加齢によってまぶたがたるみ、老けた印象に アセチルコリンエステラーゼの過剰な活性を抑制するエキスの研究成果を報告
株式会社ポーラのプレスリリース
株式会社ポーラ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:及川美紀)は、2024年10月14日~17日にブラジル・イグアスで開催される第34回 国際化粧品技術者会連盟(以下 IFSCC)世界大会のポスター発表部門において、まぶたのたるみ改善研究の成果を三生医薬株式会社と共同で発表します。
◆論文タイトル
『アセチルコリンエステラーゼの過剰な活性を抑制することで非外科手術的にまぶたのたるみを改善する』
英文名:Nonsurgical approach to improving eyelid sagging by suppressing excessive increases in acetylcholinesterase levels
発表者:株式会社ポーラ POLAイノベーションセンター:◯出川 朋美、宮﨑 博隆、多田 明弘
三生医薬株式会社:本間 智秋、五十嵐 くみこ、大川原 正喜、黒野 昌洋
◆発表内容
加齢に伴い、顔全体の印象は変化します。老化印象を想起させる要因を特定し、その変化を最小限に抑えることで、全体的な印象を向上させられると考え、研究を実施しました。
試験に同意を得た18~82歳の女性272名(平均49.1歳)の顔画像(正面、真顔)から、顔の大きさと位置をそろえた画像を作成し解析したところ、加齢によって目の縦幅が小さくなることが明らかとなりました(図1)。そこで目周りの変化が顔全体に与える影響を確認するため、主に目の縦幅を縮小した画像を作成し、400名の女性に見た目年齢を評価していただきました。評価平均年齢が基準顔(図2A)では35歳であったのに対し、目の縦幅を小さくした図2Bは46.5歳でした。このことから、加齢による目の縦幅の縮小などの目周りの変化があると、顔全体の印象が老けて見えることが明らかとなりました。
この研究に着想を得て、電子機器使用によるブルーライトの影響に着目した研究を実施しました。電子機器から発せられるブルーライトの影響で神経伝達物質を分解するアセチルコリンエステラーゼが過剰に活性化することが明らかとなりました(補足資料1)。さらにアセチルコリンエステラーゼの活性を抑える植物エキスを発見しました(補足資料2)。植物エキスを含有するサプリメントを摂取する試験においてマキベリーエキス、カシスエキスを摂取したところ、まぶたの重たさや目の開けにくさに関する自覚項目を改善する結果が得られました(補足資料3)。
これらの成果をIFSCCにて発表いたします。
目の縦幅は加齢によって低下する
図1.目の縦幅と年齢に関する研究
散布図は、年齢に応じた縦方向の目の幅の分布を示す。
統計的有意性は、ピアソンの相関係数を用いた。
目元の老化は顔全体の印象に影響を与える
図2. 目元のみ老化させた合成画像を作成
A.複数の日本人女性の顔を合成した画像:評価平均年齢35歳
B.加齢による目周りの変化を再現し、合成した画像:評価平均年齢46.5歳
【補足資料1】
ブルーライトはアセチルコリンエステラーゼの活性を高める
ヒト筋管細胞に対し、ブルーライトを照射することで細胞内で産生されるアセチルコリンエステラーゼ活性を測定しました。ブルーライトを8 J/㎠照射することで非照射群と比較して細胞内アセチルコリンエステラーゼ産生が有意に増加することが明らかとなりました。
【補足資料2】
マキベリーエキスとカシスエキスは、アセチルコリンエステラーゼの活性を低下させる
【補足資料3】
マキベリーエキス、カシスエキス摂取による効果
25名(24~65歳、平均年齢41.64±12.33歳、女性23名、男性2名)の被験者にマキベリーエキス、カシスエキスを配合したサプリメントを12週摂取してもらう試験を実施しました。摂取前と摂取後に、 実感アンケートを実施したところ、摂取によりまぶたの重たさや目の開けにくさに関する自覚項目を改善する結果が得られました。
POLA イノベーションセンター調べ
参考:デジタルデバイスの長時間使用等で、ブルーライトを過剰に浴びることにより筋収縮が抑制されるメカニズムを解明
https://www.pola.co.jp/about/news/e0bv2n000000bbve-att/po20231017.pdf(2023年10月17日)
IFSCCについて
IFSCC世界大会は、世界中の化粧品技術者・研究者にとって最も権威のある学会で、最先端の化粧品技術が披露されます。応募論文はIFSCCの厳正な審査を受け、選ばれたものだけに発表が許されます。
POLAイノベーションセンターについて
株式会社ポーラは2022年7月より本社内に「POLAイノベーションセンター」を発足しました。
サイエンス&テクノロジーを武器にオープンイノベーションを推進し、新たな価値の創出を実現していきます。