「更年期のメンタル不調に関する実態調査」を実施 30~60代女性の約8割がメンタル不調を感じていると回答

〜更年期前は「家計・育児」、更年期後は「健康」など世代別で感じるストレスが異なることも判明〜

クラシエ薬品株式会社のプレスリリース

 漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社では、30代~60代の女性1,236人を対象とした「更年期のメンタル不調に関する実態調査」を実施しました。

 当社では、これまで半世紀以上にわたって、女性の多種多様なお悩みに寄り添った漢方薬を提供してきました。女性特有の疾患に対応する漢方薬の需要は増加傾向にあり、近年、市場が拡大する“フェムケア”カテゴリーについても、当社の注力テーマの一つとして捉えています。

 夏休みが明けて仕事や学業が始まる時期は、急激な気温の変化と生活面での変化が重なり『9月病』と呼ばれるメンタル不調に陥りやすい時期です。特に更年期世代はホルモンバランスの影響も受けるため、よりメンタルの不調を感じやすくなる可能性もあります。そこで今回は“更年期のメンタル不調”に着目した実態調査を行い、世代別によるメンタル不調の違いを分析しました。また、更年期のメンタル不調について、メカニズムや対策を婦人科医の医師が解説します。

<「更年期世代のメンタル不調に関する実態調査」トピックス紹介>

●30代~60代女性の約8割がメンタル不調を実感

 30代~60代の女性1,236名に、直近1年以内感じた「心の不調・お悩み」(※1)について尋ねたところ、30代~60代の女性の全体の81.8%が何らかのメンタルの不調を感じたことがあると回答しました。

※1「心・メンタル不調」の症状には次の症状を含む:ストレス・気疲れ、イライラ、意欲・やる気の低下、夜中に目が覚める、不眠・眠れない、怒りっぽい・不機嫌になる、自分に自信がない、不安感・恐怖感がある、記憶力の低下・物忘れ、他人に会いたくない、集中力の低下・ボーっとする、家事や仕事がはかどらない、涙もろい・すぐに泣いてしまう

メンタル不調は更年期にあたる世代(45-54歳)でピークに

                一方、更年期後の世代(55-69歳)は軽減傾向も

 続いて、更年期世代の前後を含む3世代(※2)でメンタル不調の実態を比較したところ、更年期にあたる世代(45-54歳)は85.0%と最も高いスコアになりました。さらに、更年期前の世代(30-44歳)でも同等のスコア(84.1%)がみられたことから、メンタル不調は比較的早くから現れる傾向が伺えます。

 一方、更年期後の世代(55-69歳)は他の世代よりも10%程度下がり、メンタル不調が落ち着く傾向がみられました。更年期後は比較的女性ホルモンの増減が少なくなり、自律神経のバランスも安定することからメンタル不調が軽減する可能性が考えられます。

※2一般的に日本人女性の平均閉経年齢といわれる50歳を基準に前後5年を含む計10年間を「更年期にあたる世代(45-54歳)」としています。更年期にあたる世代の前後をそれぞれ「更年期前の世代(30-44歳)」と「更年期後の世代(55-69歳)」としました。

●症状は更年期前・更年期にあたる世代は「ストレス・気疲れ」「イライラ」が上位に

                                更年期後は「睡眠」関連に変化

 続いて、具体的な症状別にみたところ、全体では「ストレス・気疲れ」(49.8%)や「イライラ」(38.0%)「意欲・やる気の低下」(34.4%)が上位にあがりました。世代別に比較すると、更年期前の世代と更年期にあたる世代では全体と同様の傾向が見られた一方、更年期後の世代は他の世代に比べて「夜中に目が覚める」(32.7%)や「不眠・眠れない」(28.2%)など睡眠に関するお悩みが多いことが分かりました。この結果から、更年期が終わると徐々にメンタルのお悩みが軽減し、内容にも変化が表れる傾向がうかがえます。

●世代別ストレス要因:更年期前は「家計・育児」、更年期・更年期後は「健康」

 日常生活でストレスに感じていることについて尋ねたところ、全体では「将来の不安」が48.6%と最も多いことが分かりました。次いで、「収入・家計・金銭面」(41.6%)、「自身の健康・体調・体質」(41.3%)にストレスを感じているという結果になりました。

 世代別でストレス要因を比較してみると、年齢による違いが明らかになりました。更年期前の世代では「収入・家計・金銭面について」(50.8%)が1位となり、他の世代ではみられなかった「育児」(25.4%)が上位に入る結果となりました。更年期前の世代はまだ幼い子をもつ親も多いことから、家計の不安に加えて子育てにおけるストレスも感じていることが分かります。一方、更年期にあたる世代と更年期後の世代になると、「健康面」に対するお悩みや不安を感じる方の割合が高くなる結果となりました。ライフステージに応じて、家計や育児の不安から、自分自身の不安へと、ストレスの要因も変化する傾向が見られました。

○実施時期:2024年7月8日(月)~7月10日(水)

○調査手法:インターネット調査

○調査対象:全国の30~69歳の女性1,238人(年代別の人口構成比に合わせて回収)

※本調査に先立って全国の10,000人に対して更年期症状の自覚の有無を問うスクリーニング調査を実施し、更年期世代の区分(※3)に該当する1,236人を対象にアンケートを実施。

○調査委託先:株式会社 H.M.マーケティングリサーチ

※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

【藤沢女性のクリニックもんま 門間先生による解説】

なぜ更年期になると心の不調が現れるのでしょうか?

 年齢を重ね更年期に近づくと、卵巣の機能が低下しエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が急激に減少します。エストロゲンの急激な減少によりホルモンバランスが崩れ、自律神経に影響を及ぼすため、心身の不調が現れることがあります。さらに、更年期の症状はホルモンバランスの影響だけでなく、仕事や家庭環境などの心理的要因も関わっていると言われています。

・更年期症状のお悩みを訴えて来院される患者さんはどれくらいいらっしゃいますか?

 更年期症状で婦人科を受診される方は全体の4割程度です。受診される方の多くが日常生活に支障が出始めてから来院されることが多いです。ここ数年、メンタル面の不調に悩まれている方も増えてきていると実感しています。メンタル面の不調は悪化するとうつ病になる可能性もあるため、何もする気が起きない、眠れないなどの少しでも気になる症状があれば、気軽に医師に相談してみてください。

藤沢女性のクリニックもんま 門間先生  

・更年期症状を訴える患者さんへの病院での治療方法について教えてください。

 まずは、カウンセリングをし、お悩みの症状や生活習慣についてもお伺いします。食事や睡眠など、生活習慣の中で改善できることがあれば、生活改善の指導を行います。また、必要に応じて薬物療法や漢方療法、ホルモン補充療法、プラセンタ注射を用いることもあります。基本的には、患者さんのライフスタイルと症状にあった治療方法を提案しています。

・更年期と上手く付き合っていくためのアドバイスを教えてください

 まずは、更年期について知ることが大切です。どういった症状があるのか知っておくだけで、症状が出た時に「更年期かも」と受け止めることができるようになります。自分が更年期かもと感じたら、自分の症状を理解して、自分の症状に合った対策を見つけてみましょう。更年期症状にお悩みの方は、我慢せずに一度医師へ相談することをおすすめします。

【体質別:食事でメンタル面の更年期症状を改善する方法】

◎イライラするタイプの人

怒りっぽい、頭痛、めまい、イライラするといった症状がある方は肝の気が滞っている傾向があります。肝は自律神経や情緒などをコントロールする臓腑のため、肝が不調になると、イライラしたり怒りっぽくなったりします。このタイプの人は気を巡らせる効果が期待されるみかん、レモンなどの酸っぱい食材、またはゴーヤなどの苦い食材を摂ることをおすすめします。

◎ストレス・気疲れを感じるタイプの人

ストレスによる気疲れやだるさを感じる方は「血」が不足または滞っている傾向があります。このタイプの人は「血」の巡りをサポートするたまねぎや青魚を摂ることをおすすめします。また、胃腸の状態が悪いと「血」が不足するため、筋肉の緊張をゆるめ、胃腸の働きを助けるキャベツやゆり根、やまいもなどの自然の甘味がある野菜を摂っていきましょう。

▶「Kampoful Life」薬膳食材図鑑

https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/yakuzen/

 季節や体質・体調に合わせて食材を選べる「薬膳食材図鑑」では、現在100の食材を掲載中です。今後も随時食卓に上がる食材を追加していく予定です

・更年期関連のメンタル不調におすすめのクラシエ薬品の漢方薬

【ストレスなどによる気疲れ、抜けないだるさを感じる方におすすめの漢方薬】

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

 「柴胡桂枝乾姜湯」は、体質(素体)が比較的虚弱な傾向のある方に向いている処方で、心身の疲れ=気疲れ&だるさの症状を改善します。胃腸の状態が悪いと、「血」=栄養素が不足し、貧血や冷え症といった症状が現れることがあります。そういった方の動悸、息切れ、気疲れなどの症状に適しています。ほっと気が抜けたときに疲れてしまう、一気に疲れが押し寄せてくる、といったことを感じる方の自律神経を整えたり、興奮をしずめます。

<漢方セラピー>

JPS柴胡桂枝乾姜湯エキス錠N【第2類医薬品】

希望小売価格:2,640円/8日分(税込)

効能:体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の乾きがあるものの次の諸症:更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎

【イライラにおすすめの漢方薬】

加味逍遙散(かみしょうようさん)

 漢方では、「血」の不足から「気」が体内に溜まり、それが熱に変わって様々な症状を引き起こすと考えています。この処方は、「気」を全身に巡らせると同時に溜まった熱を冷まし、さらに足りない「血」を補うので、体のバランスを整えてくれる効果があります。自律神経を調整し、女性ホルモンの変動によって生じるイライラを鎮め、身体症状も改善していきます。

※「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

<漢方セラピー>

「クラシエ」漢方加味逍遙散料エキス錠【第2類医薬品】

希望小売価格:2,640円(税込)/4日分

効能:体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症

■クラシエ薬品について

クラシエ薬品は漢方のプロフェッショナルとして、半世紀以上にわたり日本に暮らす人々の健康で豊かな暮らしをサポートしてきました。漢方薬を中心に一般用医薬品から医療用医薬品まで自社一貫体制の下で幅広く提供しています。

近年、健康の価値や暮らしのあり方が大きく変化している社会の状況を受けて、クラシエ薬品は漢方事業における医療用分野と一般用分野の連携を強め、「クラシエの漢方」として事業一体で漢方薬を通じた健康価値の提供を高めていくことに挑戦していきます。

漢方を通じて、日本に暮らす人々が自らの健康を総合的に見つめ、理想とする健康的な暮らしをつくることをサポートしていきます。

今、あなたにオススメ