SETODEZA合同会社のプレスリリース
大麻・CBD業界のビジネス・経済メディア「CANNABIS INSIGHT」とCBDショップ検索サイト「CBDライブラリー」は、2024年11月16日〜12月7日に開催した「大麻・CBDニュース総選挙2024」の結果を踏まえ、業界をリードする有識者への独自取材を通じて2025年の大麻・CBDニュースを予測しました。本企画では、法規制、市場動向、最新技術など多角的な視点から、2025年の大麻・CBD業界における重要トピックを予測・分析しています。
大麻・CBDニュース総選挙2024での「来年の予測」投票結果を反映
2024年に開催された「大麻・CBDニュース総選挙2024」では、今年の大麻・CBD関連ニュースを振り返るだけでなく、来年(2025年)に起こりうるトピックスについて一般投票者から予測を募集しました。その結果、多数の興味深いアイデアや予測が寄せられた中で、
主催者として特にユニークで注目度が高いと判断したのが以下の4つのテーマです。
-
大手製薬会社がCBD医薬品の臨床試験を開始(※補足あり)
-
アジア初の大麻専門研究機関が設立
-
アメリカが国として合法化し、日本へ圧力をかける
-
法整備が整うことにより、コンビニやドラッグストア等、幅広いショップでカンナビノイド製品が販売される
本企画「大麻・CBDニュース大予測2025」では、これら4つのテーマが今後の市場や法規制、技術革新にどのような影響を及ぼすかを、有識者・専門家の皆様に取材・コメントをいただき、多角的に検証しています。
有識者・専門家の皆様
大麻・CBD業界の有識者による2025年予測とコメント
予測1:大手製薬会社がCBD医薬品の臨床試験を開始(A.Eさん)
※GW Pharmaceuticals社の「エピディオレックス」以外の製薬会社について考察
正高 佑志 氏(一般社団法人GREEN ZONE JAPAN 代表理事)
大手製薬会社の大きな動きは見られず
現時点では処方箋医薬品としての開発を目指した動きはEpidiolex以外には把握していません。医薬品開発には大規模な臨床試験が必要であり、そのためのコストも莫大なものとなります。日本国内に関していえば、国民皆保険でカバーされるカンナビノイド医薬品の開発にはそれなりのインセンティブが働くと考えられますが、すでに嗜好品や全草での医療大麻が合法化された国や地域では、それらの処方箋医薬品開発には大きなメリットがないと考えられます。大手の製薬企業のサプリメント部門が参入してくるのが、どちらかというと先だと思います。
また、日本においては先日公表された「PhRMA(米国研究製薬工業協会)とEFPIA(欧州製薬団体連合会)の共同声明」により日本の新薬開発の環境全体が製薬会社に対して逆風になりつつあります。
予測2:アジア初の大麻専門研究機関が設立(K.Sさん)
中澤 亮太 氏(Asabis株式会社 代表取締役社長|CBD部)
麻の研究促進がイノベーションの鍵に
世界的な潮流として、治療から予防へ、ヘルスケアからウェルネスへと重心が移行しつつある中で、麻への注目度が高まる流れは止まらないと思います。また、麻は医療やウェルネス用途のみならず、食品・環境・エネルギー・伝統など様々な観点での可能性を期待されている植物である一方で、その実用化は未だ途上です。麻のポテンシャルを最大限引き出すには、研究とそこから生まれるイノベーションが鍵となります。既にタイでは医療用大麻専門の研究所が設立されているとのことですが、日本を含めたアジア全体で、麻に関する総合的な領域の研究の推進と実現を期待していますし、僕らとしても何かできることがあればお力になりたいです
予測3:アメリカが大麻を合法化し、日本へ圧力をかける(L.Sさん)
三木 直子 氏(一般社団法人Green Zone Japan 理事 & 翻訳家)
トランプ大統領による大麻合法化は不透明
国民の 70% が大麻の合法化に賛成という背景があるので、大統領選では、歴史的に大麻の合法化に消極的である共和党の候補が大麻合法化に積極的な姿勢を見せたのは理解できますが、トランプは選挙の公約に掲げたことを守る気はないことが明らかですし、これまでも合法化に対する態度をたびたび変えていますから、2回目の任期中の合法化についても私個人的には懐疑的です。
とは言え、トランプ政権にとっての最優先事項は大企業に得をさせることなので、大麻についても、大企業のビジネスに有利な政策をとるのではないかと思います。つまりスケジュール I から III への変更によって大手銀行との取引が可能となり、大企業に有利な税制が適用される可能性は高いと思います。要は、ビジネスを有利にするためのロビー活動に誰が一番お金を使うかに左右されるのではないでしょうか。
いずれにしろ、2025年中に連邦レベルで大麻が合法化され、日本にも合法化を求めて圧力をかけてくる可能性は非常に低いと思います。仮に今後4年間のトランプの任期中に合法化が実現するとしても、連邦レベルでの合法化となれば法の整備に相当な時間がかかるでしょうし、アメリカの大麻市場はしばらくは激震に見舞われるでしょうから、他国に圧力をかける余裕ができるまでには時間がかかるのではないでしょうか。
予測4:法整備が整うことにより、コンビニやドラッグストア等、幅広いショップでカンナビノイド製品が販売される(O.Wさん)
須藤 晃通 氏(全国大麻商工業協議会 代表理事 /株式会社CannaTech 代表取締役)
2025年はCBD市場が大きく変わる
ドラッグストアでサプリメント形状の取り扱いは可能性が高い。コンビニはドリンクや菓子などカジュアルな剤型が採用されると思います。現在販売されている大方の製品は、ただ棚に置けば売れるという剤型ではないので、いかに消費者にとって使いやすい形で導入できるか市場拡大の肝になると考える。また、カンナビノイドではCBD,CBGは導入されやすいが、CBNは擬陽性の問題もあり課題が残る。
大前提として厳しい閾値をクリアし、経時的な変性にも耐えうる製品の証明を担保できるか。原料サプライヤー、メーカーの取組に注目です。
2025年の予測はCBD市場の勢力図が大きく変わる激動の一年になるでしょう!
特別寄稿
モーリー・ロバートソン 氏(国際ジャーナリスト/ ミュージシャン/ コメンテーター)
国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテーター、DJといった多岐な分野で活躍。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時合格する。日本語で受験したアメリカ人としてはおそらく初めての合格者。東大、ハーバード大学に加え、MIT、スタンフォード大学、UCバークレー、プリンストン大学、エール大学にも同時合格。東京大学を1学期で退学し、ハーバード大学に入学。電子音楽とアニメーションを専攻。アナログ・シンセサイザーの世界的な権威に師事。1988年にハーバード大学を卒業。2001年「情熱大陸」でフィーチャー。2005年ポッドキャストのパイオニアとなり、ネットでラジオ番組「i-morley」を配信。ニフティ社から「Podcasting Award」を受賞。現在各種メディアでも活躍中。
2025年の日本における大麻・CBDの展望は、医療を除いて明るくない。
2025年の日本における大麻・CBDの展望は、医療を除いて明るくない。
その理由は政治とマスコミが本件に関して「鎖国」の姿勢を貫いているからだ。大麻とハードドラッグや合成新型ドラッグのリスク比較も広く報じられず、「汚染」というキーワードで片付けられている。結果、国民は肝心な情報が与えられないまま、プロパガンダのように偏った「ダメ。絶対!」情報を深く信じ込んでおり、合法化や規制緩和の議論そのものがまだ成り立たない。
大麻のリスクとベネフィットを公正に判断できる状態はまだまだ遠いと言わざるを得ない。
長らく「アメリカの合法化の波がいずれ日本にも来る」と言われていたが、アメリカの連邦レベルでの合法化は現在、棚上げの状態だ。トランプ氏は大統領選の最中には民主党を指示する若者世代の支持を取り付けるべく合法化への容認を口にしたが、実行に移すかどうかは怪しい。第二次トランプ政権が始まると移民排斥、中国への関税、政府機関の再編成、減税、外交上の孤立主義シフトなど支持層が喜びそうな政策が優先されるだろう。一方、大麻の合法化を後押しする要因として考えられるのはイーロン・マスクなど政権のインサイダーからの助言だ。
日本のマスコミには構造的な欠陥がある。政府、スポンサー、世論の主流など「その都度、強い側につく」という習性が報道の現場にまで染み付いていて、「バッド・ニュース」や「考えるべき内容」を積極的に報じるインセンティブがない。また報道がバラエティー化し、専門家よりも文化人や芸能人のニュースに対するコメントが共感を呼ぶという慣例も、国際的には異様に見える。結果、現存のルールや体制に対して疑いがなかなか生じない建付けとなっている。出演者としては大麻の合法化や合法化に関する議論を提言するだけでリスクを負うことになる。
一方で風向きが変わった時のマスコミの手のひら返しも早い。2010年代はあれだけ脱原発を強く打ち出していた報道の論調が今やインフレ対策としての原発再稼働を待ち望むトーンへとシフトしつつある。また、自民党に忖度した政治報道も少数与党へと転落したタイミングで厳し目、いや「まとも」になりつつある。さらに芸能報道ではアンタッチャブルだったジャニーズ事務所のスキャンダルをBBCが報じたことがきっかけで「沈黙の壁」が打ち砕かれ、今ではジャニー喜多川氏の生前の性加害を細かくワイドショー的に報道し続けている。無節操だが、逆にとらえると将来「大麻は賊軍ではなく官軍」というシグナルが出た途端、こぞって大麻礼賛へと雪崩を打つシナリオも考えられるということだ。
日本で大麻に関するロビー活動を展開する上で、東京電力を筆頭に原子力業界の戦略が参考になるだろう。政治家へのアプローチ、経済界へのアプローチ、そして広報を地道に続けた同業界は今、形勢逆転にあと一歩というところまで近づくことができている。逆に「すべての原発を廃炉に!」と叫び続けてきた共産党、れいわの影響力は風前の灯火。「夏草や 反原発が 夢の跡」である。
「大麻は科学的に検証した結果、アルコールやニコチンよりも人体への害が少ない。また医療の用途も幅広く期待できる」という主張に客観的なデータを添えたとしても、上記のハードルが立ちはだかっているため、世論を換気することは困難である。その一方、大麻合法化には大きな経済メリットがあるため、政治家も財界も潜在的なうまみには注目している。「急がば回れ」の精神で議員を赤坂の料亭で一人ひとり説得し、抱き込んでいくような手練手管が求められている。また地方選挙も狙い目かもしれない。「医療大麻産業の振興」を公約して当選する議員が続出すれば、維新の躍進にも似たムーブメントが想像できる。日経新聞や朝日新聞など、過去に合法化、医療大麻に好意的な報道をしたメディアを狙い撃ちして記事を書きたくなるパッケージを提案していくことも有効だ。つまり「大麻の電通」になる心構えが必要だと思う。
アメリカの合法化の歴史を辿るとベトナム戦争時の反戦運動が広範な若者の抵抗運動、カウンターカルチャー運動へと広がっていく過程で大麻使用は「大人たちの権力に中指を立てる」シンボリックな行為として広まった。大麻のみならずサイケデリック・ドラッグの使用をハーバードの教授だったティモシー・リアリーなどが提唱したことも大きかった(リアリーはその後拘束され、収監もされるが残した影響は大)。さらにビートルズのような大物バンドが大麻やドラッグ全般の「危ない楽しみ」を暗号として数々のヒット曲に盛り込んだことも大きかった。これらはまず大学生や知識人層に深く浸透し、年月を経て社会の主流へと成熟していった。
日本の時計はアメリカとはかなり違うが、知識人層に大麻への客観的な認知を広めるのは有効な手段となるだろう。文学者、アーチスト、学者は論を組み立てたり、作品に濃縮したメッセージを込めることができるので、SNSの発信に比べて桁違いの効力をロングタームで発揮する。厚生労働省の発信やそれに同調した大手メディアの報道が陳腐な「お役所口調」であり続けることは、開拓しがいのある「空き地」がそこにあることを示唆している。大麻合法化はぶっちゃけ「おしゃれ」であり、これからの世代の「主流」であるというイメージを浸透させることは5年先の日本に向けた布石になるだろう。
主催者の総評
本企画「大麻・CBDニュース大予測2025」は、業界の最前線を走る専門家・有識者の熱いインサイトを集約し、国内外の法改正や市場拡大にとどまらず、ビジネス戦略や文化的インパクトなど多彩な角度から2025年を読み解きました。
また、募集にて集まった投票者の「未来予測」も希望に満ち溢れた意見が多く、「熱量の高さ」を感じることができました。
2025年は法規制や世論の変化によって業界の勢力図が一変する可能性を秘めた“ターニングポイント”です。企業や投資家はもちろん、今後の展開に関心を持つすべての方にとって見逃せない一年になりそうです。
大麻・CBDニュース総選挙とは
『大麻・CBDニュース総選挙』は、同年に起きた国内外の大麻・CBD関連の厳選ニュースより、最も印象に残ったニュースランキングを決める、オンライン投票イベントです。日本国内の情報メディアとして唯一の試みで2024年は第3回目の開催となります。本イベントは、日本最大級のCBDショップ検索サイト『CBD Library』と、大麻・CBDのビジネス、経済メディア『CANNABIS INSIGHT』によって共同開催(2024年11月16日〜12月7日)されました。
※自社調べ(2024年12月)
なお、CBD(カンナビジオール)とは、日本国内では使用が認められている大麻(麻)由来の健康成分です。近年、ウェルネス領域で期待が集まっています。
特設サイト
https://worldcannabisnews-award.studio.site/
CBDとは
※CBD(カンナビジオール)は、日本国内で使用が認められている大麻(麻)由来の健康成分です。
近年、ウェルネス領域で注目を集めています。
■『2024年 大麻・CBDニュース総選挙』の協賛ブランド
VapeMania:https://www.vapemania.jp/
CannaTech:https://cannatech.co.jp/
SKEW:https://skew420.com/
C&H:https://c-h.inc/
CBD部:https://cbdbu.jp/
■共同主催者
◎CANNABIS INSIGHT
大麻・CBDのビジネス、経済メディア『CANNABIS INSIGHT(カンナビスインサイト)』は、世界の大麻・ヘンプ・CBD関連ニュースをお届けする経済メディアです。毎週日曜日に「週刊大麻ニュース」を配信中。メールマガジンにて注目のニュースをお届けします。
URL:https://cannabisinsight.jp/
◎CBD Library(運営:ウェルネスキット株式会社)
日本全国のCBDショップ検索サイト(1,360店舗掲載)およびオンラインセレクトショップ『CBDライブラリー』を運営中
URL:https://cbd-library.com/、https://store.cbd-library.com
※数値は、2024年12月末現在
■お問い合わせ
CANNABIS INSIGHT|お問い合わせ