成人クローン病患者の治療薬として、スキリージ(R)点滴静注600mgなどの日本における製造販売承認を取得

アッヴィのプレスリリース

アッヴィ、中等症から重症の成人クローン病患者さんに対する治療薬として、スキリージ(R)点滴静注600mgおよびスキリージ(R)皮下注360mgオートドーザーの日本における製造販売承認を取得

ー スキリージ(R)IL-23を選択的に阻害する生物学的製剤であり、本承認により5番目の適応症を取得

ー 中等症から重症の活動性クローン病患者さんを対象とした、複数の第III相国際共同試験のデータから得られた結果に基づく承認1,2

ー これらの試験において、スキリージ群は寛解導入療法および維持療法のいずれにおいても、プラセボ群と比較し内視鏡的改善および臨床的寛解の有意な改善を示す1,2

ー クローン病は10代、20代での発症が多く、患者数が増加傾向にある指定難病3,4

ー アッヴィはスキリージを含む3製品の提供を通じて、クローン病を含むIBD患者さんに貢献

 

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長 : ジェームス・フェリシアーノ)は、本日、中等症から重症の成人クローン病患者さんに対する治療薬として、スキリージ(R)点滴静注600mgおよびスキリージ(R)皮下注360mgオートドーザー(以下「スキリージ」)の日本における製造販売承認を取得しました。スキリージはIL-23を選択的に阻害する生物学的製剤です。

 

本承認により、スキリージは日本において、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬と乾癬性紅皮症に続く5番目の適応症を得ました。本承認は、中等症から重症の活動性クローン病患者さんを対象とした、複数の第III相国際共同試験のデータから得られた結果に基づいています1,2。これらの試験において、スキリージ群は寛解導入療法および維持療法のいずれにおいても、プラセボ群と比較し内視鏡的改善および臨床的寛解の有意な改善を示しました[内視鏡的改善は、簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインから50%超の低下、または病変が回腸に限局しており、ベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインから2点以上の低下と定義。臨床的寛解は、平均1日排便回数が2.8 回以下でベースラインより悪化していない、かつ平均1日腹痛スコアが1以下でベースラインより悪化していないと定義]1,2

 

クローン病は、10代、20代での発症が多く、日本国内における患者数は約7万人と推定され、年々増加傾向にある指定難病です3,4。胃腸(または消化器)管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や、腹痛、直腸出血をきたす慢性、全身性の疾患です5,6,7。進行性の疾患であり、時間経過とともに悪化します6,7。さらにクローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面でも大きな負担となることもあります8。クローン病は、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返すことが多く、長い経過の中で重症化し、入院や手術が必要になることも少なくありません。

 

そのため、クローン病の治療では、できるだけ早期に治療をはじめ、疾患をコントロールして症状が落ち着いている状態(寛解)を維持し、患者さんの生活の質(QOL)を高めることが重要です。しかし、現状の治療法では初期治療が奏功しない一次無効や、治療奏功後に時間の経過と共に効果が減弱する二次無効となる患者さんも存在します9-21

 

本承認取得により、こうしたクローン病患者さんのアンメットニーズに応える新たな治療選択肢の提供が可能となります。さらに、アッヴィは潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域に対して、スキリージに加えて、ヒュミラ、リンヴォックの3製品の提供を通じて、IBD患者さんに貢献してまいります。

 

スキリージ(R)点滴静注600mg製品概要

販売名

スキリージ(R)点滴静注600mg

一般名

リサンキズマブ(遺伝子組換え)

効果又は効能

中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法および用量

通常、成人にはリサンキズマブ(遺伝子組換え)として、600mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)点滴静注する。なお、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与製剤による維持療法開始16週以降に効果が減弱した場合、1200㎎を単回点滴静注することができる。

 

スキリージ(R)皮下注360 mgオートドーザー製品概要

販売名

スキリージ(R)皮下注360㎎オートドーザー

一般名

リサンキズマブ(遺伝子組換え)

効果又は効能

中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法および用量

リサンキズマブ(遺伝子組換え)の点滴静注製剤による導入療法終了4週後から、通常、成人にはリサンキズマブ(遺伝子組換え)として360mgを8週間隔で皮下投与する。

 

スキリージについて

スキリージはインターロイキン-23(IL-23)のサブユニットp19に結合し、IL-23を選択的に阻害するヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤です。日本において、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を有する患者さんの治療薬として、2019年3月に製造販売承認されました。

 

スキリージは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で開発され、アッヴィが世界的にリサンキズマブの開発と販売を主導しています。

 

消化器領域におけるアッヴィについて

潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookInstagramYouTubeLinkedInでも情報を公開しています。

 

日本においては、1,400人を超える社員が、医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事しています。免疫疾患、肝疾患、神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいます。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。FacebookYouTubeでも情報を公開しています。

 

 

1.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn’s Disease. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03105128. Accessed on September 1, 2022.

2.A Study of the Efficacy and Safety of Risankizumab in Participants With Crohn’s Disease. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03105102. Accessed on September 1, 2022.

3.難病情報センタークローン病(指定難病96) https://www.nanbyou.or.jp/entry/81. 2022年9月1日確認

4.厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 総括研究報告書(平成28年度)https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2016/162051/201610028A_upload/201610028A0005.pdf. 2022年9月1日確認

5.Kaplan G. The global burden of IBD: from 2015 to 2025. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2015 Dec;12(12):720-7. doi: 10.1038/nrgastro.2015.150.

6.The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn’s & Colitis Foundation of America. 2014. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf. Accessed on September 1, 2022.

7.Crohn’s disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. 2020. Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304. Accessed on September 1, 2022.

8.The Economic Cost of Crohn’s Disease and Ulcerative Colitis. Access Economics Pty Limited. 2007. Available at: https://crohnsandcolitis.org.au/wp-content/uploads/2022/02/Deloitte-Access-Economics-Report.pdf. Accessed on September 1, 2022.

9.Colombel JF, Sandborn WJ, Rutgeerts P, et al. Adalimumab for maintenance of clinical response and remission in patients with Crohn’s disease: the CHARM trial. Gastroenterology. 2007;132(1):52-65.

10.Hanauer SB, Feagan BG, Lichtenstein GR, et al. Maintenance infliximab for Crohn’s disease: the ACCENT I randomised trial. Lancet. 2002;359(9317):1541-9.

11.Hanauer SB, Sandborn WJ, Rutgeerts P, et al. Human anti-tumor necrosis factor monoclonal antibody (adalimumab) in Crohn’s disease: the CLASSIC-I trial. Gastroenterology. 2006;130(2):323-33; quiz 591.

12.Sandborn WJ, Feagan BG, Stoinov S, et al. Certolizumab pegol for the treatment of Crohn’s disease. N Engl J Med. 2007;357(3):228-38.

13.Targan SR, Hanauer SB, van Deventer SJ, et al. A short-term study of chimeric monoclonal antibody cA2 to tumor necrosis factor alpha for Crohn’s disease. Crohn’s Disease cA2 Study Group. N Engl J Med. 1997;337(15):1029-35.

14.Ha C, Kornbluth A. Vedolizumab as a treatment for Crohn’s disease and ulcerative colitis. Gastroenterol Hepatol (N Y). 2014;10(12):793-800.

15.Peyrin-Biroulet L, Danese S, Argollo M, et al. Loss of response to vedolizumab and ability of dose intensification to restore response in patients with crohn’s disease or ulcerative colitis: A Systematic Review and Meta-analysis. Clin Gastroenterol Hepatol. 2019;17(5):838-46 e2.

16.Feagan BG, Sandborn WJ, Gasink C, et al. Ustekinumab as induction and maintenance therapy for Crohn’s disease. N Engl J Med. 2016;375(20):1946-60.

17.Hindryckx P, Novak G, Bonovas S, et al. Infection risk with biologic therapy in patients with inflammatory bowel disease. Clin Pharmacol Ther.2017;102(4):633-41.

18.Lichtenstein GR, Hanauer SB, Sandborn WJ. Risk of biologic therapy-associated progressive multifocal leukoencephalopathy: use of the JC virus antibody assay in the treatment of moderate-to-severe Crohn’s disease. Gastroenterol Hepatol (N Y). 2012;8(11 Suppl 8):1-20.

19.Lin SC, Goldowsky A, Papamichael K, et al. The treatment of inflammatory bowel disease in patients with a history of malignancy. Inflamm Bowel Dis. 2019;25(6):998-1005.

20.Van Assche G, Lewis JD, Lichtenstein GR, et al. The London position statement of the World Congress of Gastroenterology on Biological Therapy for IBD with the European Crohn’s and Colitis Organisation: safety. Am J Gastroenterol. 2011;106(9):1594-602.

21.Lichtenstein GR, Loftus EV, Isaacs KL, etal. ACG Clinical Guideline: Management of Crohn’s Disease in Adults. Am J Gastroenterol. 2018;113(4):481-517.

 

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