ナノエッグが「アトピー性皮膚炎治療のための新規低分子治療薬」の特許取得

ナノエッグのプレスリリース

「すべては皮膚科学から」をコンセプトに、皮膚のDDS(ドラッグデリバリーシステム)技術を中核とした「注射針を使わない医療」の実現を目指し、医療機関での研究試薬ならびに化粧品の開発を手がける株式会社ナノエッグ(本社:東京都港区、代表取締役 山口葉子)は、「アトピー性皮膚炎治療のための新規低分子治療薬」を発明、特許を取得しました。

過剰な免疫反応で皮膚のバリア機能が低下し、皮膚の炎症と激しい痒みを発症して、良くなったり悪くなったりを繰り返すアトピー性皮膚炎。
これまでは、ステロイドや免疫抑制剤であるタクロリムス軟膏といった、炎症を抑える薬剤塗布に保湿などのスキンケアが基本的な治療法でした。
ところが2018年以降、痒みのメカニズムが明らかになり、病態理解の進展によって新薬が続々と誕生。
治療の選択肢が広がっていると言われています。
しかし、詳細な発症メカニズムについては様々な説が提唱されているものの、未だ明確にはされておらず、根本的な治療法発見には至っていないのが現状。

ナノエッグの代表であり研究開発本部長 Ph.D.山口葉子は、自身の子供のアトピーケアに悩んだ経験をもとに、研究者の使命として、アトピー性皮膚炎の発症メカニズムの解明と新たな治療薬の研究開発に取り組んできました。
鋭意研究を重ねた結果、ナノエッグはアドレナリン受容体の作動薬(アゴニスト)に着目。
アトピー性皮膚炎治療に有効であることを見出し、「アトピー性皮膚炎を治療または予防するための組成物」を発明、特許を取得いたしました。
 

  • 【アドレナリン受容体における皮膚の反応】

■皮膚細胞にはアドレナリン合成能があり、皮膚の恒常性に関与していると考えられる。
■実際、健常者の皮膚においてはアドレナリン受容体、特にβ2の遮断薬が皮膚のバリア機能の回復を早めることが報告されている(1)(2)。
■アトピー患者においては、ノルアドレナリン・アドレナリンの産生、及び分解に関わる酵素の発現異常が報告されており、血中ノルアドレナリンの上昇とアドレナリンの低下が確認されている(1)。
■一部の患者においてはアドレナリン受容体遺伝子に変異がみられ、アドレナリンに対する反応性が低下していることも報告されている(1)。

これらの知見は、アドレナリン受容体が疾患に強く関与していることを示唆しています。
そこでナノエッグは、アドレナリン受容体作動薬(アゴニスト)及び遮断薬(アンタゴニスト)の評価を実施。
作動薬(アゴニスト)が治療効果を示すことを立証し、更にアドレナリン類似骨格を持つ分子構造が、アトピー性皮膚炎の治療薬候補になり得ることを究明しました。

こうしてナノエッグは、「アトピー性皮膚炎治療のための新規低分子治療薬」特許取得に至りました。
 

  • 【発明の概要】

■特許番号:特願2020-521781
■発明の名称:アトピー性皮膚炎を治療または予防するための組成物

今後、薬が治療効果を及ぼす仕組みについて詳細に解析し、より効果的なアトピー性皮膚炎治療薬の開発を目指してまいります。

参考文献:
(1) J. Invest. Dermatol. 2006 Sep;126(9):1948-65.
(2) J. Invest. Dermatol. 2003 Jul;121(1):142-8.
 

  • 【株式会社ナノエッグについて】

聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターのDDS研究室から、2006年に創業。有用性が高く、副作用の少ない薬剤を必要なところで効率よく作用させる技術『DDS 〔ドラッグデリバリーシステム〕』や、皮膚の難治性疾患の創薬研究を推進。
アトピー性皮膚炎の原因探索研究及び完治を目的とした新たな治療法や、肌に塗る・貼るだけの「針のない」ワクチン開発などを構想、皮膚科学研究から医療のブレークスルーを起こすことを目指しています。
社 名:株式会社ナノエッグ
代表者:代表取締役 山口葉子
本 社:東京都港区赤坂7-1-15 アトム青山タワー5F
研究所所在地:神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-14 ナノ医療イノベーションセンター4F
設 立:2006年4月
事業内容:医薬品研究開発、医薬部外品・化粧品開発及び販売事業、医薬品基剤・化粧品配合原料販売事業
コーポレートサイト: https://www.nanoegg.co.jp/
ナノエッグオンラインショップ: https://www.nanoegg.jp/

 

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