<11月29日は「#いいにくいことをいう日」> 第2回生理・PMSの本音と理解度調査

ツムラのプレスリリース

<11月29日は「#いいにくいことをいう日」> 第2回生理・PMSの本音と理解度調査
生理痛・PMSのつらさ 3人に1人は「言いづらい」と感じてしまっている
本当は「もっと気軽に伝えたい」80.1%
伝えた人の約8割は「伝えて良かった」、伝えることで「気持ちが楽になった」も約8割
 
 株式会社ツムラ(以下、ツムラ)は、心身の不調を無理に我慢することなく、誰もがいつでも心地よく生きられる健やかな社会を目指し、2021年より「#OneMoreChoice プロジェクト」に取り組んでいます。本プロジェクトの一環として、11月29日「#いいにくいことをいう日」を前に、ツムラは「第2回生理・PMSの本音と理解度調査」を実施しました。生理やPMSは「社会全体で話しやすい風潮になった」と感じる人が半数を超える一方、話したいのに話しづらいと感じる人も依然としています。しかし、周囲に話した人の約8割は「伝えて良かった」と実感しています。調査結果について、霞が関ビル診療所の婦人科医・丸山 綾先生にコメントをいただきました。
 

生理痛・PMSは「言いづらい」話題

●生理を経験した人の34.2%は自身の生理痛・PMSについて周囲の人に話したいと思っていても「言いづらさ」を感じ、33.3%は「そもそも人には言いたくない」と回答。結果、生理痛・PMSは言いづらい話題に。
●人に言いづらい理由TOP4、「相手にわかってもらえない」(30.4%)、「みんなも我慢している」(29.8%)、「相手を困らせてしまいそう」(28.9%)、「症状やつらさを表現しにくい」(27.8%)。10代は「恥ずかしいから」 (34.3%)が他の年代に比べて多い。
 

言いづらいと感じる人の8割は「もっと気軽に伝えたい」、でも半数は「話題の振り方さえわからない」

●生理痛・PMSの言いづらさを感じる人の8割は「もっと気軽に話したい」。
●以前より「生理・PMSについて話しやすい風潮になったと思う」(50.3%)。
●生理痛・PMSを周囲の人に伝えた経験があるのは48.5%。
●伝えた理由は「現状をわかってほしい」(63.8%)。
●生理痛・PMSのつらさを伝えた人の83.7%が「伝えてよかった」と実感。
●伝えたことで「無理をせずに休むことも大切だと思った」(82.7%)
 「気持ちが楽になった」(81.8%)「隠れて我慢をしなくて良くなった」(79.7%)。
●でも、男女の約半数が「生理・PMSについて話題の振り方がわからない」。

生理に伴う症状で不調を感じる人は約85%、生理前も生理中もどちらもつらいと感じる人が約半数

●4人中3人(76.2%)は生理のつらさを我慢しながら日常生活を送っている。生理のつらさを感じる期間は「1〜3日程度」(78.3%)が多いが、約半数が「生理前と生理中の両方」(53.8%)ともつらさを感じている。
「第2回生理・PMSの本音と理解度調査」
■実施時期:2024年9月9日(月)~ 9月12日(木)■調査手法:インターネット調査 ■調査対象:全国の15歳〜49歳の生理を経験したことがある6,000人、および15歳~49歳の男女15,000人(男性7,608人、女性7,392人)■調査委託先 株式会社エクスクリエ
★構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。★本調査では、月経について「生理」と表現しています。
 
詳細な調査結果は下記の通りです。
 

①生理痛・PMSの話題に関しての、言いづらさの実態

生理を経験した人の3人に1人は、生理痛・PMSの話を周囲の人に「言いづらい」 3人に1人は「そもそも言いたくない」

 生理を経験したことがある15歳~49歳の6,000人に、自身の生理痛やPMSについて周囲の人に話をしたいか聞きました。「周囲に話したいが、とても言いづらい」が8.1%、「周囲に話したいが、やや言いづらい」が26.1%となり、全体の34.2%は周囲の人に話したいと思っているのに、「言いづらい」と感じています。また、ほぼ同数が「そもそも人には言いたくない」(33.3%)と答えています[図1]。
 
[図1]

生理痛・PMSを人に言いづらい理由TOP4 1位「わかってもらえない」、2位「みんなも我慢している」、3位「相手を困らせる」、4位「症状やつらさを表現しにくい」

 図1で生理痛・PMSについて人に言いづらいと回答した2,054人に言いづらい理由を聞くと、「相手にわかってもらえないと思うから」(30.4%)、「みんなも我慢しているものだと思うから」(29.8%)、「相手を困らせてしまいそうだから」(28.9%)、「症状やつらさを表現しにくいから」(27.8%)が上位に挙げられました[図2-1]。
 
[図2-1]

生理を経験した10代の3人に1人は、人に言うことを「恥ずかしい」と感じている

 生理痛・PMSについて、人に言いづらい理由を年代別に見てみました。すると、10代は他の年代に比べ、「みんなも我慢しているものだと思うから」(35.2%)、「相手を困らせてしまいそうだから」(35.2%)、「恥ずかしいから」(34.3%)のスコアが高くなっています[図2-2]。以前と比べ、生理を取り巻く環境はオープンになってきたといわれてはいるものの、10代の3人に1人は恥ずかしいと感じてしまうようです。
 
[図2-2]

②生理痛・PMSの話題に関する本音と風潮

生理痛・PMSのつらさを「もっと気軽に人に伝えたい」が8割

 図1で生理痛やPMSについて「周囲に話したいが、とても言いづらい」「周囲に話したいが、やや言いづらい」と答えた2,054人に、自身の生理痛やPMSのつらさをもっと気軽に人に伝えたいかと聞きました。
 すると、80.1%(とてもそう思う20.6%+ややそう思う59.5%)が生理痛やPMSについて「もっと気軽に人に伝えたい」と答えました[図3]。
 
[図3]

生理を経験した人の半数が、以前より生理・PMSについて「話しやすい風潮」になった

 生理をテーマにした番組やセミナーが増え、フェムテック商品も登場し、生理を取り巻くコミュニケーション環境が活性化しています。そこで、以前より社会全体で生理・PMSについて話しやすい風潮になったと思うかと聞くと、50.3%(とてもそう思う7.9%+ややそう思う42.4%)が「話しやすい風潮になったと思う」と感じています。生理の話をするのは恥ずかしいと感じる10代ですが、話しやすい風潮ができていると感じる人は56.2%と、他の年代よりもやや多くなっています[図4]。
 
[図4]

 

生理を経験した人の約2人に1人は、生理痛・PMSでつらいとき周囲に伝えているがその理由は、共感や気遣いを求めるより、まずは「現状をわかってほしい」という気持ち

 人には言いづらい生理痛・PMSのつらさですが、生理痛・PMSでつらい時、周囲にそのことを伝えるかと聞くと、13.5%は「伝えている」、35.0%は「たまに伝えている」と答え、約半数(48.5%)が生理やPMSのつらさを周りの人に伝えています[図5]。
 
[図5]


 生理痛・PMSのつらさを伝えていると答えた人に、伝えることで何を求めているのかと聞くと、「現状をわかってほしい」が63.8%と最も多く、次いで「ただ聞いてほしい」(26.5%)となりました。「気を遣ってほしい」(20.3%)、「共感してほしい」(16.2%)のではなく、まずはこの現状を、このつらさを知ってほしいという理解を求める気持ちでした[図6]。
 
[図6]

8割以上が生理痛・PMSのつらさを「伝えてよかった」と実感 人に伝えることで「無理をしなくなった」「気持ちが楽になった」「隠れて我慢しなくなった」

 人には伝えづらい生理痛・PMSの話題ですが、実際に伝えている人の意見を聞いてみました。図5で生理痛やPMSのつらさを周囲に伝えていると答えた2,907人に伝えてよかったかと聞くと、実に83.7%が「伝えてよかった」(とてもそう思う20.0%+ややそう思う63.7%)と答えました[図7-1]。
 
[図7-1]


 伝えてよかったと思えた内容を聞くと、「無理をせずに休むことも大切だと思った」(82.7%)、「気持ちが楽になった」(81.8%)、「隠れて我慢をしなくて良くなった」(79.7%)など、人に伝えることで自分自身を大切にできたと実感しています[図7-2]。
 
[図7-2]

とはいえ、生理・PMSの話題について、男女とも半数が「話題の振り方がわからない」 10代女性は63.2%と最多

 生理痛・PMのつらさは人に伝えることで気持ちが楽になるようですが、15歳~49歳の男女15,000人(男性7,608人、女性7,392人)に生理・PMSの話題の振り方を聞くと、男性54.0%、女性56.4%が「生理・PMSについて話題の振り方がわからない」と答えました。性・年代別に見ると女性10代が63.2%と最も高く、生理・PMSについてどう話せばいいのか戸惑ってしまうようです[図8]。
 
[図8]

 

③生理痛・PMS症状の個人差の程度

生理を経験した人の約85%が生理前後や生理中に痛みやつらさを感じている

 生理前後や生理中に症状を感じるかを聞くと、生理を経験した人の84.9%がなんらかの症状を感じたことがあると答えています。症状としては、「腹痛」(58.8%)、「イライラ」(45.9%)、「腰痛」(44.7%)など、心身ともにさまざまな痛みやつらさを感じています。
 
[図9]

 

「ギューッ」「ズシーン」「ズキズキ」、生理前後や生理中の痛みは千差万別

 生理前後や生理中に感じる痛み・つらさを擬音語で表現してもらうと、腹痛は強く締め付けられるような「ギューッ」(43.8%)とした痛み、腰痛は突然重い衝撃を感じる「ズシーン」(51.5%)、頭痛は波が何度もくる「ズキズキ」(55.4%)とした痛みがトップに挙げられました[図10]。生理前後や生理中のつらい症状は人それぞれで、さまざまな痛みを感じています。
 
[図10]

生理のつらさは「生理中だけ」ではなく、「生理前と生理中の両方」ともつらい

 生理のつらさの度合いは、「多少のつらさは感じるが通常通り生活を送れる」(43.1%)や「通常通りとはいかないが仕事や学校には通えている」(33.1%)が多く、4人中3人(76.2%)は我慢しながら日常生活を送っています。つらさを感じる期間は「1日程度」(31.9%)や「3日程度」(46.4%)ですが、つらさを感じる時期は「生理中だけ」(35.5%)ではなく、約半数が「生理前と生理中の両方」(53.8%)ともつらいと感じています[図11]。
 
[図11]

④男女15,000人に聞いた、生理・PMSの理解度

男性の生理に対する理解度52.4%、PMSに対する理解度24.7% 2年前より高まる

 最後に、15歳~49歳の男女15,000人(男性7,608人、女性7,392人)に、生理やPMSの知識について聞きました。
「生理に伴う不調は個人差があることを知っている」(あてはまる+ややあてはまる)と答えたのは、男性52.4%:女性85.5%、「PMSに伴う不調は個人差があることを知っている」(あてはまる+ややあてはまる)と答えたのは、男性24.7%:女性72.9%でした。PMSの不調についての男性の理解度は依然低いものの、2022年の調査結果と比べると、①生理の知っている計(2022年50.5%→2024年52.4%)も、➁PMSの知っている計(2022年19.9%→2024年24.7%)もどちらも高くなっています[図12]。
 
[図12]

 

「#OneMoreChoice プロジェクト」とは

当社は不調を無理に我慢することなく、心地よく生きられる健やかな社会を目指して、#OneMoreChoice プロジェクトを、2021年3月8日の国際女性デーにスタートしました。当社が目指すのは、誰もが心地よく生きられる健やかな社会です。不調の際、治療だけではなく、休む、少しだけ働き方を変える、誰かに相談するなど、それぞれが我慢以外の自分に合った選択ができるようになり、そしてその選択肢を提示できる社会こそが、「隠れ我慢」のない健やかな社会につながると考えています。今後も#OneMoreChoice プロジェクトを通じて、健やかな社会の実現に向け取り組んでまいります。
https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/
 
「生理のつらさを、我慢しなくていい社会へ。」
誰にも迷惑をかけたくない。周りの人に言い出しにくい。
そんな理由から、「生理痛・PMSを我慢せざるを得ない」人たちの力になりたい。
ひとつひとつの問題に向き合い、誰もが我慢しなくていい社会をめざして、
漢方のツムラが取り組んでいきます。
 

産婦人科医・丸山 綾先生に聞く、生理痛・PMSとコミュニケーション

今回の調査結果について、霞が関ビル診療所婦人科の丸山綾先生にお話をお聞きしました。
 
■生理・PMSについて理解し合うために大切なのは、正確な知識を持つことと個人差が大きいものであるということを理解すること
 「自身の生理痛やPMSについて周囲に言いづらいと感じる理由」について、調査結果によると「恥ずかしいから」と回答した方が10代では特に多くみられました[図2-2]。生理痛やPMSについて「言いづらい」と感じることはあるかと思いますが、ご自身が「言いづらい」以上に、相手からはもっと聞きづらかったり、話題の振り方がわからなかったりするものです。まずは深く考えずに自分から発信してみることが大事なのではないでしょうか。
 周囲の人と生理・PMSについて理解し合うために大切なことは、正確な知識を持つこと。そして生理痛やPMSは誰にでも起こり得るありふれた症状でありながら、症状の軽い方がいたり、“病気”として診断のつくような重い症状の方がいたりと、個人差が大きいものであると理解することです。その上で、例えば誰かに相談された時に、それが自分では経験したことがないものであってもまずは受け止める気持ちが大切だと思います。
 
■気軽に話せることが、ネットやSNS以外での“身近な”情報や対処の共有につながることも
 今回の調査では、約半数の人が以前より社会全体で生理・PMSについて「話しやすい風潮になったと思う」と答えています[図4]。フェムテックや月経関連商品の開発も進み、それに伴いSNSなどでの情報量が増えたためか、私自身も、年々生理やPMSに関して話しやすい風潮になってきていると感じます。診療の現場では、特に若年層での生理痛やPMSへの対策としての低用量ピルの認知度が高まっていると実感しています。
 生理やPMSについて気軽に話せるようになると、周囲の人たちに自分の状況をわかってもらえるという安心感が得られ、ネットやSNS以外での“身近な”情報が得られる可能性が高まると思います。実際に似た経験がある方がいれば、その対処の仕方や近隣の医療機関などの具体的な話が聞けるかもしれません。そういった意味で、気軽に話せる環境が整うことのメリットは大きいと思います。しかしながら、一部の職場ではハラスメント等に対して敏感になるあまり、生理関連事項はさらに話題にしづらくなった、というケースもあるようです。もっと理解が進むことで、よりよい環境づくりにつながるといいですね。
 
■この程度で病院に行っていいのかと気にせず、症状の悪化を感じたらまず受診を
 生理前後や生理中に感じる痛みやつらさは一人一人異なります。生理前後や生理中に感じたことのある症状について尋ねた調査結果[図9]では、生理を経験した人の84.9%がなんらかの痛みやつらさを感じていました。
 どの程度なら病院に行くべきか、この程度で病院に行っていいのかと気にする方もいますが、生理痛にしてもPMSにしても、つらいと感じたら、一人で悩むのではなく専門家である医師に相談しましょう。
 例えば生理痛であれば、「鎮痛剤を飲まないとしんどい」「鎮痛剤の効果が悪くなってきた」「鎮痛剤の服用回数が増えてきた」など、ご自身の中で症状の悪化があれば、受診の目安となります。どちらも日常生活に支障を来すようなら受診してください。近年、若い方でも子宮内膜症などの疾患が増えています。そのまま放置すると症状の悪化のみならず、将来的に不妊の原因にもなる可能性があるため注意が必要です。我慢していても何一つメリットはありません。他人の症状との比較するのではなく、くれぐれも自分の中での変化に着目してください。
 
丸山 綾(まるやま・あや)先生  「霞が関ビル診療所」 婦人科医
1999年、日本大学医学部卒業。駿河台日本大学病院、丸の内クリニックなどを経て、現職。専門は産婦人科一般、漢方診療。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医。
●健康医学協会附属 霞が関ビル診療所 東京都千代田区霞が関3-2-5 https://kasumigaseki.kenkoigaku.or.jp/
 
★本調査では、月経について「生理」と表現しています。

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