新日本製薬 株式会社のプレスリリース
新日本製薬 株式会社(本社:福岡市、代表取締役社長CEO:後藤孝洋)は、タイトジャンクション※1(以下、TJ)の機能による皮膚透過について、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学と、名古屋大学発ベンチャー企業 合同会社BeCellBarと共同研究を行いました。その結果、「フェルラ酸」と「センブリエキス」によりTJが緩和し、皮膚透過が促進されることを確認しました。この効果により、成分の浸透を高めることが期待できるため、当社は今後、これらの成果を応用したスキンケア商品の開発を進めてまいります。
※1 皮膚の最表面である表皮を構成する顆粒層に存在し、皮膚の水分保持やバリア機能に関与する細胞接着装置
【研究背景】
当社は、美しい肌を保つにはバリア機能を高め、成分を効率的に浸透させることが重要であると考え、新たな有用成分の探索や成分の機能性研究、浸透技術の応用研究、生体バリア機能に関する研究に長年取り組んでいます。本研究では、細胞間の接着を強めて皮膚の水分保持やバリア機能を維持する作用、また接着を弱めて皮膚透過を促進する作用を持つTJに着目し、これらの機能を高める新しい有用成分の発見をめざし研究に着手しました。
【研究結果】
分化誘導したヒト表皮角化細胞(以下、NHEK)を使って、TJを構成するクローディン※2(以下、CLDN)量とTJ透過性を検証した結果、「フェルラ酸」と「センブリエキス」をそれぞれ添加することでCLDN量が減少し、TJ透過性が高まることを確認しました。本研究の結果から、「フェルラ酸」と「センブリエキス」にはTJを緩和させ、皮膚透過を促進する効果があり、成分の浸透を高めることが期待されると考えられます。
※2 細胞間結合の様式の一種で、TJの形成に関わる主要なタンパク質
研究1.CLDN量を測定
分化誘導したNHEKに「フェルラ酸」、「センブリエキス」をそれぞれ添加し、CLDN量を検証した結果、CLDN1※3とCLDN4※4の量が減少することを確認しました。
※3 皮膚、肝臓、腎臓などで発現し、皮膚の水分保持やバリア機能を持つ
※4 消化器官、腎臓、膵臓、肺などで発現し、皮膚において選択的な物質の透過を調節する役割を持ち、バリア機能を維持する
研究2.TJ透過性を測定
分化誘導したNHEKに「フェルラ酸」、「センブリエキス」をそれぞれ添加し、分子量4,000の蛍光色素を使って透過性を検証した結果、蛍光強度が増加、すなわち透過性が高まることを確認しました。
①「フェルラ酸」添加によるTJ透過性 [図1]
分化誘導したNHEKに「フェルラ酸」を添加した場合、未添加と比較して蛍光強度が1時間後に19%、6時間後に44%増加することを確認しました。
②「センブリエキス」添加によるTJ透過性 [図2]
分化誘導したNHEKに「センブリエキス」を添加した場合、未添加と比較して蛍光強度が6時間後に17%増加することを確認しました。
【フェルラ酸について】
米ぬかから抽出されたポリフェノールの一種。高い抗酸化作用があることから幅広い分野で応用されており、化粧品ではメラニンの生成を抑制する効果や紫外線吸収作用、抗炎症効果などの美容効果が期待されている。
【センブリエキスについて】
センブリは、日本の伝統的な薬草として知られ、その豊富な効能から現代でも幅広い分野で応用されている。なかでも化粧品では、血管拡張による血行促進作用、肌荒れ改善作用、美白作用があると言われており、美容効果が期待されている。
*当リリースは薬機法等諸法規に基づくものではありません。
新日本製薬の研究開発について
当社は、美と健康の領域で「新しい」価値をお客さまにお届けするため、スマート“ライフ”サイエンスという研究方針を掲げています。特にコラーゲンと絶滅危惧種の薬用植物「ムラサキ」の研究に力を入れ、コラーゲンに関する特許を4つ、ムラサキの栽培に関する特許を1つ、紫根に関する特許を1つ取得しています。今後も美と健康の領域で、お客さまのお悩みを解決するため、大学やパートナー企業と共に新素材の研究を推進してまいります。
<新日本製薬の研究開発サイト: https://corporate.shinnihonseiyaku.co.jp/rd/>
会社概要
会社名:新日本製薬 株式会社
所在地:福岡県福岡市中央区大手門1丁目4-7
代表者:代表取締役社長CEO 後藤 孝洋
設 立:1992年3月
事業内容:化粧品、健康食品、医薬品の企画及び通信販売・卸販売