「第34回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)イグアス大会2024」にて研究結果を報告

DHI(5,6-ジヒドロキシインドール)に着目した新規ヘアカラーシステムの開発

ロート製薬株式会社のプレスリリース

ロート製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:杉本雅史)は、特定のカチオン性ポリマーを配合したシャンプー洗浄後、DHI (5,6-ジヒドロキシインドール、以下DHI)と塩基性染料/HC染料を使ったヘアカラー剤を使用する、安全性が高く、染色性やカラーバリ―エーションにも優れた新しいヘアカラーシステムを開発しました。本研究成果の一部は、国際的な化粧品技術の研究発表会である「第34回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)イグアス大会2024」(2024年10月14日~17日、ブラジル・イグアス)にて発表し、全688件の研究報告(口頭発表83件、ポスター発表605件)のうち、口頭発表のベーシックリサーチ部門におけるトップ5に選出されました。

■発表タイトル

ヘアサイエンスに基づくユウメラニン前駆体であるDHI(5,6-ジヒドロキシインドール)を用いた新規ヘアカラーシステム

Novel hair coloring system using eumelanin precursor, DHI (5,6-Dihydroxyindole) based on Hair Science

■発表者

ロート製薬株式会社 研究員 望月佑次、藤原聡頼、長濵徹

神戸大学大学院海事科学研究科 山田杏樹、堀田弘樹

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 辻野義雄

■発表概要

酸化染毛剤を用いたヘアカラー剤は高い染色性と豊富なカラーバリエーションを有しているものの、過酸化水素とアルカリ剤を同時に使うため、毛髪へのダメージや体質によってはアレルギー症状を引き起こすという課題がありました。

そこで本研究では、安全性が高く、黒髪の起源となるユウメラニンの前駆体のDHIに着目しました。まず、DHIの発色に必要なアルカリ(pH10)環境において、毛髪表面をカチオン性ポリマーで処理することでゼータ電位を上昇させると染色性が高まることを確認しました。また、毛髪をカチオン性蛍光色素で染色し、共焦点蛍光顕微鏡を用いて毛髪表面の輝度を確認した結果、カチオン性ポリマー処理により輝度が大幅に低下したことから、カチオン性ポリマーが静電的に毛髪表面に吸着したことが確認されました。次に、DHIと塩基性染料/HC染料を組み合わせることで黒~ライトブラウンレンジの多色化にも成功しました。以上より、特定のカチオン性ポリマーを配合したシャンプーで洗浄後、DHIと塩基性染料/HC染料を使ったヘアカラー剤を使用することで、安全性が高く、染色性やカラーバリ―エーションにも優れた新しいヘアカラーシステムを開発することができました。

■今後の展望

本研究の成果は酸化染毛剤を使うことで毛髪へのダメージやアレルギー症状を引き起こす人々にとって新たな選択肢をもたらすものであり、世界中の人々の若々しい状態を保つための手段の一つとして貢献できるものと考えます。


■ロート製薬株式会社 https://www.rohto.co.jp/

ロート製薬株式会社は、大阪・関西万博 「大阪ヘルスケアパビリオン」のスーパープレミアムパートナーです。

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