花王株式会社広報部のプレスリリース
花王は、化粧品事業において、2021年、ビューティリサーチ&クリエーションセンター(以下BRCC)を設立し、科学的エビデンスや生活者リサーチ、美容トレンドに基づいた、全ブランドの基礎となる「美容情報・技術」を開発し、美容部員の教育に活かすとともに、社外へ発信しています。
このたびBRCCとスキンケア研究所は、マスクで覆われている肌にも紫外線が届いているため、マスク着用時には、マスクで覆われている部分にも日やけ止めをムラなく塗ることや、擦れやすい部分の重ね塗りといった工夫が有効であることを確認しました。これらの結果に基づき、マスク着用時の日やけ止めの効果的な塗り方、「らせん&一方向塗り」を提案します。
- マスク着用時の紫外線の到達状況を可視化
紫外線を浴びると肌が紫色に変わる人形を使い、日やけ止めを塗布せずに一般的な不織布のマスクを着用し、顔全体に紫外線をあて、顔のどの部分に紫外線があたっているかを調べました。その結果、マスクで隠れない部分はもちろん、マスクで覆われた頬や顎部分も紫色に変化し、肌に紫外線が到達していることを確認しました(図1)。また、外出時によく見られるサングラスや帽子等を着用しても、すき間からの紫外線の侵入があることがわかりました (図2)。
そこで、日やけ止め使用時の効果を調べるために、顔の半分に、適量の日やけ止めをムラなく塗布して一般的な不織布のマスクを着用し、顔全体に紫外線をあてました。すると、先ほどはマスクを透過した紫外線やすき間から侵入していた紫外線の、肌への到達を防いでいることが確認できました(図3)。
- マスク着用時の日やけ止めの状態を可視化
次に、日やけ止めを顔にムラなく塗布して、マスク着用時における日やけ止めの塗布状態の経時変化を花王独自解析方法※1で確認しました。時間の経過とともに日やけ止めがマスクに付着し、3時間後には、鼻筋や頬、マスクの紐部分に顕著な擦れが見られ、マスクで擦れやすい部分においては、肌に塗布した日やけ止めのほとんどが取れていることがわかりました。
マスク着用時でも肌への紫外線の影響を防ぐためには、マスクで覆われている部分にも日やけ止めをムラ無く塗ること、また、マスクで擦れて取れやすい部分は、他の部分より対策が必要であることがわかりました。
※1紫外線分光画像計測技術:https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2017/20171026-001/
<マスク着用時におすすめ 日やけ止めを「ムラなく塗る方法」「擦れやすい部分の重ね塗り」を紹介>
- ムラなく塗る方法 新提案「らせん&一方向塗り」
日やけ止めは、タイプによって肌へののばしやすさなどが異なります。例えばミルクタイプ※2は、粘度が低く広い範囲に塗布しやすい反面、筋ムラになることがあります。クリームタイプ※2は、肌に密着しやすいものの、粘度が高くのばしにくいこともあります。肌に塗るときは、くるくると、らせん状に塗ったり、一方向にのばしたりしますが、BRCCでは、らせん塗りと一方向塗りを組み合わせることで、肌にムラなく塗布できることを確認しました。
※2当社ミルクタイプ、クリームタイプの場合
- タイプ別日やけ止めの塗り方
クリームタイプの日やけ止めを顔に塗布する場合は、顔の複数個所に細かく置き、小さならせん塗りをしたあと、すき間を埋めるように一方向に短くのばします。一方、ミルクタイプの場合は、額、鼻、顎、両頬に置き、大きならせんを描きながら塗布したあと、さらに大きく一方向にのばしてなじませると顔全体にムラなく均一に塗ることができます。
- 擦れやすい部分は重ね塗り
マスク着用時には、擦れに強い日やけ止めを使うこともおすすめです。また、日やけ止めのあとにファンデーションを塗らない場合は、おしろい等のパウダーを塗布しておくと、日やけ止めとマスクが直接擦れることを防ぐことができ、日やけ止めだけを塗布した場合に比べ長時間保持できます。
その他にも、塗り方の工夫によって、日やけ止めが落ちることをある程度防ぐことができます。マスクが直接触れる鼻筋や頬の高い部分等、特に擦れやすい部分には、らせん塗りと一方向塗りを行ったあと、さらに指の腹を使って細かくクロスを描くように“重ね塗り”をすると効果的です。
今回提案した日やけ止めの塗り方を参考に、マスク着用時もこまめに塗り直し、しっかりと紫外線対策を行ないましょう。
■リリースPDF
https://prtimes.jp/a/?f=d70897-20210609-2175.pdf
■リリースURL
https://www.kao.com/jp/corporate/news/products/2021/20210610-001/