【年頭所感】「本物感」と「おいしさ」の追求で「心」と「からだ」の礎となる価値を提供しより多くの感動と笑顔を創造する

ヤマモリ株式会社 代表取締役 社長執行役員 三林 圭介 ご挨拶

ヤマモリ株式会社のプレスリリース

 

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 2024年は元旦に能登半島を襲った大地震から始まり異常気象がもたらす大規模な天災、世界で続く戦争と、人命の大切さと何事もない日常生活の有難さを改めて痛感する1年でした。

 経済活動では引き続き歴史的な円安が多方面に影響を及ぼしました。輸出産業・インバウンド需要を中心に景気の回復がみられた一方で、エネルギー・原料高に起因した物価上昇は生活者の防衛意識を高める結果となりました。また、11月にはアメリカ大統領としてトランプ氏の再選が決定、2025年の世界経済はアメリカの動向次第といった様相をすでに呈しています。

 当社活動においては、第8次中期経営計画の初年度として、改めて当社のビジョンを定義し、それを実現するための3つのミッション(具体的目標)を設定しました。

[企業理念] 

果てしなき夢を描き、満足を追求し続ける

[コアバリュー]4C3S

4C〈行動価値〉

・Changing with you (変化)

・Challenge(挑戦)

・Creativity(創造力)

・Customer first(お客様第一)

3S〈意識価値〉

・Speed(スピード)

・Sekkyoku Seishin(積極精神)

・Smile(笑顔)

[パーパス]

「本物感」と「おいしさ」を追求し、「心」と「からだ」の礎となる価値を提供することで

より多くの感動と笑顔を創造する

 このビジョンの下、当社では環境変化に俊敏に対応できる筋肉質な組織能力の構築を進めています。そのために取り組んでいるのが「オペレーショナルエクセレンスの追求」と「持続的競争優位性を構築するための価値創造」です。「オペレーショナルエクセレンスの追求」の一例が、4年目を迎える社内横断的組織改革・YTA(ヤマモリ・ターン・アラウンド)です。 2021年度から3年間YTA-1stとして活動、2024年度からはYTA-2ndとなって運営自体を若いリーダーに託し、原価低減・労働生産性の向上・営業力の強化・技術/研究の進化・DX推進などのテーマを持って活動を行っています。この取り組みの下、部門・世代を横断した闊達な意見交換で相互のチームのシナジー効果を生み出し、「環境適応」「意識改革」「チャレンジ」の組織風土を着実に醸成しています。「持続的競争優位性を構築するための価値創造」としては、既存技術の優位性検証や技術開発を推進しました。135年の歴史の中で蓄えてきたレシピデータベース、製造や開発の技術研究を見直し、マーケティングの視点を加えて発展を図ることにより当社の価値を高め、当社のケイパビリティ(力、能力)を最大化することが目的です。

 販売活動においては、「GABA100睡活ビネガー」の拡売に向けて大きく舵を切った1年でした。9割を超える方が睡眠不満を持つ昨今、睡眠サポート食品の市場は700億円(富士経済)を超え、さらに拡大を続けています。

「GABA100睡活ビネガー」は、ビネガードリンクとしては初めて睡眠の質向上に取り組んだ機能性表示食品です。

※2024年10月自社調べ N=279

 睡眠不安を持つお客様と健康のために酢を摂りたいお客様の両方のニーズを取り込み、発売した2023年9月より半年で予測を500%上回る成果を収め、2024年度はさらにそれを上回る勢いで推移しています。

 本年1月には満を持して第2弾・肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能をご提案した「GABA100肌弾ビネガー」を発売します。本品は30-40代女性をターゲットとして開発した商品です。毎日の食習慣の中でおいしくお肌の健康を気遣うことを提案してまいります。

 当社では自社醸造設備を用いたGABAの製法で特許を獲得しています。従って、コストリーダーシップ戦略を実行できるため、2025年にはGABA関連商品の飛躍的な売上の拡大とそれを実現するべくマーケティングプランを計画しております。GABAを核とした商品展開は今後も最大注力を図ってまいります。

 また、2024年は関西の夏の風物詩として40年に及ぶ歴史を持つ「名代缶つゆ」を、環境負荷軽減・少人数世帯へのご提案として

200mlPETボトルへ切り替える判断を致しました。記録を塗り替える猛暑・涼を求める食卓の需要を背景に販売は好調に推移しました。伝統的なロングセラー商品が時代の変化を捉え、形を変えることで新たな価値を提案し、更なる需要を獲得できることの証左となりました。

*名代つゆ缶➡200mlPETへ設計変更
*2024年9月発売・ごはんにかけるトムヤムスープ

 当社の看板商品の1つであるタイフード事業は、4代目三林憲忠の「タイと日本の架け橋になる」という強い意志の下、タイ現地の味を忠実に再現することでお客様の支持を獲得してきた商品群です。2024年にはトムヤムクンがユネスコ無形文化遺産に登録されるなど注目を集め、日本のタイフード市場はこれからも拡大することが予測されます。タイカレーが日本での発売25年となる2025年はタイフードをもう一度飛躍させる1年にしてまいります。

 2025年は昨年に増してブランド力の強化がテーマとなります。「You are what you eat.(あなたはあなたの食べたものでできている)」という言葉が示すように、我々食品メーカーの使命は人を創ることです。お客様の「心」と「からだ」を創る付加価値ある商品をご提案し、お選びいただけるブランド、より多くの感動と笑顔を創造できるブランドとなるために精進します。

 ヤマモリというブランドの下に表現されるのは家庭用商品だけではありません。ヤマモリという企業ブランドが「センスの良さ」「品質の高さ」「信頼性」「将来性」「先見性」「国際性」「環境配慮」の想起に足るものとなるよう最大限の努力を払ってまいります。

 過去最高を記録したインバウンド需要の中心は日本の「食」です。日本の食は世界をリードするすばらしい文化であり、我々食品産業はその文化を創り出す、世界で最も優れた技術を有しているといえます。ヤマモリはこれからも「食」を通じてお客様の「感動」と「笑顔」を創造し続ける企業として活動してまいります。

 日本の食品市場に一石を投じ、盛り上げていくことを目的に、他企業様との「アライアンスによる新価値提案」も引き続き重要なテーマとして取り組みます。

 海外事業はさらに重要性を増してまいります。

 市場が縮小していると表現される国内の日本食市場とは反対に、世界の日本食市場は拡大を続けています。世界の日本食はそれぞれの国で受け入れやすいように味やメニューなどが形を変えて浸透を続けています。2025年はアジアを中心としたグローバル市場に対して、ローカライズした展開を実施します。

*海外で販売中の「日本食」商品ラインナップ

 タイの2つの工場はハラル認証を取得しており、巨大なムスリム市場への参入を可能にしました。日本とタイ、2カ国の設備・生産技術と商品を有機的に結合させ、レバレッジの効いた海外戦略を構築していきたいと考えています。そして2025年には海外事業での新たな挑戦もしてまいります。

 私自身が海外に足を運ぶ機会も増えています。現地で生きた情報を掴み、判断を重ねていくと共に海外で戦うための人材育成にも取り組んでいます。

 

 先にも述べたように2025年の世界経済はアメリカの動向に大きな影響を受けると考えています。為替やエネルギー価格の変動、それらが招く物価など、来る年はさらにVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代に拍車がかかることが予測されます。このような環境下にあって企業が必要とされ、存続するためにいかなる変化にも備え、俊敏に対応する組織能力を高めることに引き続き重点を置いて取り組んでまいります。

 2025年は乙巳(きのとみ)、「困難を軽やかにかわし、しなやかに進む」「これまでの努力や準備が実を結ぶ」を意味する言葉です。強い生命力を持つ蛇のように、日本経済が、日本国民が、いかなる困難や天災も軽やかに乗り越えて幸運を掴むすばらしい一年となりますよう望んでやみません。

 

 

 今年も変わらぬご指導・ご鞭撻のほど伏してお願い申し上げます。

ヤマモリ株式会社

代表取締役 社長執行役員 三林 圭介

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