美容クリニックの施術やコスメで話題の「マイクロニードル美容」って? 肌を針で刺して大丈夫?今さら聞けない、「マイクロニードル美容」の原理を美容皮膚科医が解説

株式会社ユーグレナのプレスリリース

画像:Shutter Stock

 近年、日本国内や韓国の美容クリニックでの施術を受ける女性が増えてきました。
美容皮膚科施術の手法の一つでもある、肌に針を刺すことによって肌自体の創傷治癒力(傷を治そうとす力)を利用し健康的な肌を目指すことを目的としたマイクロニードル施術はSNSでも話題を呼び、同じ原理を活用したマイクロニードルコスメも続々と登場しています。
 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、全国の20代~70代の女性1000人に「マイクロニードル美容」の認知度について調査を行いました。

 「肌に小さな針や細かい針を刺す・塗るといった原理の美容施術やコスメ、“マイクロニードル”の効果について、どれくらい知っていますか?」という問いに対し、「どのような効果があるのか説明できる」という人は1000人中91人(9.1%)、「聞いたことはある/知ってはいるが、効果について説明できない」という人は35.9%、「知らない」と答えた人は55%でした。半数以上が、「マイクロニードル」という美容手法を認知はしていますが、その効果について正確に理解している人はまだまだ1割以下です。
 肌に針を刺す施術であるがゆえに、安全で衛生的な管理が求められる手法でもあるマイクロニードルについて、美容皮膚科医の横山歩依里先生に、そのメカニズムや注意点について伺います。

【監修】

エルムクリニック麻布院 院長 美容皮膚科医 

横山 歩依里先生

広島大学医学部医学科卒業。JCHO東京新宿メディカルセンター及び関連病院(国立国際医療研究センター病院、東京山手メディカルセンター)にて勤務。皮膚科・形成外科研修。2022年7月にエルムクリニック麻布院を開院。美容皮膚科学会所属、ジュビダームビスタ認定医、ボトックスビスタ認定医、日本化粧品検定1級。

■マイクロニードルのメカニズムとは?
マイクロニードルとは、肌に微小な傷をつける(孔をあける)ことで、「創傷治癒」という自然な治癒プロセスを刺激する施術や手法全般のことです。この過程で、肌の線維芽細胞の一種であり真皮にある弾性繊維のコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、シワやたるみの改善、毛穴の縮小、肌のトーンやテクスチャの改善など、多岐にわたる効果に期待した施術です。

■美容皮膚科でのマイクロニードル施術

美容クリニックで行っているマイクロニードルを使った施術でメジャーなものといえば「ポテンツァ」と「ダーマペン」です。これらはマイクロニードリングデバイスの名前で、肌の再生を促進するために微小な針を使用します。いずれも施術前に麻酔クリームを塗布し、施術中の痛みを軽減します。治療後、赤みや腫れが数日間続くことがありますが、通常は1週間程度の短期間で回復します。

2つの大きな違いはデバイスの設計や機能で、ポテンツァは特定の治療薬や美容液を同時に浸透させることに特化している場合が多く、ダーマペンは針の長さや速度を自動的に調整できるという点が特徴です。ポテンツァは1、9、16、21、25、49本と様々なチップ(針)の本数のものがあり、最近は25本のものが人気です。ダーマペンは最新式のものはチップが16本になります。

■使用する代表的な美容成分
ポテンツァでは、PLLA(ポリ-L-乳酸(Poly-L-Lactic Acid))というコラーゲンの生成を促進するといわれる薬剤を注入することが多いです。ニキビ跡を目立たなくする目的での施術にも活用されます。

■マイクロニードル施術の後には高熱の高周波で肌のリカバリーをサポート
マイクロニードル施術の後は、「創傷治癒」の効率を高め、細胞の施術後のダウンタイムを軽減するために高周波(RF波・ラジオ波とも言う)を当てます。高周波は、美容や医療の分野で広く利用されている電磁波の一種で、皮膚の深部に熱を加えることでマイクロニードル施術の効果効率をサポートします。皮膚に対して無線周波数(通常1~2MHz)のエネルギーを使用し、真皮層に存在するコラーゲンの生成を促進し、出血を抑えられるのでダウンタイムが軽減できます。また、内側から肌を引き締め、ハリ・ツヤを出すことにもつながりやすくなります。
赤ら顔の主な原因は、様々な内的外的な刺激が要因で炎症がおき、新生血管が増生されることですが、ポテンツァのRFでは真皮層の毛細血管に熱を与えるので、新生血管を抑制することで赤ら顔を改善することもできます。

■施術を受けられない人はいる?
強い炎症が出てしまっている方や、クリニック来院時に専用の肌診断機で写真を撮影し、肌表面には出てきていないけれども潜在的な炎症が複数個所に見受けられる方などは、まずその炎症を落ち着けてから改めて施術をするようにします。膿が酷いニキビが多発しているときは施術できないこともあります。毛嚢炎(毛包炎、毛穴の奥の毛根を包んでる部分(毛包.毛嚢)に起こる炎症)がある場合は悪化するケースも多いので、施術を見合わせる場合があります。

ダウンタイムを短くするためにできるセルフケアは?
施術後は、ガーゼなどで覆う必要はありません。クリニックの方針にもよりますが、肌の水洗い、普段のスキンケアは、施術後6時間あけてから可能です。クレンジング、洗顔料の使用、日焼け止めの塗布は丸1日あけてからにしましょう。また、摩擦もなるべく避けるようにしましょう。ピーリングは最低1週間、できれば2週間は控えてください。
治癒している最中は乾燥しやすくなるので、バリア機能を保つため、ナイアシンアミドやセラミドといった保湿成分を含んだクリームで保湿しましょう。日焼けも炎症のリスクがあるので避けてください。
食事について特に制限はないですが、アルコール、香辛料は血流に影響を与えることで内出血を起こし、傷跡が腫れやすくなるおそれがあるので、施術直後は避けたほうが良いでしょう。塩分の摂りすぎも、顔を浮腫ませてしまうので控えましょう。

■自分で使えるマイクロニードルコスメがある?
最近では、クリニックの施術のメカニズムを応用したスキンケアコスメも登場しています。
大別すると、ダーマペンのような注射器状(インジェクション型/注入型)のスティックの先についた無数のマイクロニードルを肌に押し当て、角層まで刺さったマイクロニードルから美容成分を注入するもの、パッチ状のシートにヒアルロン酸などの成分を針状に固形化した突起が剣山のようにたくさんついているもの、そして、美容液やクリームファンデーションといった液状のスキンケア剤の中に、塗布後に溶ける美容成分を小さな針状に固形化して配合したものや、小さな針状のパウダーを化粧水や乳液などの液状のものと混ぜて肌に載せるものがあります。クリニックの施術と違い化粧品は、真皮の上の角層のところまでニードルが到達するものになります。 角層に刺し当てて直接美容成分を注入するという点では、インジェクション型のコスメが美容施術にもっとも近いスタイルかもしれません。
ほうれい線やおでこの皺、目尻の皺、唇の周囲など、エイジングサインが気になるところに日常的な集中ケアとして活用すると、美容施術と同程度の効果ではなくとも、ダイレクトなケアができるかもしれません。
美容成分としては、ヒアルロン酸、レチノールやセラメントといった成分が入っているものを試してみるのもおすすめです。

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