~アデランス産学連携~第12回癌・炎症と抗酸化研究会(CIA研究会)においてアデランスがランチョンセミナーを共催 

株式会社アデランスのプレスリリース

 毛髪・美容・健康のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 津村 佳宏)は、2022年11月19日(土)にホルトホール大分(大分県大分市)において開催された癌・炎症と抗酸化研究会(CIA研究会)で、アデランスがスポンサーシップをとるランチョンセミナーを共催しました。

 大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授の河野 洋平先生と、医療法人八宏会有田胃腸病院 副院長、大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 客員准教授の平塚 孝宏先生が講演し、大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授の猪股 雅史先生が司会を務めました。

 癌・炎症と抗酸化研究会(CIA研究会)は大分大学が中心となり、内視鏡治療の世界的な権威である大分大学 北野 正剛学長が代表世話人を務め、この分野ではトップクラスの研究実績を有する大学や病院・企業が参加する医学研究会です。癌や炎症にかかわる様々なテーマについて生体の根源的な現象である「抗酸化」の観点から、病態解明および新たな治療法開発を目指して研究を推進しています。第12回となる今回の研究会ではセミナーのテーマを「抗がん剤脱毛に対する治療戦略」として開催され、アデランスが本研究会に共催するのは7回目となります。

左から平塚先生、猪股先生、河野先生左から平塚先生、猪股先生、河野先生

 アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携にて毛髪関連の研究に積極的に取り組んでおります。
 その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪関連業界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。

■アデランスランチョンセミナー 講演概要
テーマ
 「抗がん剤脱毛に対する治療戦略」
司会
 大分大学医学部 消化器・小児外科学講座 教授 猪股 雅史先生

演題1
演者
 大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 准教授 河野 洋平先生
演題
 抗がん剤脱毛病態に基づく治療戦略 ―毛包周囲環境への多角的アプローチ―
講演内容
 がん治療の進歩により、罹患後の生存期間が延長し、働きながら外来通院治療を継続する患者も増えた現代において、脱毛をはじめとする外見の症状に対するケアは従前にも増してその研究の重要性と社会的な意義が高まっている。これまで我々は抗がん剤脱毛皮膚における病態の解明や、抗酸化物質αリポ酸誘導体の脱毛に対する有用性を報告してきた。今回、これまでの基礎・臨床研究結果に基づく新しい治療戦略を提唱する。
 我々は動物モデルにおいて抗がん剤投与後の皮膚毛包周囲環境を観察し、血管透過性の亢進による抗がん剤の毛包周囲への漏出と続発する酸化ストレス・アポトーシス誘導を示した。一方、現在抗がん剤脱毛に対し臨床応用されている頭皮冷却は抗がん剤投与時の血管を収縮し血管透過性亢進を制御しうる。
 また、我々が注目する抗酸化物質αリポ酸誘導体の継続的経皮投与は酸化ストレスとアポトーシスを制御し、回復を早める。これらの作用点が異なる治療により効果的に脱毛を制御する治療戦略を検討するため、今回、抗がん剤投与後皮膚への皮膚冷却とαリポ酸誘導体経皮投与の効果について血管透過性に及ぼす影響を中心に評価した。
 本研究ではシクロフォスファミド誘発脱毛モデルを用いて検討し、皮膚冷却法およびαリポ酸誘導体経皮投与とも、脱毛後回復の促進および血管透過性亢進の抑制が観察され、またαリポ酸誘導体はシクロフォスファミド誘発血管内皮細胞アポトーシスも抑制した。今回、皮膚血管透過性の制御は脱毛治療における重要なポイントである可能性を示した。今後のより効果的な治療開発への発展を期待する。

河野先生による講演中の様子河野先生による講演中の様子

演題2
演者
 医療法人八宏会有田胃腸病院 副院長
 大分大学医学部 先端がん毛髪医療開発講座[アデランス] 客員准教授 平塚 孝宏先生
演題
 消化器がん患者の脱毛とαリポ酸誘導体の有用性
講演内容
 抗がん剤脱毛(CIA)に対する十分な予防法はなく、そのメカニズムも完全には解明されていないなか、大分大学によるαリポ酸誘導体の臨床試験において乳がん患者のCIAの回復促進効果が示された。一方、消化器がん患者におけるCIAはその程度が軽度とされ、注目されてこなかったものの、消化器がん患者のCIAによる精神的苦痛は乳がん患者同様に存在し不安も大きい。
 我々は胃がん、大腸がんに対する抗がん剤治療患者において、αリポ酸誘導体を使用し、CIAの肉眼的評価、頭髪直径に及ぼす影響を調査した。切除不能な進行胃がんに対するnabPTX+RAM、IRI、CapeOXを含む化学療法患者において、nabPTX+RAMを受けた患者ではグレード2の脱毛は観察されず、頭髪直径の有意な減少は観察されなかった。 またIRIを受けた患者の最大脱毛グレードは2であったが、IRI中止後1か月で発毛と直径の拡大が観察された。一方、S-1、SOX±BV、FOLFIRI+Cet、FOLFOX+Cetを含む切除不能な進行性大腸がんに対するCIA患者の最大脱毛グレードは1であり、S-1、SOX±BVを受けた患者の頭髪径は有意に増加した。
 αリポ酸誘導体は、消化器がんのCIA抑制効果が期待され、今後のより効果的な治療法開発がのぞまれる。

平塚先生による講演中の様子平塚先生による講演中の様子

学会概要
学会名称 :第12回癌・炎症と抗酸化研究会(CIA研究会)
当番世話人:大分大学医学部 神経生理学講座 教授 花田 礼子先生
会  期 :2022年11月19日(土)
会  場 :ホルトホール大分(大分県大分市)

 

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