2025年のキーワードは「潜在的好奇心」「生活習慣との掛け算」「選択と工夫」
日清オイリオグループ株式会社のプレスリリース
日清オイリオグループ株式会社(社長:久野 貴久)「生活科学研究課」は、社会環境や生活者の価値観、およびそれらを起因とする生活習慣や行動の変化などについて継続的に調査研究し、情報を発信しています。
この度、2025 年の生活者の食生活に関する消費マインド予測を、当社ホームページにて公開しました。
「生活者の消費マインド予測 2025」の詳細:
https://www.nisshin-oillio.com/report/top/pdf/2025.pdf
■2024年の振り返りと「生活者の消費マインド予測 2025」の概要
2024年は賃上げ機運が高まる一方、物価上昇も続き、生活者の節約志向に伴う選別消費が見られました。そのようななか、企業によるカスタマイズサービスの拡大、食文化を通じた地域の魅力発信、地球環境に配慮した取り組みなどによって、生活者の消費マインドは、昨年の予測である「価値観に合った選択を享受し、食生活を充実させる」方向に概ね進みました。
そして、2025年は、エンゲル係数が高水準となるなか、食材・食品の選択において楽しみや栄養など様々な価値と家計とのバランスを考慮し、自らの経験や、そこから得た知見を活かし、自分らしい食生活を追求することに向かうと予測します。
2025年の生活者の食生活に関する消費マインドのキーワードとして、「潜在的好奇心」「生活習慣との掛け算」「選択と工夫」の3つを抽出しました。詳細は、次の通りです。
■3つのキーワード
○潜在的好奇心 ~体験や知識が刺激となり、顕在化した興味・関心を基に食を楽しむ~
近年、アレンジレシピや体験型イベントなどにより、生活者は少しの工夫で食の楽しみを増やす機会や、新たな体験をする機会が増えています。このようななか、当課調査において、生活者の多くが、食事は栄養補給や空腹を満たすためだけではなく、コミュニケーションやレクリエーションの場にもなる“楽しみ”と考えており、誕生日や良いことがあったときに少し特別な食事を取り入れたいと考えていることが分かりました。また、自らの経験や、そこから得た知見を活かして様々な価値と家計とのバランスを取り、自分らしい食生活を追求する方向に進むと考えられます。SNSから情報を得ている人が全年代で増加しており、自分に合った情報を参考にする傾向が強まっています。このような状況から、生活者は、個々人の体験や知識が刺激となって引き出される興味・関心を基に、自分流のカスタマイズで食を楽しむと予測します。
○生活習慣との掛け算 ~普段の食事と生活習慣を掛け合わせ、好きなことができるカラダ作りを目指す~
当課調査から、生活者の約8割は複数の食材で栄養バランスを整えたいと考えていることや、約6割はおいしさを大切にしていることなどが分かっており、生活者は食事を健康目的だけでとるのではなく、楽しんでいる様子もうかがえます。また、食事の際の健康意識は60代以下の全ての年代で減少しているものの、健康全般への意識の変化においては、十分な休養や規則正しい生活など、食以外に対する意識が向上する人も見られました。さらに、定期的に運動している70代が増加傾向にあることが分かっています。このような状況から、生活者は、自身の生活スタイルの中で、普段の食事と生活習慣を掛け合わせ、年齢や性別などの固定観念にとらわれずに好きなことができる、カラダ作りや体力向上を目指すと予測します。
○選択と工夫 ~変化や取り組みの状況を受け入れ、選択と工夫で食スタイルを維持する~
近年、気候変動の影響による食材の供給懸念や価格への影響などが増加しており、当課調査からは、生活者の約7割は欲しい食材が手に入りにくくなった経験をしていることが分かっています。また、夕食の調理にかける時間が年々減少傾向にある一方で、時短につながらなくても環境に良いことをしたいと思っている人もおり、特に60代においては顕著な増加が見られました。このような状況から、生活者は、気候変動による商品やサービスの変化、地球環境に配慮した社会の取り組みなどを柔軟に受け入れ、食材・食品の調達・調理方法を適宜選択し、工夫しながら、いつもの食スタイルの維持を目指すと予測します。