株式会社コーセーのプレスリリース
図1 幼保施設を拠点とした子どものスキンケア習慣化の実証実験「スキンケアはじめて、つづけてサポート」
図2 「はじめてのスキンケアキット」(小児アレルギーの専門医療チーム監修)
- 取り組みの背景
近年、子どもたちの成長過程において、適切なスキンケアを行うことの有用性が広く知られるようになっています。例えば、継続的なスキンケアにより赤ちゃんの肌を健康に保つことは、アトピー性皮膚炎やアレルギー予防に繋がり、将来も含めたQOLの向上が期待されています。そのため、当社ではこれまでもスキンケアとアレルギーに関する研究や、一般の方向けの公開講座などの啓発活動に取り組んできました。一方で、現代の共働き世帯が増加し、十分な育児時間を捻出することが難しい社会環境の中では、家庭内でゼロから子どものスキンケアを取り入れることには大きなハードルがあります。実際、育児中の保護者の方へ子どものスキンケアに関してインタビューしてみると、「時間を作ることが難しい」、「継続するのは大変」、「適切な方法がわからない」、「そもそも何を使って良いのかわからない」、などといったそれを裏付ける声が数多く得られました。
- 幼保施設をスキンケアの拠点にする
そこで着目したのが、子どもたちが多くの時間を過ごす幼保施設です。幼保施設では、子どもたちが友達と一緒に成長する過程で手洗いなどの多くの生活習慣を身に着けていきます。本取り組みでは、スキンケアを保育時間に導入することで、子どもたちが、スキンケアや肌への興味関心を持ち、スキンケア方法を学び、自立したスキンケア習慣が身につくと考え、2022年10月19日より約1ヶ月間、認定こども園「たかさごスクールおおたかの森」の本園・分園にてその習慣化の検証を実施します。
- スキンケアを習慣化するためのスターターキット「はじめてのスキンケアキット」の提供
さらに、保護者へのインタビューで明らかになった、子どもへのスキンケアの悩みや、スキンケアの習慣化を助けることを目的に、千葉愛友会記念病院の小児アレルギーの専門医療チームの協力の下、当社オリジナルの「はじめてのスキンケアキット」(図2)を作成しました。このキットには、子どもたちが安心して使うことができる「乳液」、子ども向けのスキンケア方法を親子で詳しく学ぶことができる「スキンケアブック」、子どもが自らスキンケアの大切さについて学ぶことが出来る「スキンケア絵本」が含まれています。さらに、当社から保護者や幼保施設の保育者向けにスキンケア教室を実施することで、スキンケアの意義の紹介や疑問点の解消を行います。これらを幼保施設と各ご家庭に提供することで、スキンケア習慣の幼保施設への導入や、ご家庭での実施をサポートします。
- 子どもたちの自発的なスキンケアに対する行動変化を検証
約1ヶ月間の検証期間の中で、子どもたちが自発的にスキンケアをするようになったのかを保護者や保育者のみなさまのご協力のもとで検証します。検証期間中は、肌が清潔に保たれる、肌がカサカサしない、肌がしっとりする、などといった肌の状態が良好に保たれることが期待されます。加えて、本取り組みでは、子どもたちが園でのスキンケアを経験(体験・習得)することで、ご家庭で保護者の助けがなくてもスキンケアができる、保護者と一緒にスキンケアをしてみることを促す、など子どもたちの自主的な行動の変化が起こることが期待されます。
- 今後の展望
本実証実験の結果や得られた知見を踏まえ、子どもたちへのスキンケア習慣の普及に向けて引き続き検討を進めていきます。
当社では、かねてより新たな社会価値の提供や顧客創造に向けて、性別(ジェンダー)や年齢(ジェネレーション)にとらわれないお客さまへのアプローチを加速させています。「ジェネレーション」については2019年から展開している幼少期からの紫外線ケアの啓発活動など、今後も多方面から子どもたちの健やかな肌の支援に向けて取り組んでいきます。
(参考) コーセーのアダプタビリティ方針:性別や年齢にとらわれないお客さまへのアプローチ