プレバイオティクスとプロバイオティクスの同時摂取による腸内環境改善効果を確認

森下仁丹株式会社のプレスリリース

 森下仁丹株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長 森下雄司、以下「当社」)は、2023年3月14日(火)~17日(金)に開催される「日本農芸化学会2023年度大会」において、プレバイオティクスとしてのフラクトオリゴ糖とアカシア食物繊維、プロバイオティクスとしてのビフィズス菌の同時摂取により、腸内環境改善効果が認められたことを発表いたします。
 当社では引き続き、皆様の腸内環境改善に役立つ研究開発を進めてまいります。

【背景と目的】
 フラクトオリゴ糖やアカシア食物繊維は、胃や小腸で吸収されずに大腸まで届き、ビフィズス菌などの腸内有用菌のエサになることが知られています。このような働きをもつものは、「プレバイオティクス」と呼ばれています。また、ビフィズス菌は、ヒトの体に有用な作用をもたらす生きた菌である「プロバイオティクス」のひとつで、腸内環境を整えます。本研究では、プレバイオティクス(フラクトオリゴ糖とアカシア食物繊維)とプロバイオティクス(ビフィズス菌含有カプセル)の同時摂取による腸内環境改善効果について、腸内細菌叢の変化から評価しました。

■フラクトオリゴ糖
 フラクトオリゴ糖は今注目されているオリゴ糖の一種です。サトウキビを原料とし、酵素の力を使ってつくられた、人の体内で糖として吸収されない糖質です。砂糖の半分以下の甘みをもちます。

■アカシア食物繊維
 アカシア食物繊維は、4,000年以上も前からアフリカの遊牧民に食べられてきたアカシアの樹液を溶かして乾燥させた天然由来の水溶性食物繊維です。

【研究成果】
 本研究では、フラクトオリゴ糖とアカシア食物繊維の同時摂取、ビフィズス菌含有カプセルのみ摂取、フラクトオリゴ糖、アカシア食物繊維、ビフィズス菌含有カプセルの同時摂取の3つのパターンについて、それぞれ2週間ずつ摂取した後の、腸内環境(腸内細菌叢)の変化について評価しました。
 解析対象者(22名)において、摂取前と比べて、フラクトオリゴ糖とアカシア食物繊維を摂取した場合にビフィズス菌占有率の増加傾向がみられました。また、いずれの場合にも悪玉菌の一種であるフソバクテリウム属菌占有率の有意な減少または減少傾向を確認しました(図1)。

試験の結果
図1 プロバイオティクスおよびプレバイオティクス摂取による腸内細菌叢の変化

ビフィズス菌占有率の変化ビフィズス菌占有率の変化

フゾバクテリウム属菌占有率の変化フゾバクテリウム属菌占有率の変化

平均値±標準偏差, * p<0.05, † p<0.1 (対摂取前)

 

FOS:フラクトオリゴ糖、AF:アカシア食物繊維、Bif-CP:ビフィズス菌含有カプセル、Mix:FOS + AF + Bif-CP

 解析対象者のうち、摂取前のビフィズス菌占有率が低かった(5%以下)15名の中には、フラクトオリゴ糖とアカシア食物繊維だけではビフィズス菌占有率が上昇しなかった一方で、フラクトオリゴ糖、アカシア食物繊維、ビフィズス菌含有カプセルを同時摂取すると占有率が増加するケースがみられました(図2)。

図2 ビフィズス菌占有率が低い被験者(15名)における腸内細菌叢の変化

 

ビフィズス菌占有率の変化(15名)ビフィズス菌占有率の変化(15名)

平均値±標準偏差, * p<0.05, † p<0.1 (対摂取前)

 以上の結果より、個人の腸内環境に合わせてプロバイオティクス、プレバイオティクスまたは、それらの同時摂取と使い分けることで、よりよい腸内環境改善効果が得られることが示唆されました。

■「日本農芸化学会2023年度大会」概要
会期:2023年3月14日(火)~17日(金)
※オンライン開催
HP:https://www.jsbba.or.jp/2023/

<当社発表>
発表日時:2023年3月16日(木)14:00~14:30
演題「プレバイオティクスとプロバイオティクスの同時摂取による腸内環境改善効果」(一般演題)
森下仁丹株式会社 事業統括本部 研究開発部
〇福田侑花, 河田祐樹, 丸山晃嗣, 河野麻実子, 川上宏智
〇:発表者

社名:森下仁丹株式会社
代表:代表取締役社長 森下雄司
創業:1893年(明治26年)2月
設立:1936年(昭和11年)11月
主な事業:医薬品、 医薬部外品、 医療機器ならびに食品等の製造および販売
URL: https://www.jintan.co.jp/

業祖 森下博が「社会への奉仕」を信念とし、 1893年の創業来、 人々の健康や豊かな暮らしの一助となる製品をご提供して参りました。 当時、 懐中の総合保健薬(当時は赤大粒仁丹)として開発し、 その後は口中清涼剤として親しまれる銀粒の「仁丹」(現在は医薬部外品 販売名:仁丹N)、 その製造から着想を得て、 独自に開発し事業領域を拡大しつつある「シームレスカプセル技術」と、 これまでの生薬研究の蓄積と独自技術の確立・育成を通して、 幅広い領域で企業活動を行なっています。

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