株式会社 Tomopiiaのプレスリリース
Tomopiiaは、新規事業開発、ビジネスインキュベーションを推進する三井物産グループのベンチャースタジオ「Moon Creative Lab Inc.」において開発・発足した事業の一つです。
※SNS看護とは、Tomopiiaが開発している、SNSを用いた看護コミュニケーションの形のひとつです。
-
Tompiia設立の背景
現在の日本のがん罹患数は年間100万人におよび、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんになるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気ですが、多くの人ががん患者の生存率を現実よりも低く見積もっているといわれています。早期発見や医療の進歩等により、がん患者の生存率は向上してきています。つまり、通院治療をしながら長い期間を“がんと共に生きていく”方が増えていると考えられるのです。私たちは今までに多くのがん患者さんの声を聞いてまいりましたが、その中で見えてきた大きな課題の一つが「孤独」でした。病気を抱えることで感じる「個人の不安や孤独」、それを伝えられない「モヤモヤとした感情」は、医療機関、患者会、行政、家族・友人などのサポートがあったとしても、解決することはとても難しいということがわかりました。
一方で、看護師さんからは、患者さんともっと向き合いたいという思いを持ちながらも、入院期間の短縮、医療の高度化に伴う忙しさなどを背景に、一人ひとりの患者にじっくり寄り添うことができないという声も聴きます。
そこで私たちは、患者さんと看護師さんが持つこの二つの課題に着目し、患者さんと“共に”病気と向き合い、同じ立場で支えたい（ピアサポート）、という思いを“Tomopiia”の名前に込めて、いつでもどこでも看護師さんが、がん患者さんの孤独の解消に寄り添えるようなプラットフォームを開発いたしました。今般、Tomopiiaのサービスを支える看護師さんのSNS看護の輪を拡大し、より多くの患者さんの「病気と共に生きる」を支えるべく、新会社を設立する運びとなりました。
私たちのビジョン
『病気と向き合うあなたが、もっと自分らしく輝く社会へ』
-
Tomopiiaのサービス
Tomopiiaは、療養中のがん患者さんが感じる孤独や不安に、担当の看護師さんがSNSを通じて寄り添う対話サービスです。Tomopiiaのサービスでは、双方が匿名という安心できる環境で、Tomopiia独自のSNS看護トレーニングを受けた担当看護師さんとがん患者さんが、SNSを使った文字による対話のコミュニケーションを行います。病気で感じているちょっとした不安から、誰にも言えないような心のモヤモヤまで、患者さん自身が様々な思いを吐露して、心を軽くしたり、気持ちの整理をすることができます。
-
サービスの特徴
①Tomopiia独自の研修を受けた臨床経験のある看護師さんが担当
患者さんと直接関わる臨床経験を積んでいる上、Tomopiiaの提供する独自のカリキュラムを修了した看護師さんが、一人ひとりの思いを傾聴します。
②いつでも・どこでも自分のペースで
ご利用される患者さんは、場所や時間を選ばず、担当の看護師さんと、どこからでも好きなタイミングで文通のようにメッセージのやり取りをすることができます。
③患者さんと看護師さんのどちらも匿名
患者さんと看護師さんの双方は、顔や名前を明かすことなく、チャット（文章や絵文字など）でやり取りをしますので、安心してコミュニケーションをとることができます。また、一般的な医療相談サービスとは異なり、看護師さんから具体的な病状や治療などについて伺う場ではなく、患者さんが話したいことを話せる場になるよう心がけています。
-
利用者さんの声
看護師さんと対話できるため、医師や看護師さんにどのように質問したらよいかや、家庭環境のことなどについて教えていただいたり、普段不満に思っていることや疑問に思っていることなど、誰にも話せないことをたくさん聞いてもらい、アドバイスをいただいて、そこからいろいろなことに気づくことが出来、考え方が変化しました。とても有意義な1か月でした。（40代 女性 下咽頭がん）
文字にすることで自分の考えや思いを整理することができた。顔が見えないとはいえ、一対一で話を聞いてくれる人がいるというのが良かった。（30代 女性 乳がん）
不安や迷いが生じた時に医療従事者と話せるのが非常に心強いです。治療中はもちろん、サバイバーとして長い人生を送る中、不安や迷いに悩まされることが何度もあると思います。結局は自分でどうにかするしかありませんが、自分に寄り添ってくれる方がいるというのが大きな安心に繋がります。いつでも好きなタイミングで利用出来ると嬉しいです。（40代 女性 乳がん）
-
ご利用の流れ
まず、下記のQRコードもしくはURLより、Tomopiia公式LINEアカウントのともだち登録をしていただき、公式アカウント内の専用フォームからお申し込みいただきます。公式アカウントは事務局が担当看護師を決定するまでの待合室になっており、看護師や事務局からのメッセージを配信しております。担当が決定しましたら双方の対話がスタートいたします。一定期間（30日間）の対話体験をお楽しみください。
-
メンバー
代表取締役 重村 潤一朗
三井物産入社後、国内外の医療・ヘルスケア・シニア領域のビジネス開発と運営に20年以上従事。在宅介護／医療事業、介護家族向けメディア事業の立上げ、海外病院事業投資や国内病院の経営など多岐にわたる国内外のヘルスケア関連事業を経験。2020年よりMoon Creative Lab Inc.に於いて現在のビジネスインキュベーションを開始、2023年に社内起業案件として「株式会社Tomopiia」を創業。
＜ごあいさつ＞
この事業は、私が三井物産で医療・ヘルスケアに関わってきた20数年を経て挑戦したいと考えた一つの形です。現代の医療やシステムは過去に比べて飛躍的に進化してきましたが、他方でサービスや支援と「患者個人」との間に新たな「隙間」も生み出しました。これから我々が体験する医療は、個人と医療の間に横たわる様々な課題を含みながら、これからも変わっていくと思います。
そんな未来の医療を想像し、これからの医療を体験する一人として、患者自身が病気と向き合いながらも“自分らしく生きること”を目指せる世界を作りたい、という思いが一つの原点になっています。
さらに、その患者さんを支える看護師さんをはじめ、医療の世界を支える方々と共に、一人ひとりが、もっと自分らしく輝ける場を作っていきたい、というもう一つの思いの実現にも挑戦しています。
我々が掲げるSNS看護は、ご参加いただいている看護師さんと共に、看護の新しい価値、一つのあり方を目指しています。このSNS看護の輪をさらに広げて、医療・看護の質の向上や、患者さんとの新たな接点、地域に貢献できる機会などを創って参ります。
また、我々はTomopiia自身が、患者さんが自分らしく病気と向き合っていけるための“第三の場”になっていくことを目指しています。より多くの方々に我々のサービスを体験していただくためにも、Tomopiiaに賛同していただける、医療機関様や患者支援団体様、企業様、個人の方々にご参加いただける輪を拡げて参ります。
そして、この事業に関わるすべてのメンバー、応援してくださる皆様と共に、事業をさらに発展させ、一人ひとりが輝ける会社を目指します。
執行役員CNO（Chief Nursing Officer）
認定看護管理者
十枝内 綾乃
看護師免許取得後、大学病院で精神科、老年病科を経験、企業の健康管理室勤務等を経て 約400床の総合病院に入職。看護師長として透析センターの立ち上げ、腎内分泌内科病棟師長を経験し、同病院で副院長兼看護部長を務める。看護師の採用業務など院内の幅広い業務に従事。2019年より、当プロジェクトのアドバイザーを経て現職。
Tomopiia顧問
がん研有明病院 腫瘍精神科 部長
精神科医、医学博士
清水 研
帝塚山学院大学 大学院 教授
公認心理師、臨床心理士
宮田 智基
-
会社概要
■Tomopiia 概要
会社名：株式会社 Tomopiia（トモピィア）
代表者：代表取締役 重村 潤一朗
所在地：東京都港区北青山3-10-5 Spring Terrace Omotesando 2F
設立：2023年7月6日
サービスURL：https://tomopiia.com/
■Moon Creative Lab 概要
Moon Creative Lab は三井物産グループにおける人間中心の新規事業創造を推進するベンチャースタジオとして2018年に設立されました。米・パロアルトと東京に拠点を置き、デザイナー、エンジニア、プロダクトマネージャー、起業経験者などのグローバルで多彩な専門人材によるハンズオンのサポート体制を構築し、斬新な新規事業創出を実現してきました。この経験を元に、Moonは三井物産グループの枠を超えて、新規事業創造のサポートを拡大。チームや組織の創造的な可能性を引き出し、大胆なアイデアを世界に飛躍的なインパクトを与えるベンチャーへと転換するための支援を提供していきます。
商号：Moon Creative Lab Inc.（ムーンクリエイティブラボ）
代表者：President & CEO 横山賀一
本店：660 High Street, Palo Alto, California, 94301, USA
支店：東京都港区北青山3-10-5 Spring Terrace Omotesando 2F
設立：2018年8月23日