株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのプレスリリース
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、男性の肌上の光沢や黄ぐすみが印象に与える影響について、以下の2点を明らかにしました。
① 頬全体に柔らかい光沢(※1)がある顔は、ツヤを感じ、頬上部に鋭い光沢(※2)がある顔はテカリを感じる
② ツヤがあり、さらに黄ぐすみのない顔は、清潔感、爽やかさ、若々しさの印象が高い
※2 中央部から辺縁部に向けて、輝度が急激に低下する状態
●男性の肌上の光沢や黄ぐすみの印象変化に着目
女性を対象とした研究では、肌上での光の反射による光沢(ツヤ、テカリ)や、加齢による黄ぐすみが人物の印象に影響を与えることが明らかにされています。一方、男性においては、代表的な肌悩みが「テカリ」であることから、テカリ抑制にばかり意識が注がれているのが現状です。また、光沢と黄ぐすみが印象に与える影響もほとんど研究されていません。そこで本研究では、男性における「ツヤ」と「テカリ」の見え方の違いを確認した後、その違いや「黄ぐすみ」の有無が顔の印象に与える影響を調べることとしました。なお評価する印象は、男性のなりたい印象として上位に挙がる「清潔感」「爽やかさ」「若々しさ」の3つとしました。
●光沢の違いがツヤとテカリの感じ方を変化させる (図1および補足資料)
まず、テカリやツヤと認識される光沢の特徴を調査しました。合成して作った顔画像で比較試験を行ったところ、頬全体に柔らかい光沢(※1)を入れた顔(図1 A)にはツヤを感じ、頬上部に鋭い光沢(※2)を入れた顔(図1 D)ではテカリを感じることが分かりました。
また、これらの画像に対して3つの印象を評価すると、ポジティブな印象がある「ツヤ」を感じる顔(図1A)は、「爽やかさ」印象も高いことが分かりました。
●ツヤあり、黄ぐすみなしだと3つの印象が高い
さらに、ツヤを感じる顔において、黄ぐすみの度合いを変更した2枚の画像を用意し3つの印象の違いを評価すると、黄ぐすみのない顔は清潔感、爽やかさ、若々しさの印象が全て高いことが確認されました(図2)。
ツヤや黄ぐすみは肌ケアや生活習慣等でも変化することから、一人ひとりのなりたいイメージに合わせた効果的な肌ケアの提案に本知見を役立てたいと考えています。
【補足資料】 頬部の光沢がツヤ、テカリ、印象の感じ方に与える影響について
試験に使用した顔画像
CG加工技術を用いて、計5枚の画像を用意しました。
基準顔:複数の男性の顔を合成した画像
A:基準顔の頬全体に柔らかい光沢を追加した画像
B:基準顔の頬全体に鋭い光沢を追加した画像
C:基準顔の頬上部に柔らかい光沢を追加した画像
D:基準顔の頬上部に鋭い光沢を追加した画像
評価方法
20代~30代の男性計100名に、「テカリ」「ツヤ」「清潔感」「爽やかさ」「若々しさ」の感じ方について、基準顔を10点としてそれぞれの画像の評点を回答いただきました。
結果
基準顔に対して、頬全体に柔らかい光沢がある顔(A)はツヤを感じやすく、頬上部に鋭い光がある顔(D)はテカリを感じやすくなること(図1)が明らかとなりました。
(1標本のWilcoxon順位和検定、 基準 vs A、p < 0.05 基準 vs D、p < 0.05)
頬全体に柔らかい光沢がある顔(A)は、ツヤを感じやすいだけでなく、「爽やかさ」を強く感じることも判明しました。
(1標本のWilcoxon順位和検定、 基準 vs A、p < 0.05)