新剤型を可能とした精密充填技術を構築、生産スタート

シワ改善医薬部外品として国内初(※1)の「用時調製」剤型、新施設テクニカルディベロップメントセンターにて

株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのプレスリリース

 ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)は、横浜市戸塚区の横浜事業所内に新設した研究・生産施設テクニカルディベロップメントセンター(TDC)において、ニールワン®(※2)配合の「用時調製」剤型(※3)の製造を可能とする充填技術を開発し、生産体制を整えました。

 TDCにて、異業種設備を応用した特別な製造技術を開発 

 日本初(※4)のシワ改善医薬部外品の有効成分であるニールワン®は、水と接触すると徐々に分解されていくため、安定な状態を長期間保つことができません。そのため、ポーラ化成工業では水相と油相に分かれた少量の2剤を、使う直前にお客様ご自身が混ぜることでエマルション(乳化物)が完成する「用時調製」剤型の開発※5を行いました。このような特別なタイプの剤型では製造過程においても通常の製品とは異なるさまざまな工夫が必要となります。中でも容器に製剤を入れる充填工程では、格段に高い精度が求められることから、3つの技術開発を行いました。

 この肝となったのは、横浜の研究拠点に新設されたテクニカルディベロップメントセンター(TDC)による異業種の製造技術の応用です。

用時調製製品の品質を担保する3つの特別技術 

 用時調製では、混ぜたときに有効成分が一定の濃度になるように、各容器に正確な量の製剤が充填されていることが重要です。そこで本開発では、必要量を正確に容器に入れるための充填機構を特別に開発しました。


【3つの技術開発】

  1. 超精密充填: 半導体・電子デバイスの製造分野で超微量液体を塗布する際に活躍している高精度充填機を活用し、液量を精密に計量・吐出する機構を開発。特に厳しい成分量管理が求められる本開発においても有効成分の配合を実現。   

  2. 充填後の誤差発生リスクゼロ化: 万が一の液だれ混入リスクを排除するため、充填後は即座に容器の口を遮断。一滴の混入も許さない機構を実現。

  3. 充填量の徹底確認: 充填完了後、必要量が間違いなく入ったことを確認するため、医薬品の有効成分の秤量で用いられる精密秤量装置で保証。高精度充填に加えて、充填結果を精密に確認する2段階の保証システムを構築。


TDCだからこそ実現したハイレベルな生産技術: 異分野技術の活用で唯一無二の生産拠点へ 

 本技術は、研究~開発~製造のプロ人財と実験設備を集約したテクニカルディベロップメントセンターTDCにて開発されました。企画・設計~研究、生産の組織が一丸となる事で技術構築に成功し、さらにTDC内の生産施設を最大活用した技術検証サイクルを経ることで、スムーズに生産がスタートしました。

 ポーラ化成工業では本技術開発を皮切りに、異分野での特殊技術を着想にお客様のニーズに応え新規技術創出を進めていきます。今後の技術発展にもどうぞご期待ください。


【補足資料1】 テクニカルディベロップメントセンター(TDC)について

テクニカルディベロップメントセンター(Technical Development Center; TDC)

 技術開発機能の強化のため、ポーラ横浜研究所が立地する横浜事業所敷地内に新設された新施設。高度な生産技術の開発やその生産での実用化を担う。最新の知見を生み出す研究施設と最新かつ独自の設備を有する生産施設を近接させることで、処方・剤型開発から大規模生産技術の開発、そして生産までを一気通貫させ、ハイレベルなモノづくりを実現します。

 TDCは、成分やその化学的作用などの知見・技術を主にベースとしている既存の化粧品のモノづくりだけでなく、製造装置などによる物理的な力も駆使した製造方法における革新を目指す、「化学から物理へ」の思想のもと設計されました。幅広い装置の導入を可能としており、厳格な品質管理が求められる生産施設でありながらも、技術導入に対する自由度が高いことがTDCの特長です。ポーラ化成工業の企業理念「妙なる価値の創造」のもと、さまざまな製品の開発・製造の現場で高い技術を培ったプロ人財を擁するとともに、外部との共創・人財交流等も促進。今後、既存の化粧品製造設備の進化だけでなく、異分野の製造設備などの活用検討・導入にも積極的にチャレンジしていきます。

  

関連リリース:

「ポーラ化成工業、横浜に生産技術開発および生産を担う施設を拡充  研究から生産までを一気通貫させ、よりハイレベルなモノづくりへ  高度な生産機能をもつ新工場を内設し2024年1月より生産を開始」(2023年12月21日)

※1 2024年3月に2剤混合式のシワ改善医薬部外品として初承認

※2 三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム

※3 使用時に2つの製剤を混ぜる製剤技術

※4 2016年7月にシワを改善する医薬部外品として初承認

※5 用時調製の製剤に関する参考リリース: 「日本で初めて承認されたシワ改善有効成分「ニールワン®」の新剤型 ニールワン®を安定に配合し、全顔に使いやすい「用時調製」技術」(2024年10月3日) https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20241003_4.pdf 

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