アッヴィのプレスリリース
アッヴィ、「リンヴォック(R)錠」(ウパダシチニブ水和物)について、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する治療薬として、日本における適応追加承認を取得
ー 「リンヴォック(R)錠」(ウパダシチニブ水和物)はヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤であり、本承認により5番目の適応症を取得
ー 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんを対象とした、日本を含む複数の国際共同試験データから得られた結果に基づく承認1-3
ー これらの臨床試験において、リンヴォックは寛解導入療法試験では8週時、維持療法試験では52週時に主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づく)を達成、および臨床的改善や粘膜治癒を含むすべての副次評価項目も達成1-3
ー 潰瘍性大腸炎は30代以下での発症が多く、患者数が増加傾向にある指定難病4,5
ー アッヴィはリンヴォックを含む3製品の提供を通じて、潰瘍性大腸炎を含むIBD患者さんに貢献
アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長 : ジェームス・フェリシアーノ)は、本日、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤リンヴォック(R)錠(一般名:ウパダシチニブ水和物、以下「リンヴォック」)について、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入、および維持療法の治療薬として適応追加の承認を取得しました。リンヴォックは低分子のJAK阻害剤で、1日1回投与の経口剤です。
本承認により、リンヴォックは日本において、関節リウマチ、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、アトピー性皮膚炎と強直性脊椎炎に続く5番目の適応症を得ました。本承認は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんを対象とした、日本を含む複数の国際共同試験データから得られた結果に基づいています1-3。これらの試験において、リンヴォックは、寛解導入療法試験では8週時、維持療法試験では52週時に主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づく)を達成し、また臨床的改善や粘膜治癒を含むすべての副次評価項目も達しました1-3。
潰瘍性大腸炎は、原因不明の炎症により、大腸の粘膜が傷つき、びらん(ただれ)や潰瘍ができる指定難病です。慢性的な下痢・血便、腹痛に加え、発熱や貧血などの症状が現れ、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返します。潰瘍性大腸炎の原因はまだ完全には分かっていませんが、細菌や異物などから身体を守る「免疫」の異常が関係していると言われています。30歳以下の患者さんで多く発症しますが、小児や50歳以上の年齢層にもみられ、日本国内における患者数は約 22 万人と推定され、年々増加しています4,5。
潰瘍性大腸炎の治療では薬物治療による寛解を目指し、できるだけ長く再燃しない状態を維持することが大切です。しかし、長期にわたってコントロール困難な状態が続く患者さんも存在し、重症患者さんの 約30%で最終的に結腸全摘除術が必要となる場合もあります6。また、従来の生物学的製剤では有効性の発現が遅い患者さんも一部存在することや、継続投与によって起こり得る効果の減弱、過敏症反応などを引き起こす可能性もあります。このように、潰瘍性大腸炎治療にはアンメットニーズが依然として存在し7-10、より多くの治療選択肢が必要とされています11,12。
こうしたアンメットニーズに応えるだけでなく、注射など従来の非経口投与の生物学的製剤で治療を行っている患者さんに対しては、1 日 1 回投与の経口剤として、患者さんの負担を軽減しうる新たな治療選択肢となりえます。さらに、アッヴィは潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域に対して、リンヴォックに加えて、ヒュミラ、スキリージの3製品の提供を通じて、IBD患者さんに貢献してまいります。
リンヴォック錠(R)製品概要(下線部:今回の改訂箇所)
販売名 |
リンヴォック錠(R)45mg、同30mg、同15mg、同7.5mg |
一般名 |
ウパダシチニブ水和物 |
効果又は効能 |
既存治療で効果不十分な下記疾患 〇関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む) 〇関節症性乾癬 〇強直性脊椎炎 〇アトピー性皮膚炎 〇中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る) |
用法及び用量 |
〈関節リウマチ〉 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて7.5mgを1日1回投与することができる。 〈関節症性乾癬、強直性脊椎炎〉 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。 〈アトピー性皮膚炎〉 通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。 通常、12歳以上かつ体重30kg以上の小児にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。 〈潰瘍性大腸炎〉 導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして45mgを1日1回8週間経口投与する。なお、効果不十分な場合はさらに8週間投与することができる。 維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15 mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30 mgを1日1回投与することができる。 |
リンヴォックについて
アッヴィが自社開発したリンヴォックは、低分子の選択的JAK阻害剤で、複数の免疫関連疾患の治療薬として開発が進められています。本剤は機能的選択性を示し、JAK2のペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1またはJAK1/3を介するシグナル伝達を優先的に阻害します13。リンヴォックは2020 年 1 月に、既存治療で効果不十分な関節リウマチの患者さんに対する治療薬として日本における製造販売承認を取得しました。また、2021 年5月には既存治療で効果不十分な関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、同年8月には、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎、2022年5月には既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎に対する治療薬として、適応追加承認を取得しました。
消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
日本においては、1,400人を超える社員が、医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事しています。免疫疾患、肝疾患、神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいます。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。FacebookやYouTubeでも情報を公開しています。
1.A Study to Evaluate the Long-Term Safety and Efficacy of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Ulcerative Colitis (UC). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03006068. Accessed on September 1, 2022.
2.A Study of the Efficacy and Safety of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (U-Accomplish). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03653026. Accessed on September 1, 2022.
3.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib (ABT-494) for Induction and Maintenance Therapy in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (UC). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635. Accessed on September 1, 2022.
4.難病情報センター 潰瘍性大腸炎(指定難病97) https://www.nanbyou.or.jp/entry/62 2022年9月1日確認
5.厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 総括研究報告書(平成28年度) https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2016/162051/201610028A_upload/201610028A0005.pdf 2022年9月1日確認
6.Gajendran M, Loganathan P, Jimenez G, et al. A comprehensive review and update on ulcerative colitis. Dis Mon. 2019 Dec;65(12):100851.
7.Rutgeerts P, Sandborn WJ, Feagan BG, et al. Infliximab for induction and maintenance therapy for ulcerative colitis. N Engl J Med. 2005;353(23):2462-76.
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10.Sandborn WJ, Feagan BG, Marano C, et al. Subcutaneous golimumab induces clinical response and remission in patients with moderate-to-severe ulcerative colitis. Gastroenterology. 2014;146(1):85-95; quiz e14-5.
11.Australian Crohn’s and Colitis Association (ACCA). The economic costs of crohn’s disease and ulcerative colitis. 2007 Jun.
12.Romano C, Syed S, Valenti S, Kugathasan S. Management of acute severe colitis in children with ulcerative colitis in the biologics era. Pediatrics. 2016 May;137(5):e20151184. doi: 10.1542/peds.2015-1184.
13.RINVOQ [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG; May 2021. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf