令和6年度「診療報酬改定」施行から約半年【医師892名と医療機関47院にアンケートを実施】影響を感じる項目「賃上げ・基本料などの引き上げ」最多

半数以上は「生活習慣病に係る医学管理料の見直し」で経営状況変わらず

株式会社エムステージグループのプレスリリース

医業承継M&A支援サービスを提供する株式会社エムステージマネジメントソリューションズ(東京都品川区、代表取締役:田中宏典)は、医師892名と医療機関47院を対象に令和6年度「診療報酬改定」に関するアンケート調査を実施しました。

■調査背景

令和6年6月1日に2年に一度の診療報酬改定が施行されてから、半年が過ぎました。今回の改訂のポイントは、「医療DXの推進」や「外来の機能分化」「賃上げ」などがあげられますが、実際の医療機関の経済状況と乖離しているという声も少なくありません。そこで今回は、医師と医療機関にアンケート調査を実施し、自院への影響を感じる項目と、その中でも上位にあがった「外来医療の機能分化・強化」「医療DX」の2つに注目し、具体的な影響や状況についてひも解きます。

調査結果のサマリー

○診療報酬改定項目について

・関心のある項目「賃上げ・基本料などの引き上げ」が最多

 2位は、医師が「外来医療の機能分化・強化等」で、医療機関が「医療DXの推進」

・影響を感じる項目「賃上げ・基本料などの引き上げ」が最多

 2位は、医師・医療機関共に「外来医療の機能分化・強化等」

○「外来医療の機能分化・強化等」について

半数以上は「生活習慣病に係る医学管理料の見直し」で経営状況変わらず

○医療DXについて

・「DX化が進んでいる」約2割に留まる、年代間の差

・医療DXが進んでいない理由トップ「対応できる人材の不足」

診療報酬改定項目について

1. 関心のある項目「賃上げ・基本料などの引き上げ」が最多

  2位は医師が「外来医療の機能分化・強化等」で、医療機関が「医療DXの推進」に

令和6年度診療報酬改定の主な項目において、関心のある項目の最多が「賃上げ・基本料などの引き上げ」(659)となり、医師・医療機関共にトップとなりました。2番目以降を医師・医療機関のそれぞれでみていくと、医師は「外来医療の機能分化・強化等」(321)が続き、医療機関は「医療DXの推進」(30)という結果になりました。

1. 影響を感じる項目「賃上げ・基本料などの引き上げ」が最多

  2位は、医師・医療機関共に「外来医療の機能分化・強化等」に

令和6年度診療報酬改定の主な項目において、影響がある・あったと感じる項目については、医師・医療機関共に「賃上げ・基本料などの引き上げ」(510)が最も多く、次いで「外来医療の機能分化・強化等」(295)、「医療DXの推進」(200)が続く結果となりました。

「外来医療の機能分化・強化等」について

3. 半数以上は「生活習慣病に係る医学管理料の見直し」で経営状況変わらず

「生活習慣病に係る医学管理料の見直し」について、自院の経営状況が「変わらない」と回答した医師・医療機関は58.9%となり、半数以上が変化しない結果となりました。一方で、24.5%の医師・医療機関は「収益が減少した」と回答しました。

Q. 収益を減少させないために行った対策や、工夫を教えてください。(フリー回答)

【医師】

・コンサルタント会社に収益漏れがないか、チェックしてもらう

 [40代/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/産婦人科/勤務医]

・該当患者の漏れの無いよう、医事課で徹底チェックした

[60代前半/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/一般内科/勤務医)

・メディカルクラークの導入で、医師の煩雑な書面作成の手間を省いている

[50代後半/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/麻酔科/勤務医]

・試算を繰り返した[70代以上/診療所・クリニック/一般内科(訪問診療)/勤務医]

【医療機関】

・問診専属要員を作った [50代/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/事務部、部長]

・管理料算定への患者様の理解を得られるような丁寧な説明

 [50代以上/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/総務課 事務部長]

・評価シートの作成を電子カルテ上で行えるように対策を行った

[40代前半/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/事務長]

Q. 「生活習慣病に係る医学管理料の見直し」について、ご意見などございましたら教えてください。(フリー回答)

【医師】

・作業が煩雑になった[60代前半/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/消化器科/勤務医]

【医療機関】

・出来高になったことで、患者の理解は得られるが収益的にマイナス

 [60代後半/民間病院(国公立病院・大学病院以外)/事務長]

・もっと大きな視点で、根本から見直すべき[40代前半/診療所・クリニック/理事]

医療DXについて

4. 「DX化が進んでいる」約2割に留まる、年代間の差も

DX化の進捗状況が「とても進んでいる」と回答した医師・医療機関は2.5%、「やや進んでいる」と回答した医師・医療機関は18.4%となり、DX化が進んでいると回答した医師・医療機関は約2割に留まる結果となりました。また、医師の回答を年代別にみると、20代の「進んでいる」割合が一番高く31.3%となりました。反対に、一番低い割合となったのが60代以上で16.1%という結果となりました。

5. 医療DXが進んでいない理由トップ「対応できる人材の不足」が最多

医療DXが進んでいない理由について、「対応できる人材が不足している」(245)が最も多く、次いで「予算がない」(235)、「対応できる時間が不足している」(133)が続く結果となりました。

医療を取り巻く様々な要素を考慮した決断をサポートし、医療をツナグ

アンケートのテーマとなっている診療報酬改定をはじめ、“医療”の運営は様々なことを考慮し、決断をしていかなければなりません。例えば、今回の「生活習慣病に係る医学管理料の見直し」については、改定前には収益への影響が大きいという見解をする医師・医療機関は少なくありませんでした。一方で、「評価シートの作成を電子カルテ上で行えるように対策を行った」などのフリーコメントからわかるように、事前の対策をおこなうことで、その影響を抑制することもできます。特に、弊社がサポートさせていただいている医業承継は、その後の経営状況の見通しをつける上でも、医療運営に関する専門的知識や、業界感を踏まえた決断が重要となります。その地域の医療を未来にツナグために。私たちは、医療専門の承継コンサルタントとして、医療を取り巻く様々な要素を考慮した“決断”をサポートしてまいります。

株式会社エムステージマネジメントソリューションズ 代表取締役

田中 宏典 (たなか こうすけ)

医療経営士1級。医療機器メーカー、楽天株式会社を経て株式会社エムステージ入社。

医師紹介事業部長を経て、2019年、医業承継M&A事業を行う株式会社エムステージマネジメントソリューションズ(エムステージグループ)を設立。

医業承継コンサルタントとして数々の案件を担当

アンケート調査概要

・「診療報酬改定」に関するアンケート

・調査対象:医師・医療機関

・調査日:2024年12月03日~12月10日

・調査方法:webアンケート

・有効回答数:医師(892名)医療機関(47院)

※引用・転載時には「株式会社エムステージマネジメントソリューションズ」とクレジットを明記下さい。

エムステージマネジメントソリューションズの『医業承継サポート』

医師紹介業21年のエムステージグループのノウハウと全国のネットワークを活用し、後継者不足に悩む医院と、開業を志す医師のマッチングを支援しています。事業承継・M&Aの知見はもちろん、医療経営士の資格を持つコンサルタントが、医業承継に関する一連の業務をサポートします。

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株式会社エムステージマネジメントソリューションズ

病医院の円滑な事業承継を実現するためのソリューションを提供。医療機関のイノチを未来にツナグ事で、持続可能な医療の未来を実現していきます。

<会社概要>

商 号:株式会社エムステージマネジメントソリューションズ https://www.mstage-ms.jp/

代表者:代表取締役 田中 宏典

設 立:2019年10月

所在地:〒141-6005 東京都品川区大崎 2-1-1 ThinkPark Tower5階

事業内容:医業承継M&A事業

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