株式会社HIROTSUバイオサイエンスのプレスリリース
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背景と目的
■背景と目的
がんは日本人の死因の第一位で、生涯のうちにがんにかかる可能性は男女ともに2人に1人と推定されています。
がんは、早期発見・早期治療を行えば治癒率の向上が見込めますが、日本のがん検診受診率は諸外国と比較しても低く、4~5割程度にとどまっています。
検診を受けない理由は「受ける時間がない」「費用がかかり経済的に負担」などが多く、発見の遅れにつながりかねません(*1)。
当社は、嗅覚に優れた生物“線虫”が人の尿中に含まれるがんの匂いを検知することを利用したがんのリスク検査「N-NOSE(エヌノーズ)」を開発し、2020年に実用化しました。当検査は、尿を提出するだけで簡便・安価・高精度・全身網羅的にがんのリスクを調べることができ、従来の検査では見つけることが難しかった早期がんの発見に貢献しています。
総合メディカルは、「そうごう薬局グループ」を運営、地域に根ざした薬局づくりを展開しており、「みんなの健康ステーション」を目指して、病気の早期発見のためのスクリーニングや、予防・健康増進に関する活動、啓発に取り組んでいます。
また、がんに関する専門的な知識を持つ薬剤師が在籍する専門医療機関連携薬局(*2)の展開をすすめ、外来がん治療専門薬剤師等による継続的なフォローアップ(副作用モニタリング)を強化して、がんに罹患された方および地域医療への貢献を目指しています。
その一環として、2023年6月1日現在、「N-NOSE」の販売と検体回収を全国361店舗の「そうごう薬局グループ」で実施しています。
両社は、今回の資本業務提携を通して、がんの早期発見に対する意識向上を目指すとともに、がん検診受診率向上に資する取組みを強化してまいります。
また、がんに罹患された方が、安心して適切な薬物治療を行えるように、継続的なフォロー体制を整えてまいります。
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*1:「平成28年人口動態統計(厚生労働省)」、「がんの統計<2018年度版>(公益財団法人がん研究振興財団)」、「令和3年国民生活基礎調査(令和元年)の結果から」、「平成28年11月がん対策に関する世論調査(内閣府大臣官房政府広報室)」
*2:がんなどの専門的な薬学管理が必要な患者に対して、ほかの薬局や医療機関と連携しながら、専門的でより高度な薬学管理や調剤に対応できる薬局。
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各社概要
【総合メディカル株式会社】
・所在地:東京本社 東京都千代田区大手町1丁目7番2号 / 福岡本社 福岡市中央区大名2丁目9-23
・代表者名:代表取締役社長 坂本賢治
・設立:1978年6月
・主な事業内容:医業経営コンサルティング、医療モールの開発・運営、医療機関への医師の紹介、医師の転職・開業支援、医業継承支援、保険調剤、一般薬・介護用品の販売、医療機器などのリース・販売、入院患者向けテレビのレンタルなど
・コーポレートサイト:https://www.sogo-medical.co.jp/
【株式会社HIROTSUバイオサイエンス】
・所在地:東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート
・代表者名:代表取締役 広津崇亮
・設立:2016年8月
・主な事業内容:線虫および線虫嗅覚センサーを利用したがん検査の研究・開発・販売
・コーポレートサイト:https://hbio.jp/
■参考
【「N-NOSE」について 】
嗅覚に非常に優れた線虫C.elegansが、人の尿中に含まれるがん特有の匂いを高精度に検知することを利用した、がんの一次スクリーニング検査。
尿を提出するだけで、簡便・安価・高精度・全身網羅的に早期がんを調べることが可能です。
線虫が反応することが確かめられているがん種は、胃がん/大腸がん/肺がん/乳がん/子宮がん/すい臓がん/肝臓がん/前立腺がん/食道がん/卵巣がん/胆管がん/胆のうがん/膀胱がん/腎臓がん/口腔・咽頭がんの15種類。
2020年 1月の実用化以降累計40万人以上が受検しており、法人での導入は1,500社を超えました(2023年6月現在)。
また、当社は2023年6月、WHO FoundationおよびベンチャーキャピタルのOurCrowdの提携により設立された世界の健康問題の解消を目的とするインパクトファンド「Global Health Equity Fund」と、医療体制が整っていない国々への「N-NOSE」の海外展開に関する覚書を締結しました。
多くの方の健やかな未来のために、研究開発と実用化に邁進しています。