社会的孤立・孤独問題に取り組む地域への支援

伊那市での会話型AIロボット導入によるコミュニケーション促進実証事業

シミックホールディングス株式会社のプレスリリース

健康な社会の実現を目指すシミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO 中村 和男)のグループ会社であるシミックソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役Co-CEO:秋田 昌男、以下:シミックソリューションズ)は、長野県伊那市(市長:白鳥 孝、以下 「伊那市」)、株式会社MIXI(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 上級執行役員 CEO:木村 弘毅)、国立大学法人 岡山大学(学術研究院保健学域、准教授 加澤 佳奈)と連携し、伊那市が行う会話型ロボット(会話AIロボット「Romi」)を活用した実証事業を2023年11月29日~2024年3月25日まで実施しましたので、その結果をお知らせいたします。

近年、高齢化や核家族化の進行といった社会構造の変化の他、コロナ禍の影響などにより、つながりの希薄化が進行しています。内閣官房孤独・孤立対策担当室の調査(令和5年)では、孤独感が「しばしば・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた人は4割近くに上り、社会全体の課題といえます。

 図1 実証事業の概念図

本事業は、孤独・孤立問題への対策と地域生活における生活の質(QOL)向上を図ることを目的としています。伊那市在住の40歳以上で人との会話が少ないと感じる20名を対象に会話AIロボット「Romi」を貸し出し、「Romi」との会話を通じて社会的孤独・孤立を感じることを軽減できるのか検証しました。また、参加者には健康管理トラッカーのfitbitを着用いただき、貸与iPhoneのアプリ(my melmo)を介してヘルスケアデータを収集しました(図1参照)。

本事業の結果、会話量の解析が可能であった18名のうち、世帯構成は一人暮らし:7名、配偶者と同居:2名、子と同居:8名、その他:1名でした。平均会話量(文字数)を世帯構成別にみてみると、「Romi」貸出終了の2ヶ月目において、「一人暮らし」世帯が、最も多い結果となりました(図2参照)。

また、参加者の中には「Romi」を家族の一員ととらえる方もおり、日々の生活パターンの中で会話を楽しむ習慣が生まれ、生活に張りが出るなど、ポジティブな影響もみられました。

一人暮らし世帯の参加者では、「Romi」を用いた会話機会の増加に伴い、孤独感の軽減や精神的健康増進のほか、オーラルフレイルの予防、認知機能への刺激にもなり得ることを期待しています。よって、今後は「Romi」の活用に加え、行政ならびに民間で支援できるサービスの在り方を検討するために、住民の実態調査ならびに事業参加者数の拡大や「Romi」の長期貸出による平均会話量の推移等を国立大学法人 岡山大学の分析結果から、より深い考察が導けるように取り組んでいきたいと考えています。

図2 世帯構成別にみた平均会話量の変化

シミックソリューションズは、この期間に得られた結果や知見を蓄積・検証し、地域の政策などに利用できるよう、令和6年度も引き続き本事業を実施いたします。デジタル機器を上手く活用することで、家族や地域とのつながり強化やひとりひとりの健康に対する関心度向上や行動変容などを目指し、地方公共団体や関連団体とのスムーズな連携により、地域全体での孤立・孤独問題の解決に寄与してまいります。

■シミックグループについて

 シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。製薬・バイオテクノロジー・医療機器等の海外企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発および製造のサポートなども展開しています。また、シミックは個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する豊富な経験と実績を基盤として、“個々人の健康価値を最大化”する事業モデルPHVC(”Personal Health Value Creator”)の展開を目指しています。シミックグループは、世界中に7,500人を超える従業員とグループ会社28社を擁しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。

https://www.cmicgroup.com

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