微細藻類ユーグレナの継続的な摂取が、免疫の維持や調整を介して感冒症状(かぜ様症状)の発生および諸症状の重症化を抑制することを ヒト臨床試験によって確認しました

株式会社ユーグレナのプレスリリース

 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:出雲充)は、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)の継続的な摂取が、免疫の維持や調整を介して、感冒症状(かぜ様症状)の発生および諸症状の重症化を抑制することを、ヒト臨床試験によって確認しました。なお、今回の研究成果は、「第27回日本フードファクター学会学術集会」(2022年10月22〜23日開催)で発表しました。

■研究の目的
 免疫の働きのひとつとして、生体内に侵入してきた病原体やウイルスなどを排除し、体内を正常に保つことがあげられます。しかし、免疫は、疲労、ストレス、加齢などによって低下するため、免疫を維持し、調整することが重要となります。例えば、免疫が低下すると、体内に侵入する病原体やウイルスなどを排除することができず、風邪やインフルエンザなどの感冒症状(かぜ様症状)の発生リスクや重症化リスクが高まります。近年では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、免疫に対する意識が高まっています。

 当社はこれまでの研究を通じて、ユーグレナの継続摂取により、主に、ユーグレナに含まれるパラミロン※1 を関与成分のひとつとして、免疫バランスを保ち、インフルエンザウイルス感染症状を緩和する可能性※2,3 など、免疫が関わる諸症状の緩和について報告してきました。さらに、その作用メカニズムのひとつとして、パラミロンが腸管内の抗原提示細胞の一種である樹状細胞に直接作用する可能性※4、パラミロン高含有ユーグレナが、樹状細胞などからの抗原提示で活性化されるT細胞やB細胞を活性化する可能性※5 を確認してきました。また、独自のゲノム編集技術により作出した「パラミロンを蓄積しないユーグレナ」を活用した実験では、T細胞やB細胞の活性化がみられなかったことから、ユーグレナの免疫調整機能の主成分がパラミロンであることを確認※5 しています。
 本研究では、これまで確認されてきたユーグレナおよびパラミロンの免疫への関与を、健常な日本人成人男女を対象として、ユーグレナの継続的な摂取が感冒症状(かぜ様症状)に及ぼす影響について検討しました。
※1 微細藻類ユーグレナ特有の成分で、きのこなどに含まれる β-グルカンと呼ばれる細胞内貯蔵物質として生成される多糖類であり、食物繊維の一種
※2 2015 年2月9日付のリリース https://www.euglena.jp/news/n20150209/
※3 2017 年11月1日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20171101-2/
※4 2020 年3月30日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20200330/
※5 2022 年3月23日付のリリース https://www.euglena.jp/news/20220323-3/

 

■研究の内容と結果

ユーグレナの継続的な摂取が、免疫の維持や調整を介して、感冒症状(かぜ様症状)の発生を抑制することが示唆されました

 21歳から82歳までの健常な日本人成人男女213名を、ユーグレナ含有食品摂取群もしくはプラセボ食品摂取群の2群に分け、ランダム化プラセボ対照二重盲検※6並行群間比較試験にて、2022年1月より、1日 1,000mgを8 週間、毎朝継続摂取した際の感冒症状(かぜ様症状)に及ぼす影響を確認しました。

 その結果、プラセボ食品摂取群と比較して、ユーグレナ含有食品摂取群では、8週間中に感冒症状(かぜ様症状)があらわれた日の累積日数※7が有意に少なくなりました(図 1)。また、感冒症状(かぜ様症状)の中でも特に鼻閉、のどの痛み、疲労などの個別の症状における摂取5週目から摂取8週目の4週間中の重症度※8においても、ユーグレナ含有食品摂取群の方がプラセボ食品摂取群よりも有意に低くなりました(図2)。

※6 試験を行う評価者(医師・スタッフ)と被験者の双方が、それぞれのグループがどの試験食を食べているのかわからない状態にして行う試験。より信頼性が高い結果が得られるとされている

※7 累積日数の平均値。全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、関節痛、筋肉痛について、1.「全くない」、2.「ほとんどない」、3.「少しだけある」、4.「多少はある」、5.「ひどい」の 5 段階で回答し、3~5 のいずれかを回答した場合を「症状あり」とした。さらに、「症状あり」がいずれか1つ以上あった場合を感冒症状ありとし、累積日数を確認した

※8 全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、疲労、くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、関節痛、筋肉痛、それぞれの項目について、1.「全くない」、2.「ほとんどない」、3.「少しだけある」、4.「多少はある」、5.「ひどい」の5段階で回答し、重症度を確認した 

図1:ユーグレナの継続摂取による感冒症状(かぜ様症状)の累積日数への影響
※Welchのt検定, *p<0.05

図 2:ユーグレナの継続摂取による感冒症状(かぜ様症状)諸症状の重症度への影響

※Welchのt検定, *p<0.05

 

 以上のことから、ユーグレナの継続摂取が免疫の維持や調整を介して、感冒症状(かぜ様症状)の発生を抑える可能性が示されました。
 

 当社では、からだが本来もつ「つくる・はたらく・まもる」のサイクルを支えるユーグレナの可能性のさらなる解明と、ユーグレナおよびその含有成分の健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、研究開発を行っていきます。

 

<ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>

ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。

 

<株式会社ユーグレナについて>

2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナ GENKI プログラム」を継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、 事業を展開。https://euglena.jp 

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