電通、第18回「ウェルネス1万人調査」を実施

電通のプレスリリース

 株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:佐野 傑)において、ヘルスケア領域のターゲット戦略やビジネスモデルの策定から開発、市場投入、コミュニケーション施策までをワンストップでサポートする専門組織「電通ヘルスケアチーム」は、全国20~60代の男女計10000人を対象に、第18回「ウェルネス1万人調査」(以下「本調査」)を実施しました。2007年から毎年実施している本調査では、生活者の健康意識や行動から、ヘルスケア領域における最新動向や市場ニーズについて生活者視点で調査しています。
 本調査で得られた主なファインディングスは次のとおりです。

【主なファインディングス】
使用意向率・現在使用率が最も高いヘルステックは、「心拍数や歩数、睡眠の質などを測定できる腕時計型デバイス」(使用意向率:33.7%、現在使用率:11.7%)。現在使用率は2020年比で181%に。また、栄養状態や腸内環境、睡眠の質などを検査・測定するサービスの使用意向率現在使用率伸長傾向。
 
女性は、日々のコンディション把握に関連する「心の疲れ度(ストレス)」や「睡眠の質」などのヘルスケアデータへの関心が高く、男性は、「血圧」「体脂肪率・内臓脂肪レベル」などへの関心が高かった。また、ヘルスケアデータを活用したサービスの利用意向について、全体の半数以上が「利用したい」と回答した。
 
健康のための「商品」にかけている1カ月あたりの金額は、直近5年間で最も少ない1269。また、健康のための「サービス」にかけている金額は、2023年(896円)から増額し948円に。
 
生活者が感じる「頭痛」の原因の1位は、気象影響である「気圧の変化(55.5%)」。また、「耳鳴り・耳の閉塞感」や「だるさ」などの軽度不調の原因においても「気圧の変化」が3位以内にあがった。
 
「ウェルビーイング」という言葉の認知度は約3割(31.1%)。初回調査の2022年(20.8%)から10pt以上増加したものの、言葉の認知度は生活者の約3割にとどまる。
 
注)本調査における構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
 
 
【各ファインディングスの詳細】
使用意向率・現在使用率が最も高いヘルステックは、「心拍数や歩数、睡眠の質などを測定できる腕時計型デバイス」(使用意向率:33.7%、現在使用率:11.7%)。現在使用率は2020年比で181%に。また、栄養状態や腸内環境、睡眠の質などを検査・測定するサービスの使用意向率現在使用率伸長傾向。
 
・ヘルステックを活用したサービスや商品に関する使用意向率・現在使用率は、「心拍数や歩数、睡眠の質などを測定できる腕時計型デバイス」が最も高い(使用意向率:33.7%、現在使用率:11.7%)。また、2020年のスコアと比較した使用意向の成長率は141%、現在使用の成長率は181%に。【図表1】

・また、「尿や便の一部を採取することで、自分の栄養状態や腸内環境が把握できる検査キット」(使用意向率:33.0%、現在使用率:3.9%)、「睡眠の質を測定してくれるベッドや寝具」(同:29.8%、同:4.7%)などの検査・測定サービスも2020年以降、伸長傾向にある。【図表1】
 
・「1日に必要な栄養の大半が取れるパンや麺(完全食)」(使用意向率:24.6%、現在使用率:5.1%)の使用意向率・現在使用率も、同じく伸長傾向。【図表1】
 
【図表1】
Q. ヘルスケアに関するテクノロジーを活用した下記のサービスや商品について、あなたの利用状況や今後の利用意向をお知らせください。(n:10000)
 
 
 

※ 成長率は、2024年スコアと2020年スコアの比較値。調査項目にあげたヘルステックの「使用意向率」と「現在使用率」の成長率の平均値を、共に上回った項目を抽出して掲載
 
 
女性は、日々のコンディション把握に関連する「心の疲れ度(ストレス)」や「睡眠の質」などのヘルスケアデータの関心が高く、男性は、「血圧」「体脂肪率・内臓脂肪レベル」などへの関心が高かった
また、ヘルスケアデータを活用したサービスの利用意向について、全体の半数以上が「利用したい」と回答した。
 
・自身の健康状態を表すヘルスケアデータについて、女性は、「心の疲れ度(ストレス)」(39.0%)や
「睡眠の質」(36.3%)、「ホルモンバランス」(33.4%)など日々のコンディション把握に関連する項目への関心が高かった。男性は、「血圧」(36.6%)、「体脂肪率・内臓脂肪レベル」(29.6%)など、健康診断で指摘されやすい項目への関心が高かった。【図表2】
 
・「データによって、自分の健康寿命に影響がある要素を測定/予測できる【ヘルスケア】」(利用したい:63.4%)や「睡眠状態や活動量など、日頃の体調・からだの状態に関する情報を一元管理できる【ウェルネス・コンディショニング】」(利用したい:62.7%)をはじめとするヘルスケアデータを活用したサービスの利用意向について、全体の半数以上が「利用したい」と回答した。ただし、「有料でも利用したい」と答える人は10%以下だった。【図表3】
 
【図表2】
Q. あなた自身の健康状態のデータについて、どのようなものに関心がありますか。(n:10000)

※上位10項目を抽出して掲載

 
【図表3】
Q. 以下の「健康データの管理」について、あなたはどの程度利用したいと思いますか。(n:10000)
 
※「利用したい」のスコア上位10項目を抽出して掲載
 
 
健康のための「商品」にかけている1カ月あたりの金額は、直近5年間で最も少ない1269円。また、健康のための「サービス」にかけている金額は、2023896円)から増額し948円に。
 
・健康のための「商品」にかけている1カ月あたりの金額は、2023年の1331円から減額し1269円で、2020年からの直近5年間で最も少なかった。【図表4】
 
・一方、健康のための「サービス」にかけている1カ月あたりの金額は、2023年の896円から増額し948円だった。【図表5】
 
 【図表 4 】
Q. あなたは健康のための「商品」に、1カ月あたりどのくらいお金をかけていますか。(n:10000)
 

 
【図表 5 】
Q. あなたは健康のための「サービス」に、1カ月あたりどのくらいお金をかけていますか。(n:10000)
 

 
 
生活者が感じる「頭痛」の原因の1位は、気象影響である「気圧の変化(55.5%)」。また、「耳鳴り・耳の閉塞感」や「だるさ」などの軽度不調の原因においても「気圧の変化」が3位以内にあがった。
 
・生活者が感じる「頭痛」の原因は、「ストレス(51.2%)」「体質(29.7%)」を上回り、気象影響である
「気圧の変化(55.5%)」が1位に。その他、「耳鳴り・耳の閉塞感」「だるさ」「気分の落ち込み」「やる気の低下」「集中力不足」「肩や首筋のこり」などの日頃悩まされたり、気にしている軽度不調の原因の3位以内にも「気圧の変化」があがった。【図表6】
 
【図表6】
Q. あなたが日頃悩まされている、気にしているものの中で、以下についてお伺いします。その原因は何だと思いますか。(複数回答可)(n:6883) 
 
※「気圧の変化」が上位3項目に入っている軽度不調を抜粋して掲載
※n数は、心身の不調を感じる症状について聴取した質問「あなたが日頃悩まされているものや気にしているものをすべてお知らせください。」に対して、軽度不調に該当する症状を選択した人の数
 
 
「ウェルビーイング」という言葉の認知度は31.1%。初回調査の2022年(20.8%)から10pt以上増加したものの、言葉の認知度は生活者の約3割にとどまる。
 
・「ウェルビーイング」という言葉について、「内容まで理解している」(7.0%)、「見聞きしたことがある程度 (内容はわからない)」(24.2%)と、認知度は31.1%に。初回調査の2022年の20.8%(内容まで理解している:4.6%、見聞きしたことがある程度(内容はわからない):16.2%)から10.3pt増加したものの、言葉の認知度は生活者の約3割にとどまる。【図表7】
 
【図表7】
 Q. あなたは、ウェルビーイングの言葉やその内容をご存知ですか。(n:10000)
 

 
 
【電通ヘルスケアチーム 調査担当者の解説】
 今年の調査では「軽度不調の原因」や「関心のあるヘルスケアデータ」に関する質問を新設しました。「軽度不調の原因」の調査結果においては、気圧の変化などの「天候影響」を実感している人が多く、近年の気候変動も影響しているのではないかと考えています。「関心のあるヘルスケアデータ」の調査結果からは、女性は、ホルモンバランスのメンタルへの影響、睡眠などの休息、メンタルケアなどを意識していることが明らかになりました。また「ヘルステック」の利用意向や使用状況に関しても、睡眠やストレス関連のサービス・商品の伸長が見られました。本調査から見えてきた、生活者を取り巻くウェルネスの実態・実感・インサイトの「現在」と「過去からの変化」が、健康行動の促進に向けたマーケティングや事業開発に取り組む、ヘルスケア業界で働く皆さまの生活者理解の一助となれば幸いです。
 
【電通ヘルスケアチームの概要】
 ヘルスケア領域に特化したプランナーが所属し、医療用医薬品、OTC医薬品、食品、ヘルステックなどの幅広い業界の事業戦略、マーケティング戦略をサポートするチーム。ウェルネス1万人調査をはじめ、医師/薬剤師の調査や患者調査など豊富なデータソースを活用し、ヘルスケア領域での事業/コミュニケーション活動をサポート。
 
【調査概要】
・目   的:生活者の健康意識と行動からヘルスケアの現状を把握し、消費者視点で見たヘルスケアトレンドを予測。
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:20~60代の男女
・サンプル数:10000 ※性年代、地域構成比を人口構成比(R2国勢調査)にあわせて回収
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2024年6月7日~6月10日
・調 査 機 関:株式会社電通マクロミルインサイト
 
(参考)過去調査
・第15回調査(2021年12月10日発表。調査期間:2021年9月21日~9月24日)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/1210-010475.html
・第16回調査(2022年12月15日発表。調査期間:2022年9月16日~9月18日)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/1215-010571.html
・第17回調査(2023年8月30日発表。調査期間:2023年6月9日~6月12日)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2023/0830-010631.html
 
                                           以上

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