日本メナード化粧品株式会社のプレスリリース
日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、目の健康に対するブルーライトの影響について研究し、ブルーライトが目のうるおいに重要な糖タンパク質「膜型ムチン」の産生を低下させることを発見しました。さらに、このブルーライトの影響に対して、ニームエキスが膜型ムチンの産生を高めることを見出しました。
- 目のうるおいに重要な「膜型ムチン」
“目の乾き”は多くの人が感じる悩みのひとつであり、不快感や目疾患をもたらすだけではなく、目の輝きも低下させ、目の魅力低下をもたらします。目のうるおいを高めるためには、涙の量を増やすだけでなく、涙を目の表面にとどめておく必要があります。その役割を担うのが、角膜表面に存在する糖タンパク質「膜型ムチン」です。膜型ムチンは角膜の最表層を構成する角膜上皮細胞によって産生されます。
- ブルーライトが膜型ムチンの産生を低下させ、ニームエキスが膜型ムチンの産生を増加させる
ブルーライトはLED照明やLEDディスプレイを持つパソコン、スマートフォンに多く含まれる光で、近年では眼精疲労をはじめとした目に対する様々な悪影響が懸念されています。メナードは、ブルーライトが角膜に与える影響を検討する中で、ブルーライトにより角膜上皮細胞の膜型ムチン産生が低下することを発見しました。つまり、ブルーライトにより目が乾きやすくなる原因のひとつがこの膜型ムチンの減少だと考えられます。
さらに、ブルーライトにより減ってしまう膜型ムチンを増やす素材を探索した結果、ニームエキスに膜型ムチンの産生を高める効果を見出しました。このことから、ニームエキスには目のうるおいを高める効果が期待されました。
本研究成果は今後、目の乾きに悩まれている方に向けた新しい健康食品の開発に応用してまいります。
【ニーム】
インドの伝統的なハーブで熱帯地域に分布する。葉、樹皮、枝、種子、花のすべてがハーブとして利用でき、100以上もの成分が検出されることから、インドでは奇跡の木と呼ばれ4000年にわたり崇拝されている。
*本研究成果は2022年3月25日~28日にオンラインで開催された「日本薬学会第142年会」にて発表した内容を含みます。
<参考資料>
● ブルーライトが膜型ムチンの産生を低下させ、ニームエキスが膜型ムチンの産生を高める
近年、ブルーライトは眼精疲労をはじめとした目に対する様々な悪影響が懸念されています。そこで、今回の実験では、ブルーライトを角膜上皮細胞に照射し、その影響を検討しました。その結果、ブルーライトが涙を目の表面にとどめるために重要な「膜型ムチン」の遺伝子(MUC16)の発現を低下させることがわかりました。このことから、ブルーライトは目の乾きを促進させることが考えられました。また、ブルーライト照射によるMUC16の発現低下は、ニームエキスの添加により抑えられることがわかりました。以上の結果から、ニームエキスは膜型ムチンを増やすことで涙を目の表面にとどまりやすくし、目のうるおいを保つ効果が期待されました。