ローヤルゼリー配合の薬用育毛剤が頭皮環境を整え、毛髪本数を増やすことを確認

株式会社 山田養蜂場のプレスリリース

株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生、以下「山田養蜂場」)の自社研究機関である、山田養蜂場 健康科学研究所(所在地:同上)及び山田養蜂場グループ 美容科学研究所(所在地: 東京都品川区)は、ローヤルゼリー(Royal Jelly,以下RJ)を配合した薬用育毛剤を24週間継続使用することで、使用前よりも毛髪本数が増え、成長期毛率、頭皮角層水分量がいずれも改善することをヒト試験で確認しました。また、細胞試験において、そのメカニズムの一端を明らかにしました。本研究成果は、科学雑誌 『日本化粧品技術者会誌』(2024年3月発行)に掲載されました。

  • 研究背景

薄毛は、加齢や遺伝、ストレスやホルモンバランスの乱れ、紫外線や乾燥による頭皮環境の悪化などさまざまな要因によって生じる「毛量が少なく⾒える」「頭皮や分け目が目⽴つ」などの外⾒的な特徴を指し、髪の毛が抜けるまたは細くなることに起因しています。薄毛は、本⼈の外⾒上の悩みに留まらず、他⼈からの印象をも左右し、その結果、少なからず本⼈の精神面にも影響を及ぼすことで、日常生活におけるQOLの低下を招く一因にもなっています。

RJは、サプリメントやドリンク剤のほか、化粧品原料としても⼀般的に用いられています。RJを化粧品原料用途に加⼯した、山田養蜂場独自開発の<デセン酸リッチRJエキス>には、腕や頬において角層⽔分量増加作用があることが報告されていますが、RJが毛髪や頭皮環境にどのような影響を与えるかは不明でした。

そこで、本試験では、RJ配合の薬用育毛剤※1が、薄毛や抜け毛の悩みがある健康な⼈の育毛および頭皮環境に どのような影響を与えるか、24週間の塗布試験により検証しました。また、RJが毛髪に与える影響について調べるため、ヒト毛乳頭細胞※2を用いて毛髪の成⻑に関連する遺伝⼦の発現量を測定しました。

※1 この育毛剤にはデセン酸リッチRJエキスの他に、医薬部外品の有効成分として、抗炎症作用があり頭皮の環境を整える働きがあるグリチルリチン酸ジカリウムと、⾎⾏促進作用があり毛根に⼗分な栄養を届ける働きがあるタマサキツヅラフジアルカロイドが配合されている

※2 毛根の中央に位置し、毛⺟細胞に必要な栄養や指令を送る役割を担う細胞。髪の毛は、毛根にある毛⺟細胞が分裂することで成⻑する

  • 研究結果

RJとグリチルリチン酸ジカリウム、タマサキツヅラフジアルカロイドを配合した薬用育毛剤を1日2回、24週間塗布する  ことで、<毛髪本数><頭皮角層水分量>が12週間後と24週間後に増加しました。さらに<成長期毛率>が24 週間後に増加しました。(結果グラフ①)

また、主観的な毛髪や頭皮状態※1の評価についても、「髪のボリューム」「地肌の目立ち」「抜け毛」「発毛」などを含む10項目すべてにおいて改善がみられました。(結果グラフ②)

さらに、ヒト毛乳頭細胞にRJを添加した結果、髪の成長に関わる因子であるFGF-7※2とIGF-1※3の遺伝子発現量が増加しました。(結果グラフ③)

<結果グラフ①:毛髪本数及び頭皮角層水分量、成長期毛率の増加>              *p<0.05(VS. 塗布前)

<結果グラフ②:毛髪と頭皮の主観的評価(VAS)>                                     *p<0.05(VS. 塗布前)

<結果グラフ③:髪の成長に関わる因子の遺伝子発現量が増加> 

※ヒト毛乳頭細胞と一緒に培養することで、FGF-7の発現を促進することが確認されている物質

※1 髪のボリューム、髪の潤い、地肌の目立ち、毛髪のツヤ、抜け毛、発毛、頭皮のベタつき、頭皮の乾燥、かゆみ、頭皮のやわらかさ

※2 毛乳頭細胞から分泌され、幹細胞を活性化し、毛母細胞の増殖を促す因子

※3 毛周期のうち、髪が成長する段階である成長期を延長する因子

  • 今後について

今回の研究では、ローヤルゼリーに育毛促進と頭皮環境改善の有用性が示されました。ローヤルゼリーの成分については未解明な部分もある中で、「ローヤルゼリーを日常的に扱う養蜂家の手は美しい」と伝承されてきたことなど、実感として得られている肌への効果を科学的に解明することで、今後も若々しい肌づくりやQOLの向上に役立つ素材及び商品の開発につなげてまいります。

山田養蜂場は、ローヤルゼリーをはじめ、プロポリスやミツバチ由来乳酸菌、はちみつなどのミツバチ産品に関する有用性研究や素材開発を通し、社会に貢献してまいります。

<文献情報> 

論文タイトル:ローヤルゼリーエキスを配合した薬用育毛剤の効果

著者:高橋遼1*、坪川涼1、藤倉千鶴1、奥村暢章1、八巻礼訓1、重松典宏1、米井嘉一2

所属:1株式会社山田養蜂場本社 山田養蜂場健康科学研究所、2 同志社大学 生命医科学部 アンチエイジングリサーチセンター/糖化ストレス研究センター

掲載誌:日本化粧品技術者会誌

掲載日:2024年3月14日

URL:(https://www.sccj-ifscc.com/journal/sccj_journal/2024

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