サッカー戦術の習得:勝利への包括的ガイド

プロのサッカー選手はみんな才能に溢れ、その卓越した運動能力と磨かれたスキルでプレーしているように見えます。しかし、試合に勝つためには個人の才能だけでは十分ではないでしょう。実際の試合では1対1ではなく11対11で戦います。個人ではなくチームで戦うスポーツであるため、個々の能力が相手より勝っていたとしても、チームワークで劣っていれば負ける可能性があります。

サッカーはこれまで多くの専門家や指導者によって研究されてきました。そこからたくさんの戦術が作られています。有名な戦術を知っておけばサッカーの技術を学んでいく上で役立ちますし、試合観戦でも選手の行動の意図が分かるようになってより楽しめます。

サッカーの戦術は複雑だがそこが面白い

サッカーの戦術は細かいモノまで入れれば数えきれないほどあります。厳密に言えば全く同じ戦術は無いと言えるでしょう。同じ監督が同じチームで指揮を執り名目上は同じ戦術を採用したとしても、昨年と今年で所属する選手が違えば微妙に戦術が変わったりするはずです。サッカーの戦術は有名なものだと名前がついていますが、それぞれのチームが自分なりにその戦術を理解し、アレンジして使っていることが多いです。そのため、戦術名が同じでも詳細は違うことになり非常に複雑です。

しかし、サッカーの戦術を理解できるようになれば、上達は当然早くなります。試合を観戦する際も見方が変わるはずです。そして、スポーツベッティングをやる場合も非常に役立つでしょう。たとえば、サッカーだとゲーム中に何点は予想するか賭ける勝負があります。その場合、出場チームが採用している戦術を知っていれば有利に働くわけです。たとえば、攻撃的な戦術をチームであれば当然得点が多く入る可能性が高くなります。

WMフォーメーション

WMフォーメーションは20世紀初頭に作られたものです。味方で4つのラインを作り戦います。2人のハーフバックの後ろに3人のディフェンダーのバックラインがあり、また2人のインサイドフォワードがフロントの3人をサポートする形です。味方ゴールキーパーから見ると3人、2人、2人、3人という4つのラインができます。

「WM」と呼ばれる理由はその形にあります。上から見るとオフェンス側がW、ディフェンス側がMのように見えます。現在はこの戦術はかなり改良されており、オリジナルのWMフォーメーションは使われることがほとんどなくなりました。しかし、このフォーメーションが元になっている戦術は今でも数多く存在しています。

トータルフットボール

トータルフットボールは1970年代にオランダで誕生した戦術です。ポジションを固定するのではなく、選手がフィールド上で状況に合わせて目まぐるしく移動します。チーム全員が攻撃と守備を両方担う戦術になっています。

このトータルフットボールという戦術は、リヌス・ミケルス(Rinus Michels)によって考案されました。プレイヤーがシームレスにポジションを交換することを促す戦術です。

この戦術では特にボールポゼッションを重視します。ボールポゼッションとは、味方がボールを保持している状態です。相手にボールを渡さなければ基本的に失点することはありません(もちろんオウンゴールでの失点なども稀にありますが)。そのため、トータルフットボールではロングパスなどは行わず、全員でショートパスをつないでいくことを基本にしています。

ティキ・タカ

ティキ・タカは短く複雑で正確なパスを特徴とするサッカーのプレースタイルです。チームはパスの正確さとスピードで相手を翻弄し、長時間ボールを保持することを目指します。ボールポゼッションを重視するという点においてはトータルフットボールと同じです。さまざまなチャネルを通してボールを操作することで得点の機会を作り出すことに重点を置いています。

このスタイルは、特にジョゼップ・グアルディオラ監督時代にスペイン代表チームとバルセロナで有名になりました。しかし、グアルディオラ監督自身はティキ・タカという戦術を採用していないと語っています。そのため、この戦術自体は監督ではなくメディアによって作り出されたものと言えるかもしれません。

ボディ・クラッシュ

ボディ・クラッシュは、選手の身体能力に依存する戦術です。基本的に4-1-4-1でプレイヤーを配置します。最近ではこの戦術を使うチームは少なくなったように思います。以前はフィジカルに強みを持つ国が採用していました。たとえば、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなどで採用されています。

残念ながら、日本のリーグではこの戦術を採用しているチームは少ないです。おそらく日本人は海外の選手と体格が小さいので、この戦術向きではないのでしょう。ただ海外などは見ることができます。ステークなどスポーツベッティング関連の情報を発信しているサイトでは、海外チームの特集が組まれていることもあるのでチェックしてみましょう。このボディ・クラッシュのような日本にはない戦術を採用している国も多く、全く違うサッカーを見ることができます。

キック・アンド・ラッシュ

キック・アンド・ラッシュはイングランドで発明された戦術で、ロングパスやクロスパスを多用します。「ロングボール戦略」と呼ばれることもあります。フィジカルの強いプレイヤーがいるとこの戦術は有効となる場合が多いです。この戦術は主にイングランドで好まれ採用されています。

プレイヤーや相手からボールを奪うと、前線のセンターフォワードに向けてボールを蹴ります。これが基本スタンスで、センターフォワードの選手がフィジカル的に優れているとロングパスであっても相手からボールを奪われずにボールを足元へ納めることができます。そのためこの戦術をとるチームには、前線には屈強な選手が配置される傾向があります。

カテナチオ

カテナチオ(カテナッチョと発音されることもある)は、前述のWMシステムを改良した戦術です。この戦術では特に守備が重視されます。プレイヤーは5-3-2で配置されます。

この戦術は特に1950年代から1960年代にイタリアのサッカーで人気がありました。タイトな守備でボールを奪い、前線のフォワードを中心とした素早い攻撃で得点します。実は2010年ワールドカップの日本代表もこのカテナチオ(を改良したモノ)を採用していました。監督が岡田武史だったため、メディアからは「オカナチオ」と呼ばれていました。

ゲーゲンプレッシング

この戦術は「攻めは最大の守り」というスローガンのもと展開されます。近年に最も注目されている戦術の一つです。相手選手を5人程度で囲んでボールを奪い、攻撃していく戦術になります。ボールを相手に奪われた後に仕掛けるのが一般的です。「ゲーゲン」とはドイツ語でカウンター、「プレス」はボールを奪いに行く行為になります。スポーツベットの勝敗予想で人気の高いチームの多くもこの戦術を採用しています。

この戦術はドイツのブンデスリーガのユルゲン・クロップ監督が発案者とされています。ピッチ上でできるだけ高い位置で相手からボールを奪い返すことで得点のチャンスを頻繁に演出できます。

この戦術を採用するにはスタミナのある選手が11人必要です。その他の相手プレイヤーがマークされなくなる可能性があるためリスクもあります。そのため、相手選手のボールを奪いに行く際は工夫が必要です。たとえば、プレスをかけにいく選手を少ない人数(1~2人)にすることもあれば、パス先の選手をマークすることもあります。各チームによってプレスの方法は工夫され導入されています。

パーキングバス

パーキングバス(またはパーキング・ザ・バス)戦術は、超守備型になります。プレイヤー全員を守備側に配置するスタイルです。試合の始めから終わりまで強力な守備体制を維持することに重点が置かれます。

この戦術は守備メインですが、もちろん攻撃もします。そもそも攻撃もしないと勝てません。パーキングバスの戦術を採用しているチームの多くは、カウンターで得点します。守備体制を重視することで相手プレイヤーを自陣の深いところまで誘い込むことが可能です。自陣側でボールを奪うことに成功すると、相手側のピッチががら空きになっていることがあります。その際、ボールを飛ばしてカウンターで得点のチャンスを作ります。

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