運動の効果を高め、脂肪を効率的に消費させる天然物の組み合わせを発見!

日本メナード化粧品 総合研究所のプレスリリース

日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、近年、肥満などの改善につながると注目されている脂肪を自ら消費する特殊な脂肪細胞(ベージュ脂肪細胞)の研究を進めてきました。今回、運動により分泌されるホルモン(アイリシン)がベージュ脂肪細胞の誘導を促進することを確認し、このベージュ脂肪細胞への誘導を高める天然物素材を探索しました。その結果、アセロラ粉末とマンゴージンジャーエキスの組み合わせが、運動によるベージュ脂肪細胞の誘導を促し、脂肪を効率的に消費させることを発見しました。

脂肪燃焼脂肪燃焼

皮下組織には「白色脂肪細胞」と呼ばれる細胞があり、主にエネルギー源として脂肪を蓄える役割を担っています。しかし、その蓄積が過剰になると、肥満により体形が変化し、見た目の魅力低下をもたらします。一方、皮下組織には白色脂肪細胞とは異なり、脂肪を熱として消費する「ベージュ脂肪細胞」と呼ばれる特殊な脂肪細胞が存在することが明らかになってきました。近年、このベージュ脂肪細胞を増やせば、皮下組織の余分な脂肪を消費することができると期待されています。

メナードでは、ベージュ脂肪細胞への誘導メカニズムについて詳細な研究を行い、今回、運動によって産生される「アイリシン※1」と呼ばれるホルモンが、白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞へ誘導することを試験管レベルで確認しました。さらに、このベージュ脂肪細胞への誘導を高める天然物素材の探索を行いました。その結果、アセロラ粉末とマンゴージンジャーエキスに、アイリシンやその受容体の発現を高める効果を確認し、これらを組み合わせることでベージュ脂肪細胞への誘導が促進されることを発見しました。普段の運動時に、これらの天然物を組み合わせて摂取すると、ベージュ脂肪細胞の誘導が促され、より効率的に脂肪を消費できる身体づくりが期待できます。

なお、本研究成果は2023年5月12日から14日にかけて札幌市で開催される第77回日本栄養・食糧学会にて発表します。

※1 アイリシン:筋肉から分泌されるホルモンの一種で、白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に誘導する作用が報告されています。

<参考資料>

1. ベージュ脂肪細胞」は脂肪をミトコンドリアで燃焼して消費する

近年、皮下組織には脂肪をエネルギー源として蓄える「白色脂肪細胞」と、脂肪を自ら燃焼して消費する「ベージュ脂肪細胞」と呼ばれる脂肪細胞が存在していることがわかってきました。ベージュ脂肪細胞は、ミトコンドリア内のUCP1というタンパク質により、脂肪を熱として消費します。

脂肪の種類脂肪の種類

脂肪燃焼脂肪燃焼

1. 運動によって「白色脂肪細胞」が「ベージュ脂肪細胞」へ誘導される

これまでの研究から、運動によって白色脂肪細胞がベージュ脂肪細胞に誘導されることがわかっています。詳しくは、運動によって筋肉からアイリシンが分泌され(機序①)、さらにそのアイリシンが白色脂肪細胞の受容体に作用すること(機序②)でベージュ脂肪細胞へ誘導されます。皮下組織で白色脂肪細胞からベージュ脂肪細胞の誘導が進めば、脂肪が消費されやすい身体になり、肥満の予防・改善につながると期待されています。

3.ベージュ脂肪細胞への誘導を促す天然物

メナードでは、運動によって促される白色脂肪細胞からベージュ脂肪細胞への誘導を高める天然物の探索を行い、以下2つの天然物(アセロラとマンゴージンジャー)に、その効果を見出しました。

アセロラアセロラ

アセロラは、ビタミンCやポリフェノールを含む西インド原産の果実です。現地では古くから健康維持に役立つ果実として食されてきました。

マンゴージンジャーマンゴージンジャー

マンゴージンジャーは、マンゴーのような芳香とショウガの風味をもつ、ショウガ科の植物です。インドでは、古くから根茎部が体の調子を整える素材として用いられており、現在でもピクルス(漬物)や香辛野菜として利用されています。

3-1 アセロラ粉末が筋肉細胞からアイリシンの産生を高める

アセロラから調製した粉末(アセロラ粉末)に、アイリシンの前駆体であるFNDC5と呼ばれるタンパク質の産生を高める作用があることがわかりました。すなわち、アセロラ粉末は、筋肉からのアイリシンの産生を高め、ベージュ脂肪細胞への誘導を促進させる効果が期待されました。

アセロラ効果アセロラ効果

3-2 マンゴージンジャーエキスがアイリシン受容体の産生を高める

マンゴージンジャーから調製したエキス(マンゴージンジャーエキス)に、白色脂肪細胞におけるアイリシン受容体の構成因子(ITGB5※2)の発現を高める作用があることがわかりました。すなわち、マンゴージンジャーエキスは、白色脂肪細胞におけるアイリシン受容体の産生を高め、ベージュ脂肪細胞への誘導を促進させる効果が期待されました。

※2アイリシン受容体はITGB5とITGAVの2量体であることが報告されています。ここでは、受容体の活性化に関わりの深いITGB5に着目しました。

マンゴー効果マンゴー効果

3-3 アセロラ粉末とマンゴージンジャーエキスの作用を組み合わることで、運動によるベージュ脂肪細胞への誘導を高める

アセロラ粉末には筋肉からのアイリシンの産生を高める作用があることがわかりました。また、マンゴージンジャーエキスには白色脂肪細胞におけるアイリシン受容体の発現を高める作用があることがわかりました。これらの作用をつなげることで、白色脂肪細胞からベージュ脂肪細胞への誘導が促進されると期待されます。そこで、アセロラ粉末によって産生が高まったアイリシンを白色脂肪細胞が受けて、ベージュ脂肪細胞への誘導が促進されるか確認しました。この時、マンゴージンジャーエキスの作用によってさらに誘導が促進されるのかについても確認しました。その結果、アイリシンによってベージュ脂肪細胞への誘導が促進され、マンゴージンジャーエキスを添加することでさらに誘導が促進されました。

4.まとめ

運動によって筋肉からアイリシンが分泌され、それを受けた白色脂肪細胞はベージュ脂肪細胞へ誘導されます。アセロラ粉末やマンゴージンジャーエキスは、このベージュ脂肪細胞への誘導を促進する効果があることがわかりました。普段の運動時に、これらの天然物を組み合わせて摂取すると、ベージュ脂肪細胞の誘導が促され、より効率的に脂肪を消費できる身体づくりが期待できます。

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