世界初の高性能3D人工皮膚モデルの普及に向け事業提携

ムサシとオーガンテックが共同研究開発を開始

武蔵精密工業株式会社のプレスリリース

武蔵精密工業株式会社(本社:愛知県豊橋市、代表取締役社長:大塚浩史、以下ムサシ)は、日本初の器官(臓器)再生医療分野のベンチャー企業である株式会社オーガンテック(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:下義生、以下オーガンテック)との間で世界初となる高性能3D人工皮膚モデル*の普及に向けた事業提携に合意しました。両社間では今後、人工皮膚製造容器の量産および人工皮膚自動製造装置の共同研究開発を行います。

 

*3D人工皮膚モデル

皮膚の構造を再現した3Dの生体モデルで、医療、化粧品、創薬、再生医療などの分野で活用されています。天然皮膚と同様な構造かつさらに均質な品質を有しているため、より生体に近い環境での研究が可能です。

▲3D人工皮膚モデルと模式図

<オーガンテックの概要>

オーガンテックは、器官再生の研究領域の第一人者である、元理化学研究所生命機能科学研究センターの辻孝氏が創業したベンチャー企業です。3D人工皮膚モデルや毛髪再生、歯の再生に関わる多くの知的財産を有し、国内外の研究者や様々な企業から注目を集めています。なかでも、オーガンテックの3D人工皮膚モデルは、天然皮膚と同様に張力を維持する構造を有しており、安全性や機能性の評価に優れています。

オーガンテックホームページhttps://www.organ-tech.jp/

▲オーガンテック取締役会長の辻孝氏(中央左)とムサシ代表取締役社長の大塚浩史(中央右)

<世界の人口皮膚市場>

化粧品やヘルスケア業界では、動物愛護の観点から動物試験廃止の動きが広まっています。ヒトに対する安全性評価も倫理的な問題から実施が難しく、幅広い評価に用いることができる動物実験代替法としての3D人工皮膚モデルの開発が期待されてきました。製薬会社や化粧品会社の人工皮膚に対するニーズの高まりを受け、2022年に約4,500億円であった人工皮膚の世界市場規模は、2030 年に約2兆2,500 億円(ソース:Global Bioengineered Artificial Skin Market Report 2023、1ドル=150円で換算)レベルへと成長すると予測されています。

 

<異業種協業の背景とインパクト>

オーガンテックの3D人工皮膚モデルは、これまでの安全性試験に加え、新規機能性物質のスクリーニングや生体外の皮膚傷害モデル、皮膚過敏症モデルなど、幅広い技術的な優位性を有しており、その期待に応えるものと考えられています。しかし、張力を付与する3D人工皮膚の製造には熟練技術者の繊細な作業が必要で量産が難しいため、この高性能3D人工皮膚モデルを安定して生産できる製造容器や自動製造装置の開発が期待されていました。

 

ムサシはオーガンテックとの異業種協業を通じ、これまで培ってきたものづくりや製造装置の自動化、AI技術を提供し、人工皮膚製造容器の量産、ならびに安定した製造を可能とする自動製造装置を実現します。高性能3D人工皮膚の普及により、ヒトでの精度が高い安全性試験や動物試験廃止により十分にできなかった化粧品や機能性食品、医療領域での研究開発が容易になり、様々な領域の研究開発に大きな変革をもたらすことが期待されます。

 

ムサシは、テクノロジーとイノベーションで社会課題を解決し、世の中からその存在を期待される「エッセンシャルカンパニー」を目指して変革を加速してまいります。

 

【オーガンテックについて】

株式会社オーガンテックは、「21世紀型の器官(臓器)再生医療とウェルネスイノベーションにより、 世界の人々の健康と生活の質の向上に貢献する」を理念とし、 再生医療、ライフヘルスケア及びメディカルヘルスケアの分野で、世界初・日本発の器官再生の基盤技術に基づく研究開発、並びに事業活動に取り組んでいます。現在は、歯の再生としての次世代バイオインプラント、毛髪の再生、3D人工皮膚モデルの事業を3つの柱としており、人々の健康長寿に貢献してまいります。

Web Sitehttps://www.organ-tech.jp/

 

【ムサシについて】

武蔵精密工業は四輪/二輪車用向けに、電動化や自動運転を見据えた次世代パワートレインならびにステアリング、シャーシ部品の開発/製造/販売をグローバルに展開しております。又、新事業の領域ではe-mobility事業、スマートインダストリー事業、エネルギーソリューション事業、植物バイオ事業においてオープンイノベーションの活用により事業の拡大をしております。

Web Site: https://www.musashi.co.jp/

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