダンス、および今後の見通し

通期ガイダンス、および、通期業績見通しを更新しました。

• 製品の総売上高は238億ドル~243億ドルから、245億ドル~250億ドルに変更。

• ベクルリーを除く製品の総売上高は、218億ドル~223億ドルから、220億ドル~225億ドルに変更。

• ベクルリーの総売上高は約20億ドルから約25億ドルに変更。

• 非GAAPベースの一株当たり利益は、6.20ドル~6.70ドルから、6.35ドル~6.75ドルに変更。

• 一株当たり利益は3.00ドル~3.50ドルから、2.90ドル~3.30ドルに変更。

 

ギリアドが当該金額を提示できない未実施の買収、または事業開発取引に関連する費用、有価証券の公正価値調整、および税金関連の法律やガイドライン変更に伴う個別の税金費用、または便益の影響は、本財務ガイダンスでは除外しています。2022年のガイダンスに関するGAAPベースの財務情報と非GAAPベースの財務情報の調整は、添付の表に記載されています。また、後述の「将来の見通しに関する記述」もご参照ください。財務ガイダンスは、新型コロナウイルス感染症パンデミックの期間や規模に関する不確実性など、多くのリスクや不確実性を伴います。パンデミックは、ギリアドの事業、および広範な市場力学に継続的に影響を与えることが予測されますが、これらの影響の速度や程度、およびこれに伴うパンデミックからの回復は、ギリアドの事業により異なる可能性があります。

 

前回の四半期報告書以降の主な更新情報

ウイルス性疾患

• FDAは、HIV治療薬および曝露前予防薬のlenacapavir注射剤を評価する臨床試験の実施を保留にしていましたが、アルミノケイ酸ガラス製の代替バイアルを用いたlenacapavir注射剤の保存方法と適合性に関するデータを審査した結果、この保留を解除したことを発表しました。

• ギリアドは、複数の治療歴がある多剤耐性HIV-1感染症患者さんに対するHIV-1感染症治療を目的としたlenacapavirの新薬承認申請を再提出し、FDAはこれを受理し審査することを発表しました。FDAは処方箋薬ユーザーフィー法による承認期限を、2022年12月27日に指定しました。

• 欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、開発中のlenacapavirについて、抗レトロウイルス療法の効果が得られない多剤耐性を有するHIV-1感染症の成人に対して、他の抗レトロウイルス薬との併用療法における肯定的見解を出しました。

• 国際エイズ学会で、HIV/HBVに重複感染した成人を対象にビクタルビを評価した第III相ALLIANCE試験の48週間のデータを発表しました。ALLIANCE試験の結果から、ビクタルビは対照薬のドルテグラビル/FTC/TDFよりも優れたHBV DNA抑制作用を示し、双方の抗レトロウイルスレジメンは同様に高いHIV抑制率を達成したことが示されました。加えて、HIVとともに生きる人々における第一選択療法としてのビクタルビの2つの第III相試験による5年間のデータは、さらにビクタルビの持続的な有効性、安全性プロファイルおよび耐性への高いバリアを示しました。

• 2022年国際肝臓学会議において、慢性HDV治療を目的としたbulevirtideのピボタル第III相MYR 301試験の48週間までの結果を発表しました。本試験は主要評価項目を達成し、bulevirtide群では統計学的に有意な複合奏効率(ウイルス学的反応および生化学的反応)を達成しました。24週目から48週目にかけて奏効率が上昇したことから、長期投与による奏効率の改善が明らかとなりました。安全性プロファイルは過去の報告から変化はありません。

• 欧州連合および欧州経済領域の加盟国を対象とした、ベクルリーに関する新たな共同調達契約を発表しました。

• 肺炎を有し酸素補給を必要とする成人および青年期の患者さん、および酸素補給は不要でも重症化リスクが高い成人患者さんの新型コロナウイルス感染症治療薬として、ベクルリーの正式な製造販売承認の付与についてEMAのCHMPが肯定的な見解を表明しました。

 

オンコロジー

• 米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、多くの治療歴を有するHR陽性/HER2陰性転移性乳がん患者さんを対象に、Trodelvyと医師が選択した化学療法(TPC)を比較した第III相TROPICS-02試験の主要解析の結果を発表しました。

• ASCOで二次治療以降の転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を対象としたTrodelvyの第III相ASCENT試験から得られた最終データを発表し、この患者集団におけるTPCを上回るTrodelvyの生存ベネフィットが再確認されました。

• Sacituzumab govitecan-hziyは、NCCNにより遠隔転移を伴うTNBCの二次治療以降におけるカテゴリー1の推奨を引き続き受け、さらにNCCNの乳がんガイドライン(R)では、HR陽性/HER2陰性進行乳がんの適応としてカテゴリー2Aの推奨を受けました。カテゴリー1はNCCNによる最も高い推奨で、その介入が適切であるというNCCNの一貫した見解が存在することを示しています。HR陽性/HER2陰性乳がん患者さんにおけるTrodelvyの使用は研究段階にあり、この使用はFDAから承認を受けたものではありません。

• ASCOではYescartaとTecartusのデータにも焦点を当て、ZUMA-7、実際のアウトカム、長期フォローアップのサブ解析から得られた所見も紹介しました。Yescartaの実際のデータから、人種や民族に関わらず一貫した生存率と安全性が示され、ZUMA-7サブ解析において、標準治療と比較して無イベント生存期間の中央値が8倍以上高く、臨床的に意義のある生活の質の改善が示されました。Tecartusについては、長期データから、再発性または難治性マントル細胞リンパ腫患者さん、および再発性または難治性急性リンパ性白血病の成人患者さんにおいて、持続的な奏効がもたらされることが示唆されました。

• 欧州委員会がYescartaを再発または難治性 濾胞性リンパ腫の治療薬として承認したことを発表しました。

• 26歳以上の再発性または難治性B前駆細胞性急性リンパ性白血病の成人患者さんの治療薬として、TecartusについてEMAのCHMPは肯定的な見解を示しています。

• FDAは、リンパ腫および多発性骨髄腫の治療薬候補としてmagrolimabを評価する試験の部分的な臨床保留命令を解除しました。

• ドラゴンフライ社と戦略的研究提携を結び、腫瘍および炎症の適応を目指し、新規の複数のナチュラルキラー(NK)細胞エンゲージャーを用いた免疫療法を進化させました。本契約に基づき、ギリアドは前臨床DF7001の独占的グローバルライセンスを取得し、さらに複数のNK細胞エンゲージャープログラムのライセンスオプションを取得します。

 

企業展開

• 当社取締役会は、2022年第3四半期の普通株一株当たりの四半期配当は0.73ドルとしたことを発表しました。配当金は、2022年9月15日の営業終了時に登録されている株主に対して2022年9月29日に支払われます。将来の配当は取締役会の承認を得るものとします。

• 2022年7月付で、研究開発・製造部門のエグゼクティブ・バイスプレジデントとしてステイシー・マー(Stacey Ma)博士を任命しました。

• 2022年8月付で、コーポレートアフェアーズ&ジェネラルカウンセルのエグゼクティブ・バイスプレジデントとしてDeborah Telman(デボラ・テルマン)を任命しました。

• ギリアド財団への8500万ドルの寄付を発表しました。

 

本プレスリリースでは、一部の金額および割合が四捨五入されているため、係数の総和が一致していない、再計算で数字が合わない場合があります。

 

電話会議

ギリアドは、太平洋時間8月2日午後1:30に業績説明のための電話会議を開催します。ウェブでの生配信はhttp://investors.gilead.comでご覧いただけます。また、アーカイブはwww.gilead.comで1年間ご覧いただけます。

 

GAAPベースの財務情報

本資料に記載されている情報は、非GAAPと明記されていない限り、米国では一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づいて作成されています。経営陣は、非GAAP情報をギリアドのGAAP財務情報と併せて検討することにより、投資家に有益な情報を提供できると考えています。これは、経営陣がこのような情報を経営、予算管理、および財務計画を目的として社内で使用しているためです。非GAAP情報は、包括的な会計規則に基づいて作成されたものではなく、GAAPに基づいて報告されたギリアドの業績の理解を補完するためにのみ使用されるべきものです。一般的に、非GAAP財務情報には、買収無形資産償却費、棚卸資産のステップアップ費用、買収IPR&D費、その他通常では想定できない項目やギリアドの事業の基本的な事業状況を反映していない項目を含む取得関連費用、保有株式等の公正価値評価、税法やガイドラインの変更に伴う個別の税金費用や便益などは含まれていません。

ギリアドは非GAAP財務情報から買収した無形資産の償却費を一貫して除外していますが、経営陣は、このような無形資産が買収の一部として計上され、継続的な収益創出に貢献していることを投資家に理解してもらうことが重要であると考えています。非GAAP評価指標は、同業他社では異なる定義や計算方法を採用している場合があります。非 GAAP ベースの財務指標と最も直接的に比較できるGAAP基準の財務指標との比較表は、下記の表をご参照ください。

 

米国証券取引委員会(SEC)からの最近の業界への通達に従い、ギリアドでは2022年第1四半期より、非GAAPベースの財務指標において、買収によるIPR&D費用を除外していません。前期の非GAAP財務指標は、新しい発表方法に合わせて改定されました。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとってのより健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界 35 カ国以上で事業を行っています。

 

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