~老人ホーム「イリーゼ横浜旭」にて実施した運動支援システムの実証実験結果 ~

TANOTECH株式会社のプレスリリース

                                      TANOTECH株式会社

                                HITOWAケアサービス株式会社

     TANOTECH(株)が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の
     採択事業として実施した実証実験に、HITOWAケアサービス(株)が協力

        福祉・介護向けに機能を向上させた「TANO+」の活用で
        介護施設入居者の運動機能や口腔機能が有意に改善(※1)

 生活総合支援サービスを展開するHITOWAグループで、有料老人ホーム「イリーゼ」を国内で144施設(※2)運営するHITOWAケアサービス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 袴田 義輝、以下「HITOWAケアサービス社」)は、TANOTECH株式会社(本社:神奈川県平塚市、代表取締役:三田村 勉、以下「TANOTECH」)が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)の採択事業(※3)として実施した、福祉・介護現場向けに機能を向上させた「TANO+」を使った実証実験に協力し、このほどその結果が出ました。

 当実証実験は、TANOTECHが従来のモーショントレーニングツール「TANO」をベースに、ロボット介護機器開発等推進事業で新たに機能開発した「TANO+」を使用し、ADL(Activities of Daily Living=日常生活動作)機能向上やフレイル(健康な状態と要介護状態の中間の段階)予防に及ぼす効果を検証することを目的に実施されております。

 昨年12月、TANOTECHが「イリーゼ横浜旭」に入居されている高齢者を対象に「TANO+」を使ったレクリエーション運動を4週間(週1~3回程度、1回30分間)実施し、その前後で効果を測定しました。その結果、特に「運動機能(足腰)」と「口腔機能(舌の力・動き)」において、有意な改善が見られ、「TANO+」をADL機能向上やフレイル予防に活用できる可能性が確認されました。

レクリエーション運動を行っている入居者の方々

 HITOWAケアサービス社は2023年より「イリーゼ」の一部に「TANO」を導入しており、TANOTECHへのフィードバックなどを通して、協働を進めてきました。今回、「TANO」がAMEDの事業に採択され、ゲーム性だけでなく、遠隔も含めて様々な人が参加するコミュニティを創出することで運動が習慣化され、多くの人々の健康増進につなげたいというTANOTECHの構想に大いに共感し、介護の現場として実証実験に協力するに至りました。 

 今後も、介護の現場で培ってきた知見を活かし、現場として使いやすく、実効性のある「TANO」に進化するよう、共に考え、助言しながら協働を進めていきたいと考えています。

 TANOTECHは、利用者の自立支援と、介護者の負担軽減に貢献すべく「TANO」の開発を進めてきました。「TANO」は、ゲームの要素を取り入れたゲーミフィケーション(※4)を活用し、口頭では動きの説明が難しい自発的な動作を誘発することができ、楽しみながら参加できることが大きな特徴です。

 今回の実証結果を踏まえ、今後はさらに利用者が楽しめて、自ら参加したくなるような行動変容につながる環境づくりに注力していきます。具体的には、遠隔の人たちとつないで新たなコミュニケーションの場を作ることや、司会・チュートリアル・応援する役割を担うロボットの開発をさらに進めていきます。それにより、介護者の負担軽減にも寄与していきたいと考えています。  

※1 有料老人ホーム「イリーゼ横浜旭」を利用する65歳以上の高齢者22名を対象とした、TANOTEC
   Hの実証実験結果によるものです。

※2 2024年9月末現在

※3 令和5年度「ロボット介護機器開発等推進事業(開発補助)」において、「リアルサイバースポー
   ツ環境を作るコミュニケーションロボット」が事業課題として採択

   事業の目的:利用者の自立支援に繋げ、介護者の負担軽減を実現

   研究開発項目①:自ら進んで参加したくなる環境へ

           グループコミュニティを形成することによる、運動の習慣作りの効果
   研究開発項目②:様々な疾患・背景がある利用者も遊べる環境へ

           集まるコミュニティによる運動の選出効果
   研究開発項目③:レクリエーションの準備進行をロボットが補助

           チュートリアル・司会システム開発によるUI/UXに配慮したロボットの開発

   (https://www.robotcare.jp/jp/development/12_10

※4 ゲーミフィケーション・・・ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用する
   こと

【実証実験結果】

週に1~3回、1回あたり30分間、「TANO+」を使った体操やレクリエーションに参加いただき、参加前と参加後(4週間後)に効果を検証しました。

なお、実証については筑波大学及びライオン株式会社が研究機関として実証プロトコル策定から実証サポート、報告を担っております。

  • 椅子に座った状態から立ち上がって座る動作を5回繰り返す時間を測定する「5回立ち上がりテスト(運動機能)」では、対象者22名のうち、自立起立可能で週2回以上参加された12名の方が、参加前22.9秒から、参加後13.6秒となり、有意に短縮しました。

 
  • 測定機に向かって「タ」の連続発音を5秒間行い、その間の発音回数を確認する「『タ』の発声回数(口腔機能評価のひとつ)」では、対象者22名のうち17名の方が週2回以上参加され、参加前13.1回/5秒間から、参加後20.4回/5秒間となり、有意に上昇しました。

  • 車いすの方、片麻痺の方などさまざまな疾患をお持ちの方や運動が苦手な方でも、その方のレベルに合わせた難易度を自動調整するゲーム(自動難易度調整ゲーム/運動機能)を、対象者22名の方に週1回以上実施していただいたところ、多くの方が実施の前後で運動量のスコアが上昇しました。
    *運動量は各コンテンツの30秒間の難易度推移より算出しています。

    「シン・タッチ」は、画面の中で上からボールが落ちてきて、それを手で触ると花火が開くゲームで、手の運動を目的としたものです。ボールが落ちてくるスピードを自動調整する機能を備えており、最初はゆっくりしたスピードで落ちてきますが、慣れてくると、落ちるスピードが徐々に速くなっていきます。

    「シン・ジャンプ」は、画面の中で転がってくる丸太をジャンプして避けるゲームで、足腰の運動を目的としています。丸太のスピードを自動調整する機能を備えており、最初はゆっくりと転がってきますが、慣れてくるとスピードが徐々に速くなっていきます。

【実証実験 概要】 

目的

TANO+がADL機能向上やフレイル予防に及ぼす効果を検証する

試験デザイン      

非ランダム化単群無対照研究(前後比較)

介入:試験品の使用4週間(週3回程度、1回30分間)

評価:開始前評価、4週間後評価 試験期間

試験品

TANO+

被験者

有料老人ホーム「HITOWAケアサービス(株)イリーゼ横浜旭」を利用する65歳以上の高齢者22名(週2回以上参加:17名)。平均年齢86.2歳。平均介護度2.32。

期間

2024年11月26日~12月22日

実施場所   

イリーゼ横浜旭(介護付き有料老人ホーム)

【HITOWA ケアサービス株式会社 概要】

所在地

〒108-6215
東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟

TEL

03-6632-7702(代)FAX:03-6736-5587

URL

https://www.hitowa.com/care-service/

設 立

2006年11月

資本金

5,000万円

事業内容

有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の運営等

代表者

代表取締役社長 袴田 義輝

【TANOTECH株式会社 概要】

所在地

〒254-0035
神奈川県平塚市宮の前1-4 パーレン平塚ビル5F

TEL

0463-73-5490(代)FAX:0463-73-5491

URL

https://www.hitowa.com/care-service/

設 立

2018年6月

資本金

1,000万円

事業内容

TANOの開発・国内外展開

代表者

代表取締役 三田村 勉

  

             

              <報道に関するお問い合わせ先>

       HITOWAホールディングス株式会社  担当:広報企画部 横田

        TEL:03-6632-4929  /  E-MAIL:pr-hd@hitowa.com

             TANOTECH株式会社  担当:営業部 有元

        TEL:0463-73-5490  /  E-MAIL:press@tanotech.jp

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