真皮線維芽細胞で発現してシワを誘導するエラスターゼ酵素(ネプリライシン)の発現を増強する細胞内シグナルメカニズムを解明した共同研究論文がThe Journal of Dermatologyに掲載

株式会社トゥヴェールのプレスリリース

株式会社トゥヴェール(本社:大阪府箕面市、代表取締役社長:森山義彦)は、宇都宮⼤学特任教授 医学博⼠ 芋川⽞爾先⽣(home page https://www.imokawagenji.com/)の指導のもとで共同研究を⾏い、「シワ誘導膜結合型エラスターゼ(ネプリライシン)の線維芽細胞でのIL- 1α刺激発現増強に関与する細胞内シグナル伝達メカニズム」を解明し、The Journal ofDermatology(※)に論文が掲載されました。

http://doi.org/10.1111/1346-8138.17520

※発行:日本皮膚科学会、インパクトファクター(3.469:2023-2024)

ネプリライシンは、紫外線に曝露された皮膚線維芽細胞や老化した真皮線維芽細胞に豊富に発現する、皮膚のしわを誘発する膜結合エラスターゼです。ネプリライシンの過剰発現は、皮膚弾力性を発揮している3次元直線性エラスチン線維ネットワーク構造を線維芽細胞の周囲で切断し、皮膚弾力性を低下させ、シワの形成を引き起こします。このネプリライシンはUVB暴露表皮細胞から分泌されるインターロイキン1α(IL-1α)が真皮に浸透し線維芽細胞に働くことによってその産生と活性が増強されます。

本研究では、IL-1αによる刺激が真皮線維芽細胞でどのような細胞内シグナル伝達経路を介してネプリライシンを増強するか明らかにしました。

  • 結果

真皮線芽細胞におけるIL-1α刺激でのシワ誘導酵素エラスターゼ、ネプリライシンの発現が、ERK/JNK/c-Jun/c-Fos/AP-1の細胞内シグナル伝達カスケードの活性化を介して増強されることが判明しました。

多くの天然素材や化学物質がERK/JNK/c-Jun/c-Fos/AP-1シグナル伝達因子に対する阻害効果を示すことが判明しているため、IL-1α刺激によるネプリライシンの発現に関連する細胞内シグナル伝達カスケードの解明は、シワ試験が動物実験禁止により代替法の開発が望まれている中、培養細胞を使用して新しいネプリライシン酵素の発現増強抑制剤のスクリーニングが可能となり、新しい効果的な抗シワ剤の開発が簡単にできるようになり、その意義は極めて高い発表となりました。

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