経口摂取したヒアルロン酸が大腸の腸内細菌によって分解、吸収されて皮膚で作用する仕組みを解明

キユーピー株式会社のプレスリリース

キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:長南 収、以下キユーピー)は、経口摂取したヒアルロン酸が大腸の腸内細菌によって分解され、吸収されて皮膚で作用する一連の仕組みを解明しました。この研究成果について、2021年6月14日(月)、15日(火)の二日間にわたり開催される「国際ヒアルロン酸学会※1」で発表します。
※1 国際ヒアルロン酸学会(ISHAS):https://www.ishas.org/

経口ヒアルロン酸が、皮膚で有益な効果を発揮するメカニズムを解明
ヒアルロン酸は、経口摂取することで、皮膚水分の増加やしわが改善すること※2が報告されています。しかしながら、経口摂取したあと、どのように吸収され作用するのか、そのメカニズムに関しては報告も少なく、ほとんど知られていませんでした。

図1 経口摂取されたヒアルロン酸が分解、吸収、肌で作用する仕組み図1 経口摂取されたヒアルロン酸が分解、吸収、肌で作用する仕組み

そこで、国立大学法人神戸大学との共同研究により、「ヒト腸内細菌叢モデル(KUHIMM)」を用いて、ヒト腸内細菌によるヒアルロン酸の分解を調べたところ、経口摂取したヒアルロン酸は胃液や小腸の消化酵素では分解されず、大腸の腸内細菌によって分解されることが分かりました。さらに、ヒアルロン酸を分解する腸内細菌を特定することもできました
また、LC-MS/MS(成分を同定、定量する機器)で分析した結果、分解された低分子ヒアルロン酸が吸収されて皮膚に到達することが明らかになったほか、三次元皮膚モデルを用いた試験で、コラーゲン代謝(真皮におけるコラーゲン分解と合成)を活性化することも分かりました。これら一連の、分解・吸収・皮膚への到達・コラーゲン代謝の活性化により、経口摂取されたヒアルロン酸が皮膚の状態を改善するメカニズムが明らかになったこと(図1参照)を、研究成果として6月15日(火)に「国際ヒアルロン酸学会」で発表します。

キユーピーは、30年以上にわたるヒアルロン酸の研究開発の実績を持ち、その販売量は国内第一位です(2021年富士経済調べ)。BtoBを中心に、食品・医薬品・化粧品の原料として幅広く展開しています。キユーピーは今後も、独自の素材と技術で新しい機能性商品を生み出し、人々の健やかな生活に貢献する企業を目指します。

※2 キユーピーと台湾のHungKuang University(弘光科技大學)許慈芳准教授との共同研究により、ヒアルロン酸の経口摂取による皮膚水分増加としわ改善を、ヒト試験で確認した(図2参照)。Beneficial Effects of Oral 120mg Hyaluronic Acid on Human Skin Aging A Randomized, Double blind, and Placebo controlled Study. (2020年)

 

 

図2 ヒトの皮膚に対する経口ヒアルロン酸(120mg/日)の作用 ㊤12週間後のしわ改善の様子、㊦12週目までの各部位における皮膚水分量と弾力性(プラセボ群との比較)図2 ヒトの皮膚に対する経口ヒアルロン酸(120mg/日)の作用 ㊤12週間後のしわ改善の様子、㊦12週目までの各部位における皮膚水分量と弾力性(プラセボ群との比較)

 

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