【JAXA×BIZ NEWS】国際宇宙ステーションで宇宙飛行士が使用する、新たな生活用品のアイデア募集開始

JAXA新事業促進部のプレスリリース

 JAXAは、「第2回 宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集」を本日8月2日より開始しました。宇宙生活の課題を起点に、宇宙と地上双方の暮らしを便利にする製品・サービスの創出を目指し、2020年に始めた新たな取り組みです。本アイデア募集で最終的に搭載可能と判断された生活用品は、2023年以降国際宇宙ステーション(以下、ISS)に搭乗予定の古川聡宇宙飛行士やその後搭乗予定の宇宙飛行士らが使用することを想定しています。
 本アイデア募集に際し、J-SPARC(※1)の暮らし・ヘルスケア分野新規事業創出促進プラットフォーム「THINK SPACE LIFE(※2)」は、アイデア創出の後押しや具現化に向けたインキュベーション活動を行っています。

 

■​募集内容
宇宙生活での課題や困りごとをまとめた暮らしをより良くするためのヒント集「Space Life Story Book」を参考に、自社(関連企業等を含む)の技術やノウハウ等を活かして、宇宙及び地上の生活課題の解決やQOL(Quality of Life)を向上させることができる生活用品のアイデアを募集します。

Space Life Story Book:https://iss.jaxa.jp/med/images/71532_story.pdf
募集詳細ページ:https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/news/detail/001588.html

■募集期間
2021年8月2日(月)~9月30日(木)17:00まで

■古川宇宙飛行士からのメッセージ

 

■募集背景
 2021年7月、ヴァージン・ギャラクティックとブルーオリジンが初の有人飛行を成功させ、商業宇宙旅行サービスが開始される中、一般人が宇宙に行く、そして暮らす時代の幕が開けようとしています。人が宇宙に進出することで、新たに「暮らし」(衣・食・住)分野のマーケットが宇宙で生まれることが期待されます。
 JAXAでは、2020年から「宇宙での暮らし」に着目し、将来の有人探査ミッションや宇宙旅行者向けの生活用品の提供が持続的なビジネスとなるような将来を目指し、宇宙滞在用の生活用品を広く募集し、民間企業等の皆様がこれらを開発することによって、宇宙と地上双方の生活課題の解決に役立てられる製品・サービス創出を促進する新たな取組みを進めています。
 2020年の第1回募集では94件ものアイデアをお寄せいただきました。この度の第2回募集でも制約のある宇宙生活のQOLを向上させる生活用品のアイデアを募集いたします。
 制約のある環境で過ごした宇宙飛行士の声を参考に宇宙生活のQOL向上および地上の課題解決にもつながる新しい生活用品のアイデアについて、皆様の強みを活かしたご提案を心よりお待ちしております。

■参加メリット・活用リソース

  • 宇宙ビジネスへの参入の機会

搭載判断されたソリューションは、実際にISSに搭載され、宇宙飛行士が使用します。これらを通じて、宇宙ビジネスへの参入に繋がることが期待されます。

 

  • 広告・宣伝への活用

搭載判断されたソリューションは、軌道上で取得した映像・画像の活用や、“ISSでの宇宙飛行士による生活用品の使用”という事実の広報展開が可能です。
(活用条件は内容により異なります。)

 

  • 地上実証の場

プロダクトやサービスのプロトタイプは、THINK SPACE LIFEインキュベーションパートナー等が運用する様々な施設や場を活用した地上実証が可能です。
(写真)LivingAnywhereCommons八ヶ岳

 

  • 各業界のプロも参画する本格的なインキュベーション体制

アイデアを具体化するために、宇宙生活の課題を起点とした各種ワークショップ開催の支援(※)や、ビジネスや投資、有人宇宙分野のプロフェッショナルによるメンタリング機会が得られます。各領域に強みを持つTHINK SPACE LIFEインキュベーションパートナーとJAXAが連携して事業創出を後押しします。

※各種ワークショップ開催の支援~アイデア創出を後押しするツールの提供など~
宇宙生活の課題を起点としたアイデア創出を後押しするため、ワークショップ等に活用できるツールを提供いたします。ツール提供等、ワークショップ開催支援については下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。
(ツールご提供にあたっては条件がございます。)
 ・お問い合わせフォーム:https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/contact/space-life_inquiry/

■応募の詳細
・応募資格
アイデアの事業化に取り組むことのできる、日本の法律に基づき適法かつ有効に設立され、かつ存続する法人

・応募方法
募集詳細ページからエントリー
https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/news/detail/001588.html

■募集・選定スケジュール

■第1回募集のISS搭載候補品
2020年7~9月に募集を行った第1回募集では、2022年頃ISSに搭載予定の生活用品の候補として下記10件が選定
されています。

第1回募集のISS生活用品搭載候補品
宇宙用靴下 株式会社ワコール 人間科学研究所
Earthian Wear 株式会社資生堂、シタテル株式会社、株式会社スノーピーク、株式会社三越伊勢丹
飲める成分の口腔ケア製品 株式会社トライフ オーラルピースプロジェクト
デュアルユース・口腔ケアタブレット TSUYOMI株式会社
すすぎが簡単なハミガキ ライオン株式会社
宇宙空間の快適生活のための水なし洗髪シート 花王株式会社 ヘアケア研究所/包装技術研究所
ISS(国際宇宙ステーション)で快適に使用できるボディペーパー 株式会社マンダム スキンサイエンス開発研究所
清潔ウェアのためのスペースウェットワイパー 花王株式会社 ハウスホールド研究所
ウェアラブルウォッチ 日本たばこ産業株式会社
宇宙空間でモノを固定するテープ 久光製薬株式会社

(2021年1月21日公表分)

【参考】
第1回募集結果:https://iss.jaxa.jp/med/partner/71532_result.html

※1:J-SPARC(JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ)
J-SPARCは、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい事業を創出するプログラムです。2018年5月から始動し、これまでに30を超えるプロジェクト・活動を進めています。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチ、事業のコンセプト検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディ、共同技術開発・実証などの活動を行います。

(J-SPARCページ:https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/
 

※2:THINK SPACE LIFE
THINK SPACE LIFEとは、宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くする研究開発や新規事業創出を目指す、インキュベーション機能やコミュニティを有する事業共創プラットフォームです。 宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集及び既存の共同研究や宇宙実証の仕組みによる参画機会と、当該プラットフォームを有機的に連携させ、宇宙に暮らす時代に暮らし・ヘルスケア分野が宇宙と地上双方の新たな市場へ発展するよう後押しをしていきます。
(THINK SPACE LIFEページ:https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/projects/think-space-life/

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