【鈴鹿高専】兼松特命教授が科学と工学を駆使した新型コロナウイルス対策に関する研究を紹介!

独立行政法人国立高等専門学校機構のプレスリリース

​独立行政法人国立高等専門学校機構 鈴鹿工業高等専門学校(三重県鈴鹿市 校長:竹茂 求 以下「鈴鹿高専」という。)の兼松秀行特命教授はアメリカ合衆国ニューヨーク州北部にあるクラークソン大学のDana M. Barry教授とともに、新型コロナ対策に様々な工学分野から取り組む科学者たちの成果を編集し一冊の本にまとめて、Springer Nature社から発刊しました。ウイルスについての基本事項、またウイルスが引き起こす様々な感染症、そして様々な感染経路(ヒトからヒト、ヒトから他の生物、ヒトから生物以外を介した感染など)について、医学研究の視点だけでなく、他の科学分野の視点からも紹介・解説していることが大きな特徴で、ウィズコロナ、アフターコロナとなり、将来の新たなウイルスに備えていく必要のある現代において必携の書といえます。本書は、国立高等専門学校機構の社会実装を目指したGEAR 5.0プロジェクトの一環として作成され、日本政府、高専機構理事長、統括参事(執筆当時)、統括特命教授らに謹呈されました。

クラークソン大学の学長Marc P. Christensen博士(中央)に本を謹呈するDana M. Barry教授とZoomで報告する兼松秀行特命

  • 概要

 本書は、ウイルス、特にCOVID-19に関連する現在進行中の最先端研究の優れた事例を紹介するユニークな本です。編集はClarkson大学のDana M. Barry教授と高専機構の兼松秀行特命教授が行いましたが、両編集者と材料科学を含む様々な科学者によって執筆されました。ウイルス(生物の細胞内で複製する微小感染性物質)、ウイルスが引き起こす様々な感染症(ヒトからヒト、ヒトから他の生物、ヒトから物質を介した感染、など)について、医学研究の視点だけでなく、他の科学分野の視点からも紹介・解説しています。
 本書の大きな焦点は、COVID-19ウイルスです。COVID-19の進化、ウイルス粒子の空気感染、様々な物質によるウイルス拡散、排水検査によるウイルスの検出、ワクチンや治療薬の開発・試験、将来のウイルスやパンデミックへの備えなどがハイライトとなっています。その中には、米国で感染拡大の震源地となったニューヨークで見られたような、パンデミック時に非常に多くの遺体を適切かつ安全に収容するための葬儀サービスの改革も含まれています。
 本書は、様々なバックグラウンドを持つ技術者や研究者のためのガイドブック(実用書)としても、学術的な教科書としても、非常に有益な内容となっています。

 

竹茂求校長(写真左)に鈴鹿高専校長室にて本を謹呈し、内容を説明する兼松特命教授(写真右

著作名:
 Studies to Combat COVID-19 using Science
 (邦題:「科学と工学を駆使したCOVID-19対策に関する研究」)

 本書の詳細について:https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-19-1356-3#toc

編者名:
 Dana M. Barry教授 Clarkson University ※2
 兼松 秀行 特命教授(GEAR 5.0マテリアルユニットリーダー)鈴鹿高専※1

 

  • 今後の活動

 本書に関連した研究は鈴鹿高専の学生により現在も進められています。鈴鹿高専では中核技術として、抗菌・抗ウイルス・抗バイオフィルム材料評価開発プラットフォームを形成していますが、本書はその活動の成果を多く取り入れています。
 なお、研究活動は独立行政法人国立高等専門学校機構が運営する「GEAR5.0:未来技術の社会実装教育の高度化」プロジェクトの支援によって推進されています。

出典先
 https://www.asminternational.org/home/-/journal_content/56/10192/44928864/NEWS?
 
※1 GEAR5.0マテリアル
 https://www.suzuka-ct.ac.jp/gear-materials/
 
※2 クラークソン大学のDana M. Barry教授
 https://www.suzuka-ct.ac.jp/photo/2019061901/
 

  • 参考:兼松秀行特命教授の研究に関する過去の記事

・鈴鹿高専GEAR5.0マテリアルユニットリーダー兼松秀行特命教授がバイオフィルム制御に関する総説を発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000190.000075419.html

・【鈴鹿高専】GEARマテリアル中核鈴鹿高専の抗菌・抗ウイルス・抗バイオフィルム材料評価プラットフォームを利用した“ぬめりの評価装置”有効性を確認.社会実装へ学生の研究に活用!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000075419.html

製品のウイルス感染力新評価法を使って新材料開発によるウイルス撃退の可能性に光!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000075419.html
 

  • 鈴鹿工業高等専門学校について

 鈴鹿高専は、全国12の一期校のひとつとして設立された歴史ある学校で、これまでの50年間に卒業した7、300人余りの卒業生は技術者や研究者あるいは企業家として社会で活躍し、産業界の方々から高い評価を受けています。また、平成5年には、科学技術の一層の進展と本格的な国際化時代の到来に対応するため、さらに2年間の高度な専門教育を実施するための「専攻科」を設置して国際社会で活躍できるエンジニアの育成に努めています。

【学校概要】

学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 鈴鹿工業高等専門学校
所在地:三重県鈴鹿市白子町
校長名:竹茂 求
設立:1962年
URL:https://www.suzuka-ct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関

【本リリースに関するお問い合わせ先】
独立行政法人国立高等専門学校機構
鈴鹿工業高等専門学校
総務課総務企画係
TEL:059-368-1717(平日8:30-17:00)
e-mail:chiiki@jim.suzuka-ct.ac.jp

~2022年度、高等専門学校制度は創設60周年の節目を迎えました~
https://www.kosen-k.go.jp/Portals/0/60th/

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