コーセー 米グラッドストーン研究所の山中伸弥研究室に研究員を派遣し、「若返り研究」を推進

株式会社コーセーのプレスリリース

 株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、世界トップレベルの医学研究で知られるグラッドストーン研究所(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)の上席研究員・山中伸弥博士が主宰する山中研究室へ研究員1名を派遣し、「若返り研究」をともに推進していくことで合意しました。山中博士は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)名誉所長兼教授も務めています。

  • 研究員派遣の狙い

 グラッドストーン研究所の山中伸弥上席研究員率いる世界トップレベルの研究室に研究員を派遣することで、最先端の研究アプローチを習得し、当社研究所の基礎研究力の向上に繋げます。また、これまでも当社はiPS細胞(※1)や世界的にも稀な同一人物由来の加齢モデル細胞(※2)を用いた老化研究を行ってきましたが、さらに今回の「若返り研究」の知見を取り入れることで、業界に先駆けた新たな化粧品やサービスの開発を進めていきます。
(※1),(※2)末尾の「キーワード解説」を参照

  • 山中上席研究員コメント

 「グラッドストーン研究所に日本企業のコーセーから研究者をお迎えすることを嬉しく思います。今後も、日米の研究交流に微力を尽くします。」

  • グラッドストーン研究所とは

 グラッドストーン研究所は、独立した非営利のライフサイエンスの研究機関であり、先見性のある科学技術を駆使して、医療、経済、社会に多大な影響を与える、未だに治療法が確立されていない疾患の克服を目指しています。同研究所は米国カリフォルニア州サンフランシスコにて1979年に設立された世界トップレベルの医学研究所であり、スタンフォード大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校およびバークレー校など、ベイエリアの主要学術機関と提携関係を結んでいます。山中伸弥博士は、2007年からグラッドストーン研究所で上席研究員として研究室を主宰しています。

  • 今後の展望

 グラッドストーン研究所の山中伸弥研究室と当社が、同一人物由来の加齢モデル細胞などを用いた研究を推進することにより、これまで解明されていなかった加齢変化の仕組みを発見・解析できることが期待されます。そうして加齢の新たなメカニズムを解き明かすことで、老化に関する知見を蓄積し、よりお客さまのニーズに応える化粧品やサービスの開発に応用していきます。

  • キーワード解説

(※1)iPS 細胞
 iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、京都大学山中伸弥教授らによって作製された、様々な組織や臓器の細胞に分化し、ほぼ無限に増殖する万能性をもった幹細胞のひとつです。iPS 細胞の研究が進むことで、病気の原因の解明、新薬の開発、細胞移植治療などの再生医療に活用できることが期待されています。

(※2)同一人物由来の加齢モデル細胞
 30年以上もの歳月をかけ、同一人物の皮膚から36歳、47歳、56歳、62歳、67歳の時点で採取された細胞系列。同一人物ゆえ、個人差の影響がなく“加齢”という因子のみを反映した細胞から構成されているため、加齢に伴い進行するさまざまな変化やメカニズムを正確に調べることができる、世界でも希少な細胞系列です。

  • 参考:iPS細胞と関連性の高いこれまでの当社の老化研究

 これまでコーセーは、「若返り研究」の一環として、同一人物から36~67歳にわたり採取した皮膚線維芽細胞と、それらから作製したiPS細胞を解析・評価し、皮膚老化の研究に取り組んできました。分化した細胞から未分化のiPS細胞に初期化することによって、老化した全ての細胞のテロメア(細胞分裂するたびに短くなる染色体の末端部分)の長さが回復することを報告しています(※3)。また、別のアプローチとして、皮膚線維芽細胞をiPS細胞を経て新たな皮膚線維芽細胞へ分化誘導することに成功し、このiPS 細胞から誘導した皮膚線維芽細胞は元の細胞に比べてミトコンドリアの質が回復することを報告しました(※4)。
(※3)2014年10月15日発行ニュースリリース 
 http://www.kose.co.jp/company/ja/content/uploads/2016/03/20141015.pdf
(※4)2018年5月30日発行ニュースリリース 
 https://www.kose.co.jp/company/ja/content/uploads/2018/05/20180530.pdf

 

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。