ウパダシチニブ、中等症から重症のクローン病を有する成人患者の治療薬としてCHMPより肯定的見解を取得

アッヴィのプレスリリース

アッヴィ、ウパダシチニブについて、中等症から重症のクローン病を有する成人患者さんの治療薬としてCHMPより肯定的見解を取得

 
ウパダシチニブの2つの寛解導入療法試験および1つの維持療法試験の結果に基づくCHMPの肯定的見解1-4
クローン病は消化管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性全身性疾患5,6
欧州委員会(EC)により承認された場合、欧州連合(EU)におけるウパダシチニブの7つ目の適応症となるとともに、クローン病の適応症をもつ初のJAK阻害薬としてアッヴィの消化器領域ポートフォリオに追加される
 
イリノイ州ノースシカゴ、2023年2月27日(米国時間)―アッヴィ(NYSE:ABBV)は、ウパダシチニブ45 mg(寛解導入療法時の用量)、ならびに15 mgおよび30 mg(維持療法時の用量)について、既存治療または生物学的製剤で効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者さんの治療薬としての承認を、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)が推奨したことを発表しました1-4
 
アッヴィのsenior vice president, development, regulatory affairs兼chief medical officerであるRoopal Thakkar, M.D.は、次のように述べています。「今回、ウパダシチニブについて、クローン病治療薬としてCHMPによる承認推奨を得たことは、この疾患に苦しむ患者さんの生活に変化をもたらしうる、JAK阻害薬では初の1日1回経口薬の提供の実現に向けた、大きな一歩です。炎症性腸疾患の患者さんに向けて、幅広い治療選択肢を提供できるよう、引き続き研究開発に真摯に取り組んでまいります」
 
クローン病治療薬としてのウパダシチニブの承認申請は、2つの寛解導入療法試験(U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験)、ならびに1つの維持療法試験(U-ENDURE試験)から得られたデータに基づいています1。ウパダシチニブ群の患者さんは、寛解導入療法試験では1日1回45 mgを投与され、維持療法試験では1日1回15 mgまたは30 mgを投与する群のいずれかに無作為に割付けされました1-4。3つの第III相試験すべてにおいて、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ群で有意に高い割合の患者さんが、主要評価項目であるSF/APに基づく臨床的寛解[1日の平均排便回数(SF)が2.8回以下かつ腹痛(AP)スコアが1.0以下であり、かついずれにもベースラインからの悪化が認められない場合]および内視鏡的改善[簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)が寛解導入療法のベースラインから50%超低下した場合]を達成しました1-4
 
また、3試験のすべてにおいて、ウパダシチニブ群で統計学的に有意に高い割合の患者さんが、主な副次評価項目である内視鏡的寛解(SES-CDが4以下でかつベースラインから2ポイント以上低下し、かついずれのサブスコアも1を超えない場合)を達成しました。さらに、ベースライン時にSES-CDの潰瘍面のサブスコアが1以上であった患者さんでは、12週時および52週時において、ウパダシチニブ群で多くの患者さんの同スコアが0となりました(名目上のp値<0.001)1-4*。潰瘍の非発生または消失とともに内視鏡所見の改善が認められることは、粘膜治癒に関連しています7-10
 
クローン病におけるウパダシチニブの安全性プロファイルは、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルとおおむね一致していました1-4。重篤な感染症を含む重篤な有害事象の発生率はウパダシチニブ群とプラセボ群で同様でした。悪性腫瘍、主要心血管イベント、静脈血栓塞栓性イベントおよび消化管穿孔の報告は低頻度でした(100患者年あたり1.0件未満)。
 
マウント・サイナイ・アイカーン医科大学内科学教授、炎症性腸疾患センター所長(professor of medicine and director of Inflammatory Bowel Disease Center, Icahn School of Medicine, Mount Sinai)であり、治験責任医師であるJean-Frédéric Colombel M.D.は次のように述べています。「クローン病が与える影響は腸だけに留まりません。疲労などの全身症状や腸症状を引き起こし、社会的・情緒的機能にも影響を及ぼすと言われています。臨床的寛解や内視鏡的改善などの重要な評価項目を達成する治療選択肢は、この疾患の困難な症状の管理、そしてQOL(生活の質)に関わる健康関連の転帰に変化をもたらす可能性があります。ウパダシチニブは、コントロール不良の中等症から重症のクローン病の患者さんにとって有望な治療選択肢となりえます。ECの最終決定が待ち遠しいです」
 
ウパダシチニブは、EUにおいて、X線基準を満たす体軸性脊椎関節炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎、関節症性乾癬、関節リウマチおよび中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する成人患者さん、ならびにアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんの治療薬として承認されています1, 11-15
英国では、ウパダシチニブは、クローン病治療薬として2023年1月に承認されました。EUでは、ウパダシチニブの安全性および有効性について評価中の段階です。
 
クローン病について
クローン病は消化管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性、全身性の疾患です5,6。進行性の疾患であるため、多くの患者さんにおいて時間経過とともに悪化し、手術などの緊急処置を要する合併症をきたすこともあります5,6。クローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく、精神面、経済面にも大きな負担となることがあります5,6
 
U-EXCEEDおよびU-EXCEL寛解導入療法試験、ならびにU-ENDURE維持療法試験について1-4
3つの第III相試験は、中等症から重症の活動性クローン病の患者さんを対象とした、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。45 mgを投与する寛解導入療法と、15 mgまたは30 mgを投与する維持療法において、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価しています。U­EXCEEDおよびU-EXCEL寛解導入療法試験で得られた主要な結果は、それぞれ202112および20222に、U-ENDURE維持療法試験で得られた主要な結果は、20225に発表しています。詳細は、www.clinicaltrials.gov(U-EXCEED試験:NCT03345836、U-EXCEL試験:NCT03345849、U-ENDURE試験:NCT03345823)に掲載されています。
 
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは、選択的かつ可逆的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です1。ヒト細胞を用いた分析系において、ウパダシチニブは機能的選択性を示し、JAK2のペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体と比較して、JAK1またはJAK1/3によるシグナル伝達を優先的に阻害します1
 
クローン病、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です1, 16-18
 
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
 
消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。
 
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未
来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにする
ため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメン
ズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィ
の詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitter アカウント@abbvieFacebook
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1.Abbvie, Ltd. RINVOQ (upadacitinib) [summary of product characteristics]. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf. Accessed on December 7, 2022.
2.Colombel, J.F., Panes, J., Lacerda, A.P., et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib Induction Therapy in Patients with Moderately to Severely Active Crohn’s Disease Who Failed Prior Biologics: Results from a Randomized Phase 3 U-EXCEED Study. UEG Journal. 2022;S-1934. Accessed on December 12, 2022.
3.Loftus, E., Colombel, L.F., Lacerda, A.P., et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib Induction Therapy in Patients with Moderately to Severely Active Crohn’s Disease: Results from a Randomized Phase 3 U-EXCEL Study. UEG Journal. 2022; 10(8): 103-104. doi/10.1002/ueg2.12293. Accessed on December 12, 2022.
4.Panes, J., Loftus, E., Lacerda, A.P., et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib Maintenance Therapy in Patients with Moderately to Severely Active Crohn’s Disease: Results from a Randomized Phase 3 U-ENDURE Maintenance Study. American College of Gastroenterology. 2022: 1-14. Accessed on December 12, 2022.
5.Crohn’s disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304. Accessed on December 7, 2022.
6.The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn’s & Colitis Foundation of America. 2014. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf. Accessed on December 7, 2022.
7.Turner D, Ricciuto A, Lewis A, et al. STRIDE-II: an update on the selecting therapeutic targets in inflammatory bowel disease (STRIDE) initiative of the International Organization for the Study of IBD (IOIBD): determining therapeutic goals for treat-to-target strategies in IBD. Gastroenterology. 2021;160(5):1570-1583. doi:10.1053/j.gastro.2020.12.031.
8.Dave M, Loftus EV. Mucosal healing in inflammatory bowel disease—a true paradigm of success? Gastroenterol Hepatol. 2012;8(1):29-38.
9.Daperno M, Castiglione F, de Ridder L, et al. Results of the 2nd part Scientific Workshop of the ECCO. II: Measures and markers of prediction to achieve, detect, and monitor intestinal healing in inflammatory bowel disease. J Crohns Colitis. 2011;5(5):484-498. doi:10.1016/j.crohns.2011.07.003.
10.European Medicines Agency. Guideline on the Development of New Medicinal Products for the Treatment of Ulcerative Colitis. EMA Committee for Medicinal Products for Human Use (CHMP); 2018:18. Accessed February 20, 2022. https://www.ema.europa.eu/en/documents/scientific-guideline/guideline-development-new-medicinal-products-treatment-ulcerative-colitis-revision-1_en.pdf.
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16.Pipeline – Our Science | AbbVie. AbbVie. 2022. Available at: https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html. Accessed on December 7, 2022.
17.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Participants With Giant Cell Arteritis (SELECT-GCA). ClinicalTrials.gov. 2022. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03725202. Accessed on December 7, 2022.
18.A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Upadacitinib in Subjects With Takayasu Arteritis (TAK) (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. 2022. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04161898. Accessed on December 7, 2022.
* 粘膜治癒は、事前に規定されたエンドポイントでありますが、多重性はコントロールされていません。

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