移動時間の質向上を目指す「LOCOTOMO」実証事業開始

ロコモ チャレンジ!推進協議会のプレスリリース

 ロコモ チャレンジ!推進協議会(所在地:東京都文京区、委員長:大江隆史、以下「本会」)は、ロコモティブシンドローム※1普及啓発のため、「移動時間の質向上」を目指す新サービス「LOCOTOMO(ロコトモ、以下LOCOTOMO)」の実証事業を開始いたします。LOCOTOMO はブルーキャブグループ(本社:長崎県佐世保市、代表取締役:円田真、以下「ブルーキャブ」)および一般社団法人REPORT SASEBO(所在地:長崎県佐世保市、代表:中尾大樹、以下「リポート」)との共創による旅支援サービスです。

 本会では2010 年の設立以来、日本国民の健康寿命延伸への貢献を目指し、ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)啓発施策を行ってまいりました。ロコモは、高齢者だけでなく子供や中高年の健康にも関わる全年齢的な課題であり、昨今は、新型コロナウイルス感染症流行による健康二次被害としても危惧されているにもかかわらず、近年、その認知度は日本全体で40%台※2 にとどまっています。本会では全年代におけるロコモ認知度向上ならびにロコモに関連する課題解決に向け、様々な自治体、組織・団体との連携・協働を行っております。

 この度、本会は「旅が持つ力」に着目し、タクシー事業者と地域活性事業者とともに「移動時間の質向上」に資するサービス創出に取り組みます。旅においては、必ず「移動」が必要となります。自分自身の足でしっかり歩けることは、旅先での移動不安の解消につながります。ロコモ対策を行い、旅に備えて体力をつけたり、足腰の健康保持・増進の意識を高めたりすることで旅をより安全に楽しむことができます。一方、旅では利用する交通機関も重要な要素となります。例えば、電車やバスの移動では時刻表に合わせる等の時間的制約が、自動車であれば不慣れな道を運転しなければならない不安や、同乗者との会話ができない・風景を楽しめないなどの心身の制約を受ける可能性も考えられますが、タクシーを利用することで、これらの不安や不満の軽減が期待されます。さらに、タクシードライバーがもつ知識や地域との関係性を活かすことで、移動するだけでなく、ドライバーとの会話や地域ならではの風景を楽しむことが可能となります。

 「LOCOTOMO」は2022 年10 月から12 月にかけての実証事業を通じて複数名の方にモニター利用をいただき、サービスが目指す価値の提供実現が可能かを確認・検証し、2023 年以降本格実装を目指します。

■本サービスの実施概要

 

 

旅をもっと楽しく健やかに。

その土地を知る楽しさを、
景色を楽しむ感動を、
家族や友人、地域の人々との
かけがえのない思い出を。

旅先でアクティブに身体を動かすことで
より健やかな毎日へとつなげていく。

旅の時間に新しい価値を生み出していく
LOCOTOMOがスタートします。

■「LOCOTOMO」が本事業において実証すること
① タクシードライバーによる旅行者支援サービス
本サービスでは、タクシードライバーによる地域体験サポートを行います。タクシーを交通機関・移動手段としてとらえるのみならず、「移動時間を『旅をより豊かにする時間』」にできるよう、タクシードライバーと乗客とのコミュニケーション活性を促進します。具体的には旅の前にタクシードライバーと旅行者にてオンラインミーティングを行い、ドライバーが旅行者の不安や希望事項をヒアリングし、旅行者の足腰の健康状態に寄り添った観光情報や地域特性により留意すべきポイントなどを情報提供します。旅当日も、ドライバーとの会話やより天候等に応じた望ましいドライブルートの設定により、移動時間の質向上を図ります。旅先での身体・交通手段・地域における移動不安を解消するためのサービスです。

② 旅前後のロコモ対策意識向上
旅前後には本会担当者より旅行者へロコモ対策情報を合わせて提供します。旅をより楽しむための基礎となる自身の足腰の健康の把握と維持・改善を目的として、本会が提唱する「ロコモ度テスト」「ロコモ年齢」「ロコトレ」※3 をご紹介します。ロコモ対策の側面で、旅行者を支援できる情報の提供を行います。

③ タクシードライバーへのロコモ対策情報提供
タクシードライバーは運転作業等によって長時間の姿勢拘束下で振動にばく露するため、腰部に過度の負担がかかり腰痛が発生しやすくなると言われています※4 本施策では、旅行者のみならず、タクシードライバーへも本会からロコモ対策情報を提供します。タクシードライバーの足腰の健康を保持・改善することで、持続的なサービスの実現を行います。

 本サービスは、利用者の旅前後の移動機能保持・改善や、旅中での身体活動量の増加のほか、地域における交通課題の解消も目指し、開発を進めてまいります。

※1:ロコモティブシンドローム(運動器症候群)。運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態。進行すると介護が必要になるリスクが高まります。
※2:出典:https://www.bjd-jp.org/bone-and-joint#locomo
※3:「ロコモ度テスト」「ロコモ年齢」「ロコトレ」の詳細は本会 WEB サイト「ロコモオンライン」をご覧ください。https://locomo-joa.jp/
※4:舟越光彦, 田村昭彦, 垰田和史, 辻村裕次, 西山勝夫. タクシー運転手の腰痛に関連する要因の研究. 産業衛生学雑誌 Vol.45 No.6 235-247 (2003)
https://doi.org/10.1539/sangyoeisei.45.235

 本会では、ロコモ啓発・普及における協働者を広く募集しております。自治体、組織・団体等内にてロコモ啓発を行っていただける方は、本会事務局までご連絡をお願いいたします。幅広い方からのご興味をいただけることをお待ちしております。

参考資料
<運動器図解>

 

  左の図は運動器を図解したものです。運動器とは身体活動を担う筋・
  骨格・神経系の総称であり、筋肉、腱、靭帯、骨、関節、神経(運動・
  感覚)、脈管系などの身体運動に関わるいろいろな組織・器官によっ
  て構成されており、その機能的連合が運動器です。筋・骨格・神経系
  の組織・器官にはそれぞれに独自な作用・機能がありますが、それら
  が密接に連動・連携して運動器としての役割を発揮しています。

出典:公益社団法人 日本整形外科学会HP

<公益社団法人日本整形外科学会について>
日本整形外科学会は1926 年(大正15 年)、「整形外科学に関する研究発表、連絡、提携および研究の促進を図り、整形外科学の進歩普及に貢献し、もって学術文化の発展に寄与すること」を目的に設立されました。平成23 年4 月1 日に公益社団法人日本整形外科学会となりました。その目的は「整形外科学及び運動器学について調査、研究を行い、整形外科学及び運動器学の進歩普及に貢献し、もって国民の健康、疾病の予防、スポーツ医学等を通じた国民の心身の健全な発達、障害者の支援、高齢者の福祉の増進及び公衆衛生の向上に寄与すること」です。目的を達成するために行う事業として、研究の奨励及び調査の実施、専門医及び研修施設の認定、医療保険制度・介護保険制度・障害者(児童)福祉制度に関する調査・研究及び提言、一般市民向けの広報などがあります。学会がめざすところは、運動器の機能の維持・改善を支援することです。そして、このために必要な診断能力をもち、適切な医療を提供することができる専門医を育成することです。適切な医療には運動療法や薬物治療などの保存的治療、そして手術治療を含みます。日本整形外科学会は、公益社団法人として今後一層、整形外科学、運動器学の発展に寄与してまいります。

<ロコモ チャレンジ!推進協議会について>
ロコモティブシンドロームを、医療・企業・行政の枠を超えて社会的に取り組むテーマであると考え、広くロコモを啓発し、ロコモに負けない社会をつくるため、日本整形外科学会と株式会社博報堂が立ち上げた任意団体です。(委員長:大江隆史、所在地:東京都文京区本郷2-40-8)。「ロコモ チャレンジ!推進協議会」では、ロコモティブシンドロームに関する正しい知識の普及と予防意識の啓発を行います。協議会では、会員企業・団体を募り、連携のうえロコモ予防を社会運動化していきます。
■活動内容:
―ロコモティブシンドロームの予防・啓発のための広報活動
―「ロコモ チャレンジ!」のワード、ロゴマーク使用の認証管理
―「ロコモ チャレンジ!」公式WEB サイト、ロコモONLINE(http://locomo-joa.jp)の運営・管理
―会員企業・団体と連携した広報活動 等

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